
夏には欠かせないアイスクリーム。1986年、スコットランドでMackie’sが誕生します。失敗を重ねながらも220種類以上のフレイバーを作ってきました。
本コラムでは、クリーム色にブルーのパッケージデザインがなんとも可愛いスコットランドのアイスクリームMackie’sを紹介しましょう!
Mackie’sのパッケージに見る「産地の風景をパッケージに映す」ブランディング手法
Mackie’sのアイスクリームのパッケージにはスコットランドの農場や自然の要素がデザインに組み込まれています。これは「このアイスクリームがどこで、どのように作られているか」をパッケージが語る、産地ブランディングの好例です。
工場で大量生産されたイメージの商品と、「特定の土地の特定の農場で作られた」イメージの商品では、消費者が感じる品質感が異なります。パッケージに産地の風景や農場のイメージを入れることで、「大量生産品」ではなく「産地の恵み」として商品を位置づけることができます。食品パッケージにおいて、「産地情報」は法定表示の義務を超えて、ブランディングの強力な素材になります。
Mackie’s創業者Sir Maitland Mackie氏はすごい人だった
国を問わず、アイスクリームは誰もが大好きです。筆者の住むイギリスではここ数年で抹茶テイストのものが大流行りし、辻利といった本格的なお店で抹茶アイスクリームやラテを楽しむことができます。
また子どもだけでなく、住宅地、公園やホリデー先にくるアイスクリームバンといってアイスクリームの移動販売をする車で美味しいアイスクリームを買う大人をよく目にします。
Mackie’sは1912年生まれのSir Maitland Mackie氏によって創業されます。1986年のことでした。Mackie氏ですが、現在のMackie’sオーナーのおじいちゃんに当たります。
このMackie氏がやり手だった証拠として、スコットランドのアバディーンシャー地域で初めてトラクターを使った1人であり、ミルク関連のビジネスを始めた人という歴史があります。
遡りますが、Mackie氏はアバディーン大学を卒業した後、イソベルと結婚し6人の子どもに恵まれます。イソベルが死去した後はポーリンと再婚しました。1996年に84歳で亡くなるまで努力と先見の目を持ってMackie’sを運営してきました。
1932年に農業を始めたMackie氏ですが、アバディーン大学生物科学部にメイトランド卿の名を冠した1,000ポンドの奨学金も設立されています。この奨学金は、食品産業向け動物生産または農村の土地利用と環境分野で有望な学生に授与されるものです。
このように、農業や環境に対して高い関心を持ちやってきたのがMackie’sの創業者なのです。
それは、Mackie’sのミッションにもはっきりと現れています。
「人々が楽しみながら作る英国で最も環境に優しい会社として信頼されるグローバルブランドになること」
Mackie’sは今も家族経営であり、それまで学んできた教訓とチャレンジによってこの使命を達成できるかもしれません。
ちなみに、Mackie氏の弟には労働党の議員だったジョン、そして自由党議員だったジュージがおり、この2人はのちに貴族院に入りました。
Mackie’sのクリーミーなアイスクリーム

スコットランド生まれの創業者とその家族によって脈々と受け継がれてきたMackie’sのアイスクリームづくり。アイスクリームづくりで最も大切とされる新鮮な牛乳とクリームの自然な美味しさを活かしています。
アイスクリームのクリーミーさは乳脂肪分に由来します。しかし、他の商品には脱脂粉乳、乳固形分、チーズを作る際に残る乳清などが使われていることがあります。
「taste the daily difference」として、植物油を使った他のアイスクリームと比べ、Mackie’sは新鮮な牛乳とクリームで作られていることが差別化のポイントです。自然で本物の乳製品を食べる満足感と安心感の両方を得ることができるのです。
筆者も実際に食べていますが、クリーミーさがあってシンプルに美味しくいただけるアイスクリームとおすすめできます。
クリーム色にブルーのパッケージがなんとも可愛いMackie’sパッケージデザイン

このパッケージを一瞬見たとき、その落ち着いたイメージと裏腹にテンションがあがりました。
Mackie’s of ScotlandとTraditionalという英字とともに、牛のイメージが入っているシンプルなものですが、美しいブルーがクリーム色のベースに完璧にマッチしています。

Mackie’sによれば、30年間で総括的なリブランディングを行ない、リアルデイリー、つまり新鮮な素材と味に焦点を当て競合他社との差別化を図ったということです。その結果がブルーの色、チューブの色そして牛からミルク絞りをしている人のイメージが入ったものだったのです。

チューブのふたを開けると、クリーム色に近い白のアイスクリームに目が釘付けです。

自信を持って新鮮な素材と味を届けるMackie’s
Mackie’sでは他にも、いろいろなフレイバーが揃っています。
ウェブサイトのギャラリーページを見ていただくと、アイスクリームとケーキのコラボ、ピクニックで食べるアイスクリームなど、心が躍るイメージがたくさんです。
Mackie’sで団らんのひと時を

どうせ食べるのなら罪悪感なしに食べたいアイスクリーム。スコットランドの家族経営の農場による、目の行き届いた本物のアイスクリームはうってつけではないでしょうか。
食べ過ぎには注意して、これからもMackie’sの気になるフレイバーを試してみたいなと思います。
皆さんは、どんなアイスクリームがお気に入りですか?
アイスクリームのパッケージは「冷凍庫の中での見え方」が最終判断基準
Mackie’sのパッケージを評価するうえで見落としがちなのは、「冷凍庫の中で、霜がうっすら付いた状態でも識別できるかどうか」です。スーパーの冷凍食品売り場では、パッケージの表面にうっすら霜が付き、照明は蛍光灯で寒色系、他の商品と密着して並んでいます。
この過酷な条件下でも商品が識別できるには、「色のコントラストが強い」「ロゴが大きい」「フレーバーの識別色が鮮明」という設計が必要です。モニター上で美しく見えるパッケージでも、冷凍庫の中では印象が変わります。冷凍食品のパッケージ制作では、実際にサンプルを冷凍庫に入れて確認するテストが、仕上がりの品質を大きく左右します。
参考:
・More about Mackie’s (https://www.mackies.co.uk/about-mackies/)
・Mackie’s Ice cream (https://www.mackies.co.uk/ice-cream/)
・Mackie’s New Look (https://www.mackies.co.uk/news-and-more/latest-news/mackies-new-look/)
・Mackie’s Inspiration Gallery (https://www.mackies.co.uk/news-and-more/inspiration-gallery/)

<プロフィール> ビスコム
ロンドン在住ライター。イギリスに住み、さらに強くなったデザインやアートへの興味をライティングに活かす。インテリアにも食指が動き、Edward BulmerやWilliam Morrisのセンスに憧れる。剣道道場運営やボランティア活動も行ない、バランスのとれた在英生活を満喫中。
※掲載商品・パッケージ等のデザインは当サービスの制作実績ではありません。
▶︎ デザイン制作依頼・料金を知りたい方はこちら / ▶︎ デザイン制作実績を見る / ▶︎ 海外デザインの紹介記事一覧 / ▶︎ デザイン制作のガイド・媒体の特徴