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見た目で心を掴む、食品パッケージデザインについて

見た目で心を掴む、食品パッケージのデザイン例


見た目で心を掴む、食品パッケージデザインについて

「人は見た目が9割」という書籍がありますが、付き合うほどに意外性が見えてきたり、意図的に自分を演出し、実際の人物像とはかけ離れた見た目である場合もあります。しかしながら、「第一印象」を左右するのが「見た目」であることは疑いようのない事実です。

第一印象が大切なのは、人だけでなく商品においても同じ。物言わぬ商品は、人間以上に見た目が大切であるといっても過言ではありません。

ロシアのモスクワでパッケージデザインを手掛けるデザイナーのDavid Hovhannisyan氏は、これまで数多くの食品のパッケージをデザインしてきました。そのデザインは、時にユニークに、時にゴージャスに、商品の内容を「見た目」で語っています。

さまざまなメディアで取り上げられたり、賞を受賞してきた彼のパッケージデザインは、購入する人へどのようなイメージを語りかけるのでしょうか。※記事掲載はデザイナーの許諾を得ています。(Thank you, David! )

 

Won Der Cookie ― オランダの国立美術館で販売するクッキーのパッケージデザイン

国立美術館で販売するクッキーのパッケージ

クッキーのパッケージの中で微笑む肖像画たち・・・。原画を知っている人にとってはなんとも珍妙なこのパッケージは、オランダ最大の美術館、アムステルダム国立美術館で販売されているクッキーです。

ユニークなパッケージデザイン作成例1

パッケージのショルダー部分に入っている大麻のイラストが物語るのは、このクッキーのコンセプトでもある「保証付きの笑顔」の理由。オランダといえば、言わずと知れた大麻吸引が合法的に許可されている数少ない国。

オランダを訪れる観光客は、その街並みや風景を楽しみに来る人も大勢いますが、観光目的の中で無視できないのが「大麻」の存在です。そして、大麻を吸引することで得られるという「多幸感」こそが、この笑顔の理由なのです。

表面のパッケージには、ビビッドなカラーリングに嬉しそうにほほ笑む肖像画とPOPなクッキーの絵柄とロゴマーク。裏側には、黒を背景に元になった肖像画と美術館のロゴマーク。

裏表の対照的なデザインが目を引く、とてもユニークなパッケージデザインです。

ユニークなパッケージデザイン作成例2

制作の舞台裏として明かされた、合成画像の作り方。CG技術などを駆使して作られたのかと思いきや、なんと、スマートフォンアプリとして話題になった「Face App」を利用して作られた画像だといいます。

古い名画と現代のテクノロジーとが合体して生まれた興味深いパッケージデザインは、多くの人が手に取ることでしょう。

 

Madame de Château de Pitray ― ワインの限定販売用パッケージデザイン

ワインの限定販売用パッケージについて

「ピットレー城の貴婦人」という名を持つワイン「Madame de Château de Pitray」。

製品の中でも、限定版として販売された2015年のボトルは、高級感とモダンさをテーマにデザインされた2種のパッケージデザインがリリースされました。

ラベルデザイン

ワインのラベルロゴデザイン

一つめのデザインは、ゴールドとホワイトを用いたゴージャスな印象のデザイン。

極端とも言えるラインの太さの強弱が、文字にグラマラスな表情を与え「貴婦人」の名に相応しい、艶やかで煌びやかな印象を与えます。ワンポイントとして添えられた王冠のイラストが、控えめながらロイヤリティを意識したデザインであることを示唆しています。

ラベルデザインのクローズアップ1

パッケージデザイン

パッケージデザイン2

ゴールドの文字の中にホワイトで強調された、2か所に配した「DE」の文字。

一行挟んで頭を揃えて並んだ二つの「DE」は、漆黒の中に浮かぶゴールドの中で、さらに明るく存在感を主張する、清く美しいアクセントとなっています。

ボトルを入れるボックスのデザインでは、ラベルでゴールドに表現されていた文字は、艶やかな質感を持ったブラックで地紋のようにデザインされ、「DE」がホワイトからゴールドに変わり、ラベルとはまた異なった存在感を放っています。

 

ラベルデザイン2

ワインのロゴデザイン2

もう1パターン考えられたパッケージは、今の時代を意識したモダンなフォントをメインに用いた、トレンドを意識したデザイン。線の太さが変わらない華奢なフォントを選び、遊び心たっぷりに文字の配置や大きさを独自にアレンジしてデザインしています。

「De」と「De」の間に置かれたクラシックな葡萄のイラストが、フォントの雰囲気とは対照的で、ただ単に新しさで終わらない、奥行きの深い商品であることをデザインを通じ伝えています。

ワインの外装パッケージデザイン

ボックスには、クラシックで個性的な葡萄のイラストが地色と同系色で描かれ、モダンで華奢なフォントと合わさり、アーティスティックなイメージを感じさせます。


まとめ

話題になりそうなクッキーの包装に、プレミアム感漂うパッケージの限定ワイン。紹介した二つの商品は、両方とも自分用というよりは、記念に購入してギフトやお土産として誰かに買っていくという目的のものでした。

自分で消費する分には、外装デザインよりも中身の品質を重視する傾向にありますが、誰かに渡す商品の場合、外装デザインにも気を配る傾向があります。

お土産は、もらって喜んでもらえる「第一印象」を持っているものかどうかが大きなポイント。中身の品質が良いことはもちろんですが、その土地らしさや付加価値が感じられるデザインが購入に至る選定基準になるのではないでしょうか。

design : David Hovhannisyan (Russia)

 

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