ドリンク天国・台湾には、日本ではまだまだ目にする機会が少ないユニークな飲みものがたくさん!ドリンクスタンドはもちろん、コンビニやスーパーにも、現地ならではのドリンクがずらりと並びます。
一体どのように親しまれていて、どんなパッケージに包まれているのか?今回は、台湾のドリンクに注目してみます。
仕事や夜市グルメのおともに欠かせない!日常にすっかり溶け込んでいる台湾のドリンク文化
台湾で街歩きをしていると、頻繁に見かけるドリンクスタンド。近年ではフォトジェニックさを重視して、グラデーションや層の美しさ、カラフルさ、トッピングにこだわったドリンクも増え、新商品・新ブランドが続々と登場しています。
ドリンクスタンドの飲みものは、とても日常的に親しまれているもの。例えば、筆者は台湾で会社員をしていますが、オフィスでは同僚たちが集まって、毎日のようにドリンクのまとめ買い。配達員が山盛りのドリンクを持って、オフィスを訪ねてくる姿も日常風景です。
台湾のドリンクは、夜市でも。タピオカや仙草ゼリーをトッピングした飲みものから、その場でミキサーにかけてくれるフルーツジュースまで。夜市グルメのおともとして、欠かせない役割を果たしています。
もちろん、コンビニやスーパーにも、パッケージに包まれたユニークな台湾ドリンクたちがずらり!一体どんな飲みものがあって、どのようなパッケージデザインが採用されているのか、いくつかピックアップして観察してみます。
現地ならではの素材をミックス!牛乳系台湾ドリンクのパッケージデザイン
台湾でよく見かける「〇〇牛乳」または「〇〇牛奶」という飲みものは、フルーツなどの素材と牛乳をミックスしたドリンクのことを指します。
定番は「綠豆沙牛乳」「木瓜牛乳」「芋頭牛乳」など。それぞれ「綠豆」「パパイヤ」「タロイモ」と牛乳をミックスしたもので、いずれも台湾スイーツでおなじみの食材。日本ではあまり見かけないユニークな組み合わせとなっています。
乳飲料メーカー・光泉のシリーズは、素材感を前面に打ち出したデザインに。いずれも素材の香りがしっかりと感じられ、パッケージから抱く印象そのままの濃厚なフレーバーを堪能できます。
アスパラガスもジュースに?! 野菜系台湾ドリンクのパッケージデザイン
台湾にも、野菜を使ったジュースはたくさんありますが、その中から特に台湾らしさを感じる2品を選んでみました。
大胆に配置されたみずみずしいトマトの赤が目を惹く、台湾の食品メーカー・愛之味の「梅子番茄」。トマトジュースの中に感じるのは、台湾の乾物や伝統菓子にもよく使われる「梅」と「仙楂(サンザシ)」の酸味と塩気。後味にふわっと引き立つ甘さが特徴です。
飲料ブランド・波蜜の「津津蘆筍汁」は、ちょっと珍しいアスパラガスのジュース。緑と赤のコントラストが鮮やかなパッケージは、売り場でもひときわに目立つデザインです。
側面に印刷されている水着姿の女性と商品のツーショットは、リニューアル前の昔のデザインですが、台湾では誰もが知る非常に有名なビジュアル。口に運んだ瞬間は、りんごジュースに似た飲み口ですが、後味にほんのりアスパラガスの青っぽさを感じる不思議な仕上がりとなっています。
南国ならではの風味がギュッ!フルーツ系台湾ドリンクのパッケージデザイン
台湾と言えば外せない、南国ならではのフルーツを使ったドリンクたち。ドリンクスタンド・春芳號から登場している「迪荔樂芭」は、ライチとグアバのジュースに緑茶を合わせた飲みもの。ビビッドなピンクをベースに、グアバの緑やライチの赤、花や熱帯魚のイラストが映え、カラフルで弾けるようなフルーティさが伝わってきます。
口に運んだ瞬間は、グアバのさわやかさ。後を追って強くなるライチで一気に華やかさが立って、後味に感じる緑茶の苦味でキリッと締める。フルーツとお茶の良いところを上手にミックスして、絶妙なバランスが取られています。
台湾産グアバの風味が濃厚に香る、飲料ブランド・波蜜の「鮮摘果園 台灣芭樂」は、新鮮でみずみずしいフルーツそのものをメインビジュアルに。青空のもとに広がる果樹園を背景に、採れたて感を演出するデザインが採用されています。
飲料メーカー・泰山の「冬瓜檸檬寒天QQ」は、「冬瓜茶」と呼ばれる甘い冬瓜のジュースにほんのりレモンの香りを効かせた飲みもの。ナタデココのQQ(=ぷにっと弾力がある)と、チアシードのつぶつぶで、食感のおもしろさがプラスされています。
パッケージで気になるのが、ストローで啜る音を表現している、ひらがなの「すすす」。日本のパッケージに英語がよく使われるのと同様の感覚で、台湾では日本語がデザインに取り入れられることも少なくありません。他にも、ひらがなの「の」は、中国語の「的」と同じ意味合いで使えるため、パッケージや街中の看板でも非常によく見かける文字となっています。
現代風にブラッシュアップ!伝統系台湾ドリンクのパッケージデザイン
台湾らしい伝統的な飲みものも、スーパーやコンビニでお手軽に。伝統感を残しつつも、おしゃれにブラッシュアップされているパッケージデザインは、他のドリンクにも負けない存在感を放っています。
台湾の有名火鍋店・鼎王麻辣鍋のお店で提供されているドリンクの味を再現した「烏梅汁」は、烏梅の香りに加えて、洛神(ローゼル)の酸味を強く感じるのが特徴。火鍋との相性もピッタリそうな、さっぱりとキレのある飲み口に仕上げられています。
筆文字が並ぶ背景に、印鑑の赤をアクセントで効かせたパッケージは、伝統感が非常に強く押し出されたイメージに。モノトーンのベースに烏梅汁の深い赤がキリッと映え、シズルが際立つデザインとなっています。
台湾の伝統スイーツとして知られている真っ黒なゼリー「仙草」。飲料メーカー・泰山の「仙草蜜」には、ハーブティーのようなさっぱりとした風味のドリンクに、細かくカットされた仙草がふんだんに入っています。
パッケージは、仙草ゼリーのぷるっと弾けるような食感が連想されるイメージに。全体が緑でまとめられ、鼻に抜けるようなスッキリ感も上手に表現されています。
先ほど、牛乳系ドリンクでも登場した「綠豆」を使った飲みものとしては、純粋な綠豆のみの風味を楽しむ「綠豆沙」もポピュラー。
台中発祥のドリンクスタンド・清水茶香の綠豆沙は、昔ながらの工法で仕上げる看板メニューの味を忠実に再現。台湾レトロを感じるパッケージは、コンビニのドリンクコーナーでも特に独自性が光っており、思わず視線を引かれるデザインとなっています。
まとめ
台湾のドリンクとパッケージデザインについて、ご紹介しました。
華やかなもの、伝統的なもの、素材感を生かしたものと、様々なアプローチからデザインされている台湾ドリンクのパッケージたち。
日本には上陸していないドリンクが、現地にはまだまだたくさんありますので、台湾へお越しの際にはぜひ、パッケージにも注目しながら飲み比べてみては?
<プロフィール> Mae
2012年より台湾・台北在住。グラフィックデザイナーとしてお仕事をする傍ら、現地生活や旅行情報を綴るブログ『にじいろ台湾』の運営や、ライターとしても活動しています。日本と近くて、似ているようで、本当は色々違っている。そんな台湾での発見を、みなさんとシェアしていきたいです。
ブログ『にじいろ台湾』 → https://kazukimae.com/
※掲載商品・パッケージ等のデザインは当サービスの制作実績ではありません。
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