験担ぎに使われるアイテムも!台湾スナック菓子の一味違ったパッケージデザイン
台湾旅行のおみやげとして選ばれることも多い、スーパーやコンビニに並ぶお菓子たち。
日本のお菓子とは一味違った食材が使われていたり、台湾ならではのフレーバーで仕上げられていたり。好奇心をくすぐられるアイテムが、たくさん取り揃えられています。
今回はその中から、チップスをメインとするスナック菓子に注目。売り場でパッケージデザインに目を惹かれたアイテムをピックアップしてみました。
「Lay’s 樂事 × 故宮博物院」期間限定ポテトチップスのパッケージ
世界的に知られるポテトチップスのブランド・Lay’sは、台湾では「樂事」の名前で親しまれています。非常に多様なフレーバーが展開されていますが、今回取り上げるのは、期間限定パッケージ。60万点以上にわたる宝物が収蔵されている博物館・故宮博物院とのコラボレーションで生まれたアイテムに注目してみます。
パッケージに採用されているのは、収蔵品の1つである18世紀に完成された「清院本 清明上河圖 卷」。当時の世俗も反映しながら、縦35.6cm×横1152.8cm に渡って細やかに描き込まれた作品であり、その一部がパッケージデザインに取り入れられています。
3つのパッケージは横に繋がるようデザインされており、思わず全種類揃えたくなるような面白さも。マットな質感で、メタリックすぎない上品な輝きが表現されている点も、故宮博物院とのコラボレーションならではと言えそうです。
赤、黄、青でカラーリングされたポテトチップスのフレーバーは、「勁辣唐辛子」「純味・無添加鹽」「頂級日曬甘味湖鹽」の3種類。パッケージのデザインだけでなく、チップスの大きさや厚み、食感までも全てがそれぞれに異なっていて、口へと運んだ瞬間にもバリエーションをしっかりと感じられる点が、シリーズとして秀逸な仕上がりになっています。
「可樂果 × 台灣啤酒」台湾式居酒屋や夜市の味を再現した人気スナックのパッケージ
1970年代に登場した「可樂果」は、現在も台湾で根強い人気を誇る、お菓子コーナーには欠かせない存在です。
豌豆(エンドウマメ)を素材にした生地を、クルクルと螺旋を描くような形にして揚げたこちらのスナック菓子。パリパリ・ザクザクとした食感がユニークで、今にも弾けそうなワクワクとした印象にデザインされたイエローのロゴから、その特徴が視覚的にも伝わって来ます。
可樂果も非常に豊富なフレーバー展開がなされていますが、今回は期間限定の「炒海瓜子」「椒鹽炸雞」の2種類をピックアップしてみます。
炒海瓜子とは、台湾式居酒屋・熱炒などでよく見られる料理。椒鹽炸雞も、台湾の夜市屋台などで夜食やおつまみとして買い求められることが多い「鹹酥雞」の写真が、パッケージに大きくクローズアップされています。
いずれも、ビールによく合う料理がインスピレーションとなっており、台灣啤酒とコラボレーション。台灣啤酒のパッケージも写真の隣に配置され、コミックテイストなデザインとともに、飲みの場のワイワイにぎやかな雰囲気が連想されるイメージに仕上げられています。また、お菓子自体にアルコールは入っていませんが、飲酒運転禁止を促す注意文言が大きく配置されている点も、台湾らしいポイントです。
パリパリと食べ進める中で立ってくる、台湾バジルや八角、肉桂など台湾ならではの香草やスパイスの香り。噛めば噛むほどに感じる海瓜子(アサリに似た台湾の貝類)やチキンのうまみも上手に再現されており、小気味よい食感に促されるように、ついついグラスの減りも速くなってしまいそうです。
「卡迪那 享自然芋頭片」台湾で芋と言えば?フレーバー2種展開のタロイモチップスのパッケージ
台湾で親しまれている芋と言えば、「馬鈴薯(ジャガイモ)」に「地瓜 / 蕃薯(サツマイモ)」。もう1つ忘れてはいけないのが、火鍋の具材やスイーツのトッピングとしても広く親しまれている「芋頭(タロイモ)」です。
スーパーのお菓子コーナーには、ポテトチップスならぬ、タロイモチップスも。多様なポテトスナックを展開しているブランド・卡迪那の「享自然」シリーズには、素材となるタロイモの画像を大きく打ち出したパッケージの「芋頭片」が、2種類のフレーバーにて展開されています。
享自然は、台湾で添加物として規定されている物質を一切含まない「100%無添加」の認定を受けるなど、消費者からの食品安全への要求にとことん寄り添うことを掲げたシリーズ。パッケージデザインでも、無添加認定バッジや無添加チェックリストなどが強調されており、他のスナック菓子との差別化が試みられています。
無添加にこだわりつつも、スナック菓子としてのおいしさはもちろん健在。パリッと砕ける小気味良い食感に加え、紫色パッケージの「原味口味」では塩気が、「蔥鹽口味」ではスパイシーさがしっかり。咀嚼した瞬間はサツマイモに似た甘みを感じますが、噛むほどにタロイモ独特の香りが立ってきて、台湾らしいユニークな風味を堪能できます。
「乖乖」スナック菓子で験担ぎ?! ユニークなネーミングで愛され続けるコーンスナックのパッケージ
お菓子の画像は一切なく、代わりに真っ白なスペースが大きくとられていて、どれが商品名なのかすらも一見して定かではない。けれど、台湾で知らない人はいないほど有名で、長年にわたって愛され続けている。そんな不思議なパッケージに包まれたユニークなスナックを、最後にご紹介したいと思います。
名前は「乖乖」。製造している会社の名前でもあるのですが、現地で乖乖と言えば、このスナック菓子のことを指している場合が多いです。
乖乖とは中国語で「良い子にして / 素直に / 誠実に」といったニュアンスの単語。「造句包(文を作るパッケージ)」「吃的卡片(食べられるカード)」と書かれているように、真っ白なスペースに乖乖という単語を使ったメッセージを書き込んで、親しい方へプレゼントする、というコンセプトでデザインされています。
もう1つ、現地でポピュラーなのが「験担ぎ」。乖乖というネーミングが持つ「良い子にして」という意味合いから、パッケージごとパソコンの近くや車の運転席近くなどに置いて「フリーズしないでね」「ちゃんと動いてね」と、お祈りの意味を込めるのも、現地で非常によく見かける面白い活用のされ方です。
パッケージの中身は、軽くサクサクとした食感が特徴の、コーンをベースにしたスナック。「5香」フレーバーのひとくち大の俵形をしたお菓子の表面には、かつおぶしの風味にも似た香ばしいパウダーが。空気をたっぷりと含んだ生地を口へと運ぶと、ノンフライ製法ゆえのカロリーの低さも手伝って、1袋くらい思わず一気に平らげたくなってしまいます。
まとめ
今日は、チップスをメインとした台湾スナック菓子のパッケージに注目してみました。
台湾のおみやげというと、何を選ぶべきか迷ってしまう方もおられるかもしれませんが、スナック菓子ならしっくりと楽しんでもらいやすいかも?
まだまだおもしろいパッケージデザインのスナック菓子がたくさん並んでいるので、現地へお越しの際はぜひ、スーパーやコンビニにも足を運んでみては?
<プロフィール> Mae
2012年より台湾・台北在住。グラフィックデザイナーとしてお仕事をする傍ら、現地生活や旅行情報を綴るブログ『にじいろ台湾』の運営や、ライターとしても活動しています。日本と近くて、似ているようで、本当は色々違っている。そんな台湾での発見を、みなさんとシェアしていきたいです。
ブログ『にじいろ台湾』 → https://kazukimae.com/
※掲載商品・パッケージ等のデザインは当サービスの制作実績ではありません。
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