Think™のMat Bogust氏はニュージーランドでパッケージ設計を手がけるデザイナーです。斬新で新鮮な発想が加わったMat Bogust氏のパッケージデザインには所々に遊び心が隠れています。楽しくて素敵なMat Bogust氏の作例を見ていきましょう。※記事掲載はデザイナーの承諾を得ています。(Thank you, Think™Mat Bogust!)
美しいだけではない、唯一無二の花屋のパッケージデザイン
Blushは、ニュージランドで有名なセンスの良いフラワーショップとして知られています。Parnellのショップをオープンした彼らは、単に美しいだけではないパッケージを作りたいと考えていました。Blushは、ブランドを象徴するような、オリジナルのものを目指していました。
ポイントは、他の花屋とは一線を画した、注目を帯びるようなオーダーメイドのフラワーパッケージです。そして、シンプルでエレガントなバランスのとれたデザインです。
滑らかな曲線を描いた持ち手付きのパッケージは、お花を買って持ち帰る時、プレゼントとして贈る時、街を歩くときにココロがウキウキするようなスタイリッシュでお花を生かしたデザインに仕上がりました。
お花を引き立てるナチュラルで上品なニュアンスピンクを使用し、スタイリッシュでさりげないロゴが印象的です。このパッケージでお花を持ち歩いている方を見たら、目を惹かれますし、どこのお花屋さんだろうと気になりますよね。女性にも男性にも馴染む色選びと繊細で滑らかなパッケージデザインは流石です。
環境に優しいペアリングのパッケージデザイン
高価な指輪というととても扱いや保管に気を使うもの。Good Goldは、ゴールドの自然な美しさを強調したシンプルなリングを作ることがコンセプトのブランドです。ネルソンの海のそばで働く彼らは、時間をかけてリングの感触を確かめながら、リングを何往復もさせます。内側のカーブが完璧であること、滑らかで付け心地の良い仕上がりであることを確認します。毎日身につけてもらえるリングを作るには、これらのこだわりが本当に重要なのだと言います。
だからこそGood Goldはリングを作る際には何か美しく、意味のある環境に優しいものを作りたいと思っていました。もちろん指輪には色々なサイズがあるので、それに対応するためにシンプルな仕組みを開発しました。パッドをパックの一番上に入れて、小さく深さのないリングを入れて中で「飛び跳ねる」ということを最小限に抑え、意図した位置にリングを配置することができます。
これは記念品として大切にされるように設計された、ブックスタイルのパッケージデザインなのです。そしてこのパックのために選ばれたのは再生紙。使用済みの紙コップは、1枚の美しい紙のシートに生まれ変わり、その素晴らしい工程を経て生まれた作品だったのです。
淡いパステルピンクに彼らが大事にしているゴールドカラーでの箔押し。ブックタイプになることで厚みがあり、高級感がありますね。大事な指輪を保管できるアイディアとして、そして家でもインテリアとしてさりげなく置いておける美しいデザインです。
コンセプトのこもった驚きのマヌカハニーのパッケージデザイン
この目を引くカラフルなパッケージは、おもちゃ?文房具?色々な想像を打ち破り、なんとSteens Honeyというブランドの蜂蜜のパッケージです。マヌカの花が開くのは一年のうちの数週間だけで、条件が良ければミツバチは蜜を収穫して蜂蜜を作ることができます。
27+UMFはマヌカハニーの中でも最高級のグレードの一つで、毎年限られた量しか入手できません。蜂蜜の健康効果をより多く残すために、独自の抽出法を開発しました。このような特別な製品のリリースには、特別なオーダーメイドのパッケージが必要でした。
蜂の巣箱からインスピレーションを得て、パッケージデザインを作りました。クライアントは、製品に対する情熱と喜び、そして蜂蜜を採取する際の箱を開けるプロセスを共有したいと考えていました。目標としては、ユニークで記憶に残る体験をすることで消費者との繋がりを作ることでした。
デザインを実行するには長い時間がかかりました。外箱と花が完璧にシームレスに開き、中に入っている瓶が見えるようにするために、全てを丁寧に手作りして設計したそうです。花の根元のタブをひねると、花びらが開き、劇的な動きと驚きをもたらします。世界的な高級パッケージメーカーにより、生産は海外で行われました。非の打ち所のない手作業での組み立てと部品の仕上げの能力は、希望通りの水準で生産するために必要不可欠なものでした。
パッケージには特別に輸入した最高級の紙が選択されました。そして、特に花の開閉の機密的な条件の下で紙の耐久性を最優先に確かめました。
鮮やかなカラーリングの箱を開けると更に想像もしないような繊細な花のモチーフが出てくるこの仕組みは、マヌカハニーを手にするまでの楽しみを消費者に与えるというコンセプトにしっかり寄り添っています。そしてこのパッケージを体験した人が、なぜこのようなパッケージなのだろうとデザインの奥に秘められたマヌカハニーのストーリーを知ることで更に楽しめる素晴らしいパッケージに仕上がっています。
美しく印象的なマヌカハニーのパッケージデザイン
The True Honey Co. は、国内で最も純粋で手付かずのマヌカの森を見つけ、これまでに記録された中で最も高い評価を受けたマヌカの蜂蜜を収穫しています。
今回は新しくリリースされる製品のために野心的でハイレベルな思考を凝らしたパッケージデザインを依頼しました。それがこのレアハーベスト限定版マヌカハニーのパッケージです。
唯一クライアントから渡されたガイドラインは、既存の箱との統一感でした。カッティングに関して改良を重ね、マヌカの花からインスピレーションを得た「花びら」をモチーフにしました。「花びら」は固定されているので、一つ一つの花びらを開いていくと、現れる仕様になっています。
他のブランドでは考えられない唯一無二のデザインになりました。高級品ということで、素材などに最新の注意を払い、細部に至るまで細かく調整し、期待以上の仕上がりを実現しています。出来上がるまでには才能ある専門家たちのコミュニティなどを活用しながら進めたそうです。パッケージの元の形から花びらを開いた時の印象の違い、大切に包まれた製品が希少なものだと感じさせます。そして自然の温かみを感じさせるウッド素材のキャップ、直感的に使えるスティック。全てにおいて無駄がなく、コンセプトに寄り添った作品となっています。
まとめ
クライアントからのインスピレーションを経て、発想にこだわりを重ね、生み出された作品たちはどれも容易には思いつかない素晴らしいものでした。実は今回マヌカハニーのパッケージデザインを敢えて二つ取り上げました。コンセプトとしてはどちらもマヌカハニーの花を用いたデザインであることでしたが、しっかりとコンセプトを読み取り、それぞれのブランドに寄り添った仕上がりになっていました。同じ製品、モチーフでも発想力やデザインへの落とし込み方によって全く違うデザインを生み出せることが素晴らしいと感じました。
design : Think™Mat Bogust (NewZealand)
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