PRINT DESIGN — POSTER
中吊り広告制作事例 – 新商品のビールをPRする車内中吊り広告デザイン





「飲む、その瞬間」に寄り添う、クラフトビールの広告デザインを制作しました。
新しいクラフトビールのための、電車内中吊り広告サンプルをデザインしました。ターゲットが「一息つきたい」と感じるであろう、対照的な2つの日常シーンを切り取ることで、製品が持つ世界観を多角的に表現しています。単に商品の特徴を伝えるだけでなく、飲む人の時間そのものを豊かにする存在であることを感じさせる、情緒的なコミュニケーションを目指しました。
情景が語る「静」のひととき
夕景を背にした女性の横顔を捉えた広告は、「自分へのご褒美」となる静かな時間を表現しています。落ち着いた色調と上質なグラスのしつらえは、一日の終わりにゆったりと自分を労う、少し特別なひとときを演出。あえて表情をはっきりと見せないことで、見る人が自身の感情や理想の時間を投影しやすくなるよう意図しています。穏やかな空気感が、商品の持つ癒やしの側面を伝えます。
表情が語る「動」のひととき
一方、満面の笑みを浮かべた女性の広告は、気心の知れた仲間や家族と過ごす、楽しい時間を表現したものです。明るい光の中で見せる屈託のない笑顔は、理屈抜きの「おいしい!」「楽しい!」という感情をストレートに伝えます。リラックスした服装や温かみのある雰囲気は、日常の中にある幸せな休息の瞬間を切り取っており、共感性の高いビジュアルではないでしょうか。


伝えたいのは「味」だけではない。世界観を届けるデザイン戦略
2つの広告は異なるシチュエーションを描いていますが、デザインの根幹にある思想は共通しています。それは、商品の味や機能的価値を訴求する以前に、この製品がどのような世界観を持っているのか、そして、人々の生活にどのように関わっていくのかを直感的に伝えることです。
パッケージと広告を繋ぐ、キーカラーとシズル表現
広告全体のトーン&マナーは、商品の缶デザインから着想を得ています。水色と黄色という爽やかで印象的な組み合わせをキーカラーとして背景や衣装にさりげなく取り入れることで、広告と商品を視覚的にリンクさせ、認知効果を高めています。また、缶やグラスに浮かぶ水滴のシズル表現は、冷えたビールのおいしさを強く想起させ、レモンのイラストと相まって、そのフレッシュな味わいへの期待感を高める役割を担っています。
言葉の温度を伝えるタイポグラフィ
メインとなるキャッチコピーには、少し丸みを帯びたオリジナルの書体を採用しました。これは、商品名にも通底する「ひと息」という言葉が持つ、優しさや安心感を視覚的に表現するためです。広告全体に流れる穏やかな雰囲気を損なわず、かつ、しっかりとメッセージが伝わるよう、可読性と情緒性のバランスを追求しました。言葉の意味だけでなく、その言葉が持つ「温度」まで伝わるようなデザインです。
多様な「一息」に寄り添うための2つのアプローチ
なぜ2パターンの広告が必要だったのでしょうか。それは、現代における「休息」の形が一つではないからです。一人で静かに過ごす時間を求める人もいれば、誰かと笑い合うことで癒やされる人もいます。それぞれのライフスタイルや価値観に寄り添い、「これは私のための時間だ」と感じてもらうために、あえて異なるシチュエーションを用意しました。より多くの人の心に響くための、いわば懐の深いコミュニケーション戦略と言えるかもしれません。
制作ポスターデザイン に対する感想
VOICE ※第三者による感想です思わず「ぷはーっ」と声がでちゃいそうですね。
静かな海辺で、自分だけの贅沢時間
夕方の、あのマジックアワーと呼ばれる時間に、こんな風にビールを飲めたら最高だろうな…と思わずうっとりしてしまいました。広告だとわかっていても、なんだか素敵な映画のワンシーンを見ているような気分になります。ザワザワした日常から少しだけ離れて、自分と向き合う。そんな静かで贅沢な時間に、このビールはぴったり寄り添ってくれそうですね。レモンの香りというのも、リフレッシュしたい気分にぴったり。味ももちろん気になりますが、この「時間」ごと体験してみたくなります。
この笑顔、なんだかつられちゃいます!
もう一枚の、くしゃっと笑っている女性の広告。こっちもすごく好きです!理屈抜きに「あ、絶対おいしいやつだ」って思いました(笑)。気の置けない友達と「おつかれー!」なんて言いながら乾杯しているのかな。そんな楽しい情景が目に浮かびます。見ているだけでなんだかハッピーな気持ちになりますね。難しいことは考えずに、まずは飲んでみたい!と思わせてくれる、ストレートな魅力に溢れていると感じました。どちらの広告も、日常にある「ちょっといい時間」を思い出させてくれますね。
電車でふと見上げてしまう。中吊り広告デザインの「一瞬の勝負」

※画像はイメージです
皆さんも、通勤や通学の電車内で、ふと顔を上げて中吊り広告に目が留まった経験はありませんか? スマートフォンに目を落とす人が多い現代でも、中吊り広告は私たちの日常の移動空間に彩りを添える、ユニークなメディアです。
今回はこの制作事例を題材に、多くの情報がひしめく電車内という特殊な環境で、乗客の心にメッセージを届けるためのデザインの工夫について、少し深掘りしてみたいと思います。
「ながら時間」に、いかに視線を捉えるか
電車に乗っている時間は、多くの人にとって移動のための「ながら時間」。読書をしたり、音楽を聴いたりと、他に意識が向いていることがほとんどです。中吊り広告は、そんな人々の視線を一瞬で引きつけ、短時間で「おや?」と思わせる工夫が求められます。
今回の広告デザインを見てみると、人物の表情や夕景といった大きな写真がまず目に飛び込んできますよね。そして、「自分へのご褒美に、ひと息。」という短いキャッチコピーが添えられています。これは、限られた時間で直感的に内容を伝えるための、交通広告における基本的なアプローチの一つです。難しい説明を並べるのではなく、情緒に訴えかけるビジュアルと言葉で、まずは「自分に関係あるかも」と感じてもらうことを目指しています。
なぜ「2つのシーン」を並べる意味があるのか
今回の事例では、「静」と「動」という対照的な2つのシーンが制作されました。もし、これらが同じ車両に隣り合って掲出されたら、どのような効果が生まれるでしょうか。
そこには、乗客一人ひとりの多様な気分に寄り添う、というコミュニケーション戦略が見えてきます。ある日は仕事で疲れて一人になりたいと感じ、「夕景の女性」の広告に共感するかもしれません。またある日は、週末の楽しい予定に心躍らせ、「笑顔の女性」の広告に惹かれるかもしれません。
このように複数の視点を用意することで、広告は一方的なメッセージの発信者ではなく、乗客のその時々の心境にそっと寄り添う存在になります。毎日同じ電車に乗る人にとっても、見るたびに新しい発見や共感が生まれ、商品への親近感を自然と育んでいく効果が期待できるのです。
車内空間を豊かにする「景色のデザイン」
中吊り広告は、単独で存在するのではなく、電車の内装や窓の外の景色といった「環境」の一部になります。だからこそ、その空間全体との調和も大切になります。
例えば、この広告でキーカラーとして使われている爽やかな水色や温かみのある黄色は、無機質になりがちな車内において、心地よいアクセントとして機能するのではないでしょうか。広告がただの商品情報ではなく、移動中の乗客の心を少しだけ和ませる「小さな景色」のような役割を担う。そんな視点でデザインを考えてみるのも、面白いかもしれませんね。
普段何気なく目にしている中吊り広告も、実は様々な工夫が凝らされています。次に電車に乗る機会があれば、ぜひ「どんな工夫が隠されているかな?」という視点で、車内を見渡してみてはいかがでしょうか。
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