白黒ロゴは、様々なシーンで使用しやすいものです。
例えば、赤色の背景の上にロゴを載せる場合、ロゴの色を黒や白、緑に変更してもロゴイメージは損なわれませんし、複数の色を持つロゴのように、背景の色と被って配置に困ることも少なくなります。
シンプルであるがゆえ、表現には工夫と美しさへの追求が必要です。今回はモルドバ共和国でフリーランスのグラフィックデザイナーとして活躍している Max Iskra さんの作品の中から、白黒でロゴの意味やイメージを最大限に表現した素晴らしいロゴデザインを紹介します。※記事掲載はデザイナーに許諾を得ています。(Thank you Max !!)
一目瞭然のシンボルマークには3つイメージが合体
ゲーム関連のロゴであることは、コントローラーをかたどったイラストから一目瞭然。そして、じっくり見てみてください。このイラストは「ゲーム」「家」「アンテナ」を合体させた3つのイメージからできています。つまり家で通信をしながらゲームができるサービスだと分かります。
しっかりと「何のロゴか」を表現しているこのシンボルマークには圧巻です。形も丸みを帯びた左右対称のコントローラーのフォルムが美しく、可愛らしいですね。さらに、その上のアンテナを傾かせることで、左右対称を崩し、動きあるイラストに仕上がっています。白黒の制限の中で、イラストの可能性を最大限に発揮したロゴと言えるのではないでしょうか。
イラストとテキストを合体させたシンボルマーク
こちらは、アーチェリークラブ「AVATAR」のロゴです。一文字目の「A」で弓を表現し、そこに矢を足しています。よく見ると、シンボルマークの「A」とテキストの「A」は微妙に形が違います。裾の部分の広がりも、横棒の位置も。弓を表現するためにシンボルマークはフォルムを調節したのでしょう。
しかし印象としてはテキストの「A」と同じように見えます。この絶妙なバランスが秀逸です!また、弓の右側に影を入れ、白黒の中に立体感を出しています。左右のバランスが一層際立つ白黒ロゴ。しかしながら、単色のためにベタっとして見えることもあります。そこを細かなテクニックで打破しているこのロゴに感嘆させられます。
サービスの向こう側まで。「信頼」を表現するロゴ
ロゴでサービス内容を表現することはもちろんですが、色を使わないモノトーンのロゴデザインでは、誠実さを連想する色、楽しそうな色など、サービスの先にある想いや印象を醸し出すには一工夫が必要となります。こちらは、不動産コンサルティング会社のロゴです。
テキストはどこも角張ったフォルムをもつフォントを使用しており、きっちりとした印象を与えています。その上で「A」をイラストに変容させています。これは道路や建築物の水平を測る水平器(オートレベラー)でしょう。不動産の不安や迷いを相談するお客様に対して「正確に信頼される調査・解決」を目指している会社なのだろうと想像させられます。色を使わずして「信頼」まで表現するこのロゴ、ニクイです。
可愛さとクールさの融合には白黒ロゴが大活躍!
ペットの販売とともに飼育用具を販売するお店「MOSSY」のロゴマークです。愛らしいペット、飼育用具やお洋服と可愛らしいものをたくさん販売しているのでしょう。こういったタイプのロゴの制作には「可愛らしさ」が求められます。しかし、フリフリの小型犬のお洋服ばかり、子供っぽいなどのイメージが先行することを避けたいと思った時、白黒ロゴは大活躍します。
この「MOSSY」のロゴには「O」の文字には猫のシルエットで可愛らしく、甘くなりすぎないよう耳の外側は直線、内側には曲線を使っています。このイラストの表現は、テキストの「M」「Y」にも使い、曲線を持たない文字には柔らかさを与えています。シンプルがゆえに、可能性も無限大!可愛さとクールさを融合させることができるのです。絶妙です。
シンプルテキスト×シンプル装飾で魅せる!
こちらは美容院「ZEBRA」のロゴです。このロゴからは、男女年齢問わず、色々な方にご来店いただきたいという思いが見えてきます。女性的、男性的に偏らず、硬くも甘くもなりすぎないバランスが素敵です。
上下の細い線、左右の「・」は左右対称に配置することで、イメージを洗礼させながら、装飾感も増し看板のような印象を与えています。「E」は櫛のイラストにし、ワンランク上のロゴデザインとして親しみも感じます。シンプルなロゴ制作例のお手本のようなモノトーンロゴです。
今回は、シンプルな白黒ロゴをもっと楽しくする、そんなアイデアが沢山盛り込まれたロゴデザインを紹介しました。物足りないと思うロゴデザインの参考になりますし、どんなショップや団体のロゴか想像して楽しめますね。
Designer : Max Iskra (Moldova)
・この記事は制作者に許諾を得て掲載しています。
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