
Alexander Cherkasov氏はブランディング、グラフィックデザインなどを専門としたデザイナーです。デザイン科ビジュアルコミュニケーションコースを卒業し、現在は常に新しいプロジェクトやコラボレーションを展開しています。様々な経験を積んだAlexander Cherkasov氏の、作品に対しての熱い想い、考察、そして提案力を感じられる素晴らしい作例を見ていきましょう。※記事掲載はデザイナーの承諾を得ています。(Thank you, Alexander Cherkasov!)
Cherkasov氏の作品が「魂がこもっている」と感じさせる要素は「ディテールの密度」
Alexander Cherkasov氏のデザインが「魂がこもっている」と評されるのは、拡大して初めて気づくレベルの細かいディテールが随所に施されているからです。ロゴの線の処理、パターンの1つ1つの精度、タイポグラフィの微調整。「通常なら省略するレベルの細部まで手を抜かない」姿勢が、制作物全体の品質感に影響しています。
ディテールの密度は、消費者が意識的に見る部分ではありませんが、「なんとなく質が高い」「丁寧に作られている」という全体的な印象に無意識のうちに寄与します。「誰も気づかなくてもいい。でもこの細部を省略しない」。この判断の積み重ねが、制作物に「魂」を宿らせます。
見た人の心を掴む洗剤の印象的なパッケージデザイン

目に飛び込んでくる勢いのあるカラーと印象的なパッケージデザイン。Love&wash のブランドラインには洗濯用粉洗剤、洗濯用ジェル、カプセル、シミ取り剤など必要なものが含まれています。ほとんどのメーカーはパッケージに「純度の高さ」を示していますが、そこには温かみのあるデザインは少ないと彼は考えます。洗濯の種類や生地の種類などを記載していないような商品もあります。
Alexander Cherkasov氏のコンセプトは感情的な要素、つまり “愛とケアの表現” に焦点を当てたそうです。互いに愛し合い、服を大切にする人たちが身につけているものだからこそ、清潔で幸せなのだと。このデザインのコンセプトは、若い家族をターゲットとしています。

ブランド名のLove&washは洗うことが喜びをもたらすということを意味しています。ロゴの中の文字は、お互いに「寄り添い合う」ことを描いています。パッケージに描かれている服は生地の種類に対応しています。
例えば、カラー服用の洗濯粉末のラベルでは、オレンジ色のTシャツとデニムのシャツが抱き合っています。背景色がまたそれらを強調していて印象的ですね。寄り添った服たちが示すものは大切な人や大切な物を、大事に丁寧に洗う幸せな家族の形なのでしょう。

勢いのあるタイポグラフィはブランドの現代的なイメージを補い、テキストの青色は新鮮さと純度の高さをイメージしているそうです。パッケージのフォルムや色使いの新鮮さは、店舗に並んだ時に競合他社との差別化になります。一目で探すことのできるパッケージデザインであり、この洗剤を手にするという特別感もあるデザインに仕上がっています。
食品の消費期限を追跡するパッケージデザイン

お漬物やピクルスなどは多くの国で評価されています。特に人気があるのは、キュウリやトマト、キャベツなどの野菜ですね。農家やお店は量り売りをしています。しかし、どのくらいの期間、漬物が保存されているのか、どうやって調べればいいのでしょう。賞味期限がないまま販売されているものも多くありますね。長期保存が効くといっても限度があります。そこで作られたのが食品の消費期限を追跡するパッケージ、Bankaです。


Bankaは、健康に配慮したスマートなパッケージを使用。人間に安全な特殊な物質で内側を覆っており、漬物に含まれる有害菌の発生に反応するようになっているのだとか。発達すると、反応面積が増えて中身を隠してくれます。中身が完全に隠れた状態では食べてはいけません。このデザインだと様々な国や文化の人にも理解してもらえます。冷蔵庫を食品の神聖な場所だと捉え、デザインの中で不穏な色や威嚇的なシンボルを使わずに伝えることに重きを置いたそうです。段々と変化するグラフィックは中立的であり、すぐに危険と繋がるわけではありません。

製品はガラス瓶の形をしており、様々なサイズの展開があります。この形状は冷蔵庫での保管や輸送にぴったり。気密性を保つため、ジップロック形式を採用しています。背景はECOのマークと、パッケージの説明が書かれています。背景をクラフト紙のようなカラーにすることで情報も見やすく、デザイン性が高まりますね。このコンセプトではグラフィックデザインの助けを借りて、漬物を保存する問題に注目しました。この作品が専門家に届き、この分野でのより良い解決策につながることを願っているそうです。
ストーリーを感じさせる温かみのある肥料のパッケージデザイン


グリーンストーリーは、肥沃な土、液体万能肥料、花や芝生のための肥料の4つで構成された庭の肥料です。これは様々なタイプの庭のケアにマッチし、また若い初心者の庭師のために設計されています。肥料を使って豊作にし、庭を洗練させていくためのものです。パッケージの中央の丸いイラストは、豊作になる土地を象徴したイメージに。ロゴの中の生き生きとした手書きのフォントが自然由来を強調していますね。このデザインには、豊富な植物が美しく縁に刻まれているイラストに焦点を当てています。

イラストの全ての肥料には、異なるストーリーがあるそうです。土の耕作に近い力強さを感じさせ、それと同時に高貴な線を実現することができる技法を用いています。土に染み込む肥料のように絵の具を紙に押し込んでいきます。バイヤーとのコミュニケーションを良くするために、製品ごとに色を設定しています。パッケージの背景を明るくすることで、イラストに重点を置くことができますね。タイポグラフィは中央の円を補完し植生を象徴しています。
Alexander Cherkasov氏は店舗の棚で目に見える大きなシンボルのために、今回のデザインを考えたそうです。手の込んだ美しいイラストと、温かみのあるデザイン、そして動きのあるタイポグラフィは、淡白な他社の製品と並ぶとより力を発揮し、差別化に繋がるでしょう。
Cherkasov氏のポートフォリオに見る「1つのプロジェクトの展開点数の多さ」が伝えるメッセージ
Cherkasov氏のポートフォリオでは、1つのブランディングプロジェクトに対して、ロゴ・名刺・レターヘッド・封筒・パッケージ・SNSテンプレート・看板・ユニフォームなど、非常に多くの展開アイテムが制作されています。
この「展開点数の多さ」は、クライアントにとって「このデザイナーに頼めば、すべてのタッチポイントを一貫して設計してもらえる」という安心感を与えます。ポートフォリオの見せ方として、「ロゴ1点だけを見せる」よりも「ロゴがさまざまな場面でどう使われるかを見せる」方が、ブランディングの実務能力を証明する効果が高くなります。
まとめ
コンセプトに基づいてクライアントに沿った提案をするだけでなく、どの作品にもAlexander Cherkasov氏ならではのアイディアやユーモアが組み込まれた素晴らしい作品ばかりでした。消費者だけではなく、コンセプトがしっかりしている製品は販売する方も気合が入りそうですね。
design : Alexander Cherkasov (Moscow,Russian Federation)
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