
今回ご紹介するのは、ブラジルのKuumbaというスタジオ所属のグラフィックデザイナーDavid Silva氏の作例です。スタジオでは、素晴らしいブランドを作りたいという情熱、挑戦的な仕事への意欲、そして新しいプロジェクトに対するワクワク感を大切にお客様に満足していただけるプロジェクトを日々制作しているそうです。※記事掲載はデザイナーの承諾を得ています。(Thank you, David Silva!)
Silva氏のデザインが「モダン」と感じられる最大の要素は「サンセリフ体の使い方」
Silva氏のブランディングが一貫して「モダン」な印象を保っている要因を分析すると、サンセリフ体(ゴシック体)の選択と、その太さ・サイズの使い分けが的確であることが浮かび上がります。
サンセリフ体は「現代的」「クリーン」「先進的」の印象を伴いますが、選ぶ書体によってニュアンスが変わります。幾何学的なサンセリフ(Futura系)は「理知的」、ヒューマニスト系のサンセリフ(Gill Sans系)は「温かみ」、ネオグロテスク系(Helvetica系)は「中立的」。Silva氏は案件ごとにサンセリフ体の系統を使い分けており、この使い分けが「モダンだけど案件ごとに印象が異なる」仕上がりを生んでいます。
小さなコーヒーショップのコンセプトに寄り添ったロゴ&パッケージデザイン

「The Source」は、小さなコーヒーショップ兼レストランで、事業の拡大と新しい視点の事業を目指しています。店名の「The Source」とは、原産地、源流を意味しています。原産地からコーヒーが消費者の食卓に届くまでの旅路を示しているのです。このお店では、ナチュラルな製品やリラックスできる居心地の良い環境を好むターゲット層に向けて、高品質のコーヒーやヘルシーなスナックを提供しています。


The SourceがDavid Silva氏に求めたのは、すでに競争が激化している地域で注目されるようなビジュアル・アイデンティティを確立することでした。David Silva氏はまず、商品の種類や用途に応じて使えるように、文字を使って現代的なロゴをデザインしました。そしてこれを、店内にすでに存在する黒、茶、白の色に反映させました。


葉と豆のモチーフがシンプルに取り入れられていますね。カラーリングで、ブランドの主な価値を示し、現代的な印象を与える事を意図したそうです。また、ブランドの存在感を高めるために、3色とモダンなグラフィックパターンを強調して、エレガントでシンプル、且つダイナミックなパッケージをデザインしました。落ち着いた印象を与える3色のカラーが目に残りやすく、丸みのある字体でどのような年代の方にも親しみやすいロゴ、パッケージデザインになっているかと思います。
イースターの楽しい時間と癒しをイメージさせる、思いのこもったジャム製品のパッケージデザイン

瓶詰めのジャム製品「Doce no pote」。このブランドが誕生したのは、イースターエッグに代わる最初の製品を考えたことが理由でした。この時期に人々に贈り物をするために、美味しくて、食べやすく、安価な代替品を市場に提供したのです。
ガラス瓶に金色の蓋をしたその包装は、イースターエッグの放送に似ており、イースターの後も人々はこの商品を食べたいと思うようになりました。このブランドが意味するのは「料理をするのは楽しい」「料理は人生を模倣する芸樹である(甘かったり苦かったりする)」ということだそうです。甘いことは愛があるという解釈により、甘いものを選んだそうです。


ブランドのコンセプトは「ケア」「ウォーム」「インビテーション」。これらを伝えるために用途に応じたコントラストのある色選びをしたそうです。ロゴデザインも親しみやすく、直角のないソフトなデザイン、小文字は丸くて大きめにして特徴を出しました。そして全体のイメージを決めるのは優しい色選び。ポップすぎず大人すぎない柔らかい印象となりました。

ビジュアルデザインには幾何学図形をいくつかの視点から見ることで、ブランドが提供するスイーツの材料に似せて使用しました。これは色々な媒体に使用できる汎用性とビジュアルアイデンティティの強化を実現しているそうです。
SNSで投稿するときは、食べる瞬間、買う瞬間、どのような瞬間も新しい形で共有してほしいという思いがこもっているそうです。色々な食べ方や見せ方が楽しめるこの製品は、今の年代の人にもしっかりはまるように戦略が練られていると感じました。
実力ある企業を支える、インパクトのある企業ロゴデザインとブランディング


Blue 5 Solutionsは、顧客を深く理解し、総合的なソリューションを提供し、さらなる繋がりを生み出す企業です。彼らは「伝統的な代理店の枠から抜け出す」ことを目指していました。
印象的なブルーは、カンパニーカラーであると同時に数字の5を表し、5つの意味を持っています。戦略、デザイン、テクノロジー、ソーシャルネットワーク、パフォーマンスの5つを表しています。
このアイディアは、従来の代理店モデルからの脱却を目指すためのものでした。インパクトのあるデザインが求められる中、同社は競合他社よりも先に認知されやすくなることを考えていました。信頼性を高め、ブランドを更に強くするために、ビジュアルアイデンティティを開発したのです。


「プロフェッショナルなアイデンティティなくして会社は成り立たない。会社が自分自身に対してプロフェッショナルでなくては、顧客にとって良いものになるだろうか」その強い気持ち、コンセプトを生かしたデザインを目指したのです。
カンパニーカラーのブルーを基準に、使用する色を絞ります。シンプルですが動きのあるカッティングを意識したロゴデザインに、5をさりげなく配置。この5の形から取り出したモチーフを使用して幾何学パーツを作り出しています。それぞれの形はしっかりと規則性を持たせながら他の製品に丁寧に落とし込んでいます。整列したパーツは誠実さや安定を感じさせるものとして、デザインに馴染んでいますね。
Silva氏のブランディングに共通する「グリッドの厳密さ」がクリーンな印象の正体
Silva氏のデザインが「クリーン」に見える理由をレイアウトの観点で分析すると、要素の配置がグリッドに極めて厳密に従っていることがわかります。テキストの左端が揃っている、画像のサイズがモジュール単位で統一されている、余白の比率が数学的に決まっている。
「クリーン」という印象は「何か足りない」ことではなく、「すべてが正しい位置にある」ことから生まれます。要素の位置にわずかなズレがあるだけで、紙面に微妙な「落ち着かなさ」が出ます。グリッドへの忠実さは地味な作業ですが、仕上がりのクリーンさに直結する基盤的な品質管理です。

看板では、ブルーのインパクトのあるモチーフと写真とのコラボレーションで、より目を惹く作品となっています。
事業を拡大する時や、古くから続くお店のリニューアルに関するデザインやロゴのアップデートは生き残るために不可欠ですが、その分リスクも伴います。顧客からのイメージや、伝統に基づいたアップデートになっているか、ただただ流行りのデザインになっていないか、これから長く使っていけるデザインか。そのような中で、デザインを任せてもらえる実力と提案力、そして挑戦的な姿勢が素晴らしいと感じました。
ブランドの先を一緒に見据えていけるデザイナーと出会えることは企業にとっても幸福なことだと感じます。
design : David Silva (Brazil)
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