ロゴデザインの構想に悩むデザイナーは多いのではないでしょうか。明日までにラフを数案以上用意しないといけない、なんてことも。ちょっとしたキャンペーンにもロゴが用いられ、WEB広告等の自動配信で無数の「色とりどりなロゴ」が目に飛び込んできます。もしも、急遽明日までにアイデアをまとめなくてはならなくなったら…そんなあなたのために、ロゴデザインについてのヒントを紹介します。
今回参考にさせていただいたのは、アメリカのマイアミを中心に活動するデザイナー Oscar Bastidas ( http://www.mor8graphic.com )さんの作例です。※記事掲載はデザイナーに許諾を得ています。(Thank you Oscar !!)
メッセージを受け手側に伝えるロゴにしよう
制作に入る前、まず制作を始める前にブランド(商品)イメージを詳しく決める必要があります。ロゴはコーポレートアイデンティーの一つとして、またブランドや商品、サービスのイメージを構成する重要な要素となっています。ターゲットや使用シーンなどのコンセプト・方向性を確認した後、ロゴ制作に入りましょう。制作過程でもぶれてしてしまうこともありますが、その都度コンセプトの原点に立ち返って進めることが大切です。
具体的な物をシンボリックに表現するロゴ
1つ目に、ブランド(商品)のイメージやビジョンを、一般的に認知されている具体的な物が持つイメージと重ねてロゴデザインする方法があります。この方法で制作されたロゴは受け手側にすぐ認知されるので受け入れられやすいというメリットがあります。例えば、ペットブームで不動の人気、犬と猫の場合、
・犬…番犬という言葉もあるように「忠実」「誠実」「男性的」等なイメージ
・猫…「自由きまま」「気分屋」「女性的」等なイメージ
があるようです。
では、ロゴデザインを見ていきましょう。
このロゴは狐をモチーフにしたロゴです。よく見ると、尻尾の部分が月にも見えるような。正にブランド名の月と狐をうまく組み合わせた素晴らしいデザインです。こちらは女性のアンダーウェアブランドのロゴだそうで、体の部分は全て直線、月の形の尻尾だけが曲線で表現されており、女性の長い髪を連想させてとても幻想的でアンニュイな世界もうかがえます。
狐(FOX)には、「要領がいい」「知的」「狡猾」といったイメージがあり、FOXを形容詞化したFOXYという単語には、「性的魅力のある」というストレートな意味もあります。
余談ですが、日本人を動物に例えると?という海外アンケートでは「狐」が多く挙げられたそうです。小さく、知的(時に狡猾)な印象があるのでしょうね。
このロゴも動物をモチーフとしています。まさに百獣の王。シンメトリーの構成で堂々と力強いものを感じます。この方法の側面としては、イメージが限定的になってしまうことがある点です。ケースバイケースですが、男性的なイメージになったり、あるいは世代によりモチーフ自体に感じるイメージが異なる場合もあるうるでしょう。この側面がデメリットとなるケースもあるので総合的に考慮しましょう。
文字で構成するロゴ
2つ目には、ブランド(商品)の名前や頭文字を構成してロゴを制作する方法があります。メリットはブランド(商品)の名前やキーワードが受け手に即座に認知されることです。ただし印象深いかといえば疑問が残るので、マークと組み合わせて使用するなど注意が必要です。一般的には企業名や高級ブランド/サービス・専門性が高い業界/商品で目にすることが多いようです。
一番下の左側、個性的なRの文字が印象的です。
具象モチーフと文字を組合せて構成するロゴ
3つ目は1番目と2番目の方法を組み合わせたアイデアです。ブランド(商品)の名前やキーワードと具体的なモチーフを組み合わせることで、受け手側の認知スピードも速くなる理想的なパターンと言えるかもしれません。この方法での注意点は、構成する要素が多い為、デザインが複雑になると、かえって分かりにくくなる点です。最終的にロゴ規定を作成する際に困ったことにならないように、早い段階から縮小した時につぶれないかなど配慮することも必要です。また、一体化しているが故に、文字(ロゴタイプ)とシンボルマークを別々に用いるといったことが難しいので、気をつけましょう。
このロゴマークでは料理人の帽子と、サービス・商品のキーワードである「FOOD」が人々を笑顔にするというストーリーが一瞬で伝わってきます。食の持つ温かく健康的なイメージも感じられる素晴らしいデザインです。
ブランド(商品)のイメージや、商品の使用感・使用後の姿を受けて側に伝えるロゴ。ロゴはコミュニケーションツールの一つ。受け手にうまくメッセージが届くロゴを制作したいものです。
Designer : Oscar Bastidas (Miami, USA)
・この記事は制作者に許諾を得て掲載しています。
あわせて読みたい
サイトへのお問い合わせ・依頼 / 各種デザイン作成について