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メッセージ性を大事にしたFerma Branding Agencyの個性豊かなパッケージデザインたち


今回ご紹介するのはFerma Branding Agencyというロシアのデザインエージェンシーです。彼らは身近なことに目を見張り、アイディアに変えるスペシャリストが集まるチーム。伝統を認め、美しい作品を生み出すこと、そしてプロジェクトを育てることが彼らのスタイルだそうです。

ライティング、コーポレートアイデンティティ、広告、インテリアデザイン、ウェブサイトなどのデザインを通してクライアントの一番輝く場所を育てます。駆け出しのビジネスを、より改善し、拡大していくスタイルでロシアの都市と協力しています。そんなFerma Branding Agencyチームの柔軟な発想と丁寧な制作をいくつかご紹介します。

※記事掲載はデザイナーの承諾を得ています。(Thank you, Ferma Branding Agency!)

 

日本のすり身と富士山を合わせたミニマルなパッケージデザイン

Meridianは高品質な魚介製品を生産する会社です。Ferma Branding Agencyは新しい製品の「Snow Crab」のパッケージデザインを担当。新商品はすり身がたっぷり入った蟹のスティックです。すり身は日本で生まれたということもあり、視覚的なモチーフとして日本のシンボルでもある富士山を選びました。パッケージは、笹の葉を折り畳む様子が富士山を思わせ、その上には蟹のスティックが描かれています。これはなんと「味の頂点」をイメージさせているそうです。発想が面白いですね。

パッケージに使われているのは書道のスタイルで描かれた「フジクラブ」という名前を使用しているそうです。実際の富士山のイメージを使うのではなく、日本らしさを感じさせる笹の葉という「素材」で表現したことが素敵です。すっきりとした清潔感のあるデザインは、質の良さを感じさせます。

またポイントとしては敢えての縦文字のレイアウト。日本語の文字の特徴を連想させるこのアイディアは素晴らしいですね。消費者が分かりやすいよう、製品の主な特徴などは左側にアイコンで示しています。アイコン以外の情報は黒を使ってまとまっているので、しっかりと蟹スティックに目が行きます。

落ち着いた配色と空間の活きたミニマルなデザインは、まるでお菓子屋や高級なお茶のパッケージのような洗練されたデザインのようで、ギフトなどにも向いていると感じました。

 

リアルな写真で伝えるシーフードのパッケージデザイン

とてもリアルな写真に目が奪われるこちらの製品パッケージ。チリやタイ、インドネシアの沿岸から獲れたムール貝、イカリング、海老、タコなどが含まれています。

全てのシーフードはしっかりと選別され、調整された上で瞬間凍結されています。味と鮮度にこだわっているためです。新しい製品のパッケージを製作するにあたって、製品の独自の利点を強調するデザインを考えたそうです。

独自の発想は「製品の自然の起源と、鮮度を写真撮影で伝えること」。洗練されて綺麗に準備された今までのイメージを使用せず、海釣りのイメージを連想させるロープやネットを写し、海の幸をダイレクトに消費者に伝えることに成功しています。

そしてデザインのポイントとして郵便切手と活版印刷のモチーフを使用した意図は、遠く離れた国々からの新鮮な魚介を消費者に感じさせるためです。デフォルメされたイラストやタイポグラフィで表現するのではなく、敢えてリアルな写真を使うことでプレミアムな品質や製品の自然との関係性を伝えています。

これは中々の挑戦であり、大胆なパッケージデザインアイディアかと思いますが、写真はとても美しいですし、その上に敢えて平面的に置いた他の要素が際立っているのがポイントですね。カラフルな色味ではなく、少しくすんだカラーをチョイスしているのもデザインのこだわりでしょう。スーパーに並んでいたら、どのような商品なのかついつい手に取りたくなってしまうパッケージです。

 

インパクト大!ポップで楽しいチキンドーナツのパッケージデザイン

目に飛び込んでくるOH,MY DONUTS!のタイポグラフィがとても可愛いこちらのパッケージデザイン。冷凍コンビニエンスフードに置かれるチキンドーナツという新商品のパッケージデザインです。単品で食べたり、サンドイッチに使用したりできる、天然肉を使用した商品です。

鮮やかな色使いは棚に陳列するときの視覚的イメージを与えるためだそうです。アイコンや文字、無駄な情報をつけずにパッケージの前面の大部分をブランド名だけにし、斬新さと珍しさを与えています。消費者が必要とする細かい情報などは裏側に配置されています。まずはファーストインプレッションということで棚で注意を引き付けるためにこの大胆なパッケージにしたそうです。面白いですね。

OH,の部分のOは実際の製品のチキンドーナツの写真を使い、商品の全貌がわかるようになっています。同じ方法で側面にもタイポグラフィが刻まれています。Oの上にはさりげなく鳥のシルエット。一度見たら覚えてしまうようなパッケージデザインです。他との差別化をしっかりと考えてパッケージに落とし込んでいます。

 

まとめ

様々なデザインを手がけるFerma Branding Agencyですが、今回ご紹介した中でも沢山のアプローチの仕方がありましたね。コンセプトから広げていく方法、写真を使った方法、インパクトを大事にする方法など様々な方向からデザインを考える力があります。柔軟なデザイン力、意外性を大事にしたアイディア力、そして何より消費者に伝わるデザインをされていたという印象を受けました。今後も消費者をワクワクさせてくれる素敵なデザインを生み出し続けるのでしょう。

design : Ferma Branding Agency (Russia)

 

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