コントラストをうまく使っている、イラストをベースにしたロゴを5つご紹介します。色彩の差や明るさの濃淡だけでなく、面積や比重など、いろいろなシチュエーションでうまくコントラストを使いこなしているものばかりですので、参考になると思います。バランスの取り方に難しさはありますが、コントラストが鮮やかな作品は印象にも残りやすいですよね!
作例は、以前も記事で取り上げさせていただいた東欧のデザイナー Max Iskra さんによるものです。※記事掲載はデザイナーに許諾を得ています。(Thank you Max !!)
面積と鮮やかなカラーの対比でおおらかさを表現
やや写実的に描かれたイラストですが、とてもユーモラスで親しみやすい感じがしますよね。まるで頭をなでられてうれしそうにしている子犬のような表情が印象的。下がった目じりと微笑んでいる口元がリラックスした雰囲気を作り出しているポイントです。
クマをブラック&ホワイトで描く一方、アクセントカラーとしてハートに赤を使ったコントラストも鮮やかです。ハートの面積を抑えることで、逆にそこが目を引く効果をもたらしていて、ゆったりとしたクマの大きさがイメージできるようです。影の部分を黒一色で表現することでもコントラストがより強調されていますよね。
上下の比重の差で軽やかな動きをイメージ
ゴージャスな頭の花冠がまず目を引きます。一方で服装はとてもシンプル。髪を含めた頭全体の密度が高いのに比べ、首から下がスッキリしているので比重が軽い印象を与えています。
比重のコントラストに加え、大きくはためくスカートと風にたなびく金髪が動きを軽やかにみせています。手の動きだけでなく足のつま先が内側をむいているのもキュートですよね!ベースカラーを緑、アソートカラーに赤や黄色の暖色系を使い、アクセントカラーは瞳の青と、配色の役割も効果的です。アソートカラーのコントラストが強過ぎないのも、全体が上品な印象に仕上がっている理由のひとつになっています。
あえて隠す手法とシンメトリー崩しで印象的なロゴに
ハートを抱えた手と足の指がかわいいですよね!胴の部分を描かず隠すことで見る側にかわいらしい小さな体を想像させています。あえて隠して見る側にイメージさせる手法はバランスを間違えると不自然な印象を与えてしまいます。にゅっと飛び出たしっぽでシンメトリーをあえて崩すバランスを上手に生み出していますね。
ピンクがベースで体に無彩色、目には黄色と、比較的ハッキリした配色のロゴマーク。カジュアルイメージのベース色に対し他の色の色相差を大きくとることで、親しみやすい中に活発な雰囲気を作り出しています。
黄色のクラウンと上向きのイメージで優雅なロゴデザイン
最初のクマのイラストと同じく、ブラック&ホワイトのイメージに印象的なカラーをワンポイント入れるイメージです。
例えば、サントリーのプレミアムモルツのCMも同じ無彩色バックの黄色ワンポイントイメージですよね。プレモルは高彩度の黄色を使い活動的なのに対し、こちらはやや彩度を抑えた黄色で、上品な印象を与える仕上がりになっています。ツンとした表情を思わせる上向きの視線とふくよかな胸のライン、堂々と上がった前足で、優雅な中にもユーモラスな印象を与える作品となっています。
平面で表現する立体感とカジュアルな色彩の対比
丸みをなくしてキリッとした印象ですが、小さくしたおしりと短い後ろ足が不思議な印象を与えるロゴ制作例です。よくみると、特に顔の部分は平面を細かく区切って陰影を上手につけています。平面的な中に立体感を表現しているのですね。
丸みのないラインに加え、上向きにきゅっと飛び出たしっぽはどこかネクタイを連想させて男性的なイメージ。それに対して色彩は白・クリームとオレンジの鮮やかなコントラストでカジュアルな印象をもたらしています。このラインと色彩のそれぞれのイメージの対比がおもしろいですよね。
Designer : Max Iskra (Moldova)
・この記事は制作者に許諾を得て掲載しています。
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