人の注意を惹きつけるのに優れたフライヤーデザイン
消費者に行動を促す広告制作において、よく知られている法則で「AIDMA(アイドマ)」の法則というものがあります。
「A(アテンション=注意)」「I(インタレスト=興味・関心)」「D(デザイア=欲求)」「M(メモリー=記憶)」「A(アクション=行動)」で構成される、消費者が商品を認知し購買行動までに至る心理プロセスを体系化したものです。
チラシやポスターを作成する上で、もっとも大切で必ず突破しなければならない項目は「A(アテンション)」です。注意を引かない媒体は1秒以下でスルーされてしまうのは定石。最初の「A」をクリアしてこその「I・D・M・A」です。
変幻自在なフライヤーデザインが度肝を抜くgoooood company!
今回紹介したいのは、そんな最初の「A」を突破する強インパクト揃いのデザインたち。海外の音楽イベントのフライヤーデザインを広く手がけるデザイン会社のGoooood Companyです。
音楽とデザインは昔から切っても切れない強い繋がりがあります。レコードショップ、また現在ではダウンロードストアなどにおいても音楽との初対面となるのは、いつだって「アートワーク」なのです。一見では聞こえてこない「音」を見た人のアタマの中にどう響かせるか。音楽のもつ世界観をどのように視覚化し、注意を引くか。この最初の一手を決める秀逸なデザインを一緒に見ていきましょう。※記事掲載はデザイナーに許諾を得ています。(Thank you Goooood Company !!)
人物写真をフライヤーのメインビジュアルに~知名度を生かした戦略
単純明快ですが、知名度の高い人物が関わるイベントなどの場合、これ以上に強いインパクトをもたらす表現方法は難しいでしょう。なにしろ、見る側がその人物を認知していれば一目見ただけでその概要を推し量り、音楽であるならばその音すら思い浮かべることを可能にします。取り上げる人物の知名度が高ければ高いほど、余計な情報は取り除きシンプルかつ大胆な構図作りがより印象を深くするポイントとなります。そして、そのビジュアルと共にあるタイトルや日付、コンタクト情報などは画像同様すっきりと整理し、かつ画像とのコントラストを強め存在を主張するように配置すると効果的です。
■アクセントの赤が効いたフライヤー
上のフライヤーデザインでは、モノクロのぼやけた背景をバックに、強い眼差しのDJにピントがきています。その力強さを助長するかのように、鮮烈なレッドでタイトルと日付がはっきりと配置されています。右下の角に同じく赤を透過させることで全体の印象をまとめ、フライヤーデザインの締めとして効果を上げています。
■複数の写真を組みあわせた表現で魅せるフライヤー
ニューヨークを拠点に活動する有名DJのフライヤー制作例です。このメイン画像になっている3人の人物はよく見るとすべて同一人物です。別カットで撮影された画像を合成して一つのビジュアルとし、下部にアーティストロゴと呼応するモチーフを散りばめ一体感を図っています。チラシタイトルに相当するツアータイトルは上部に小さくあしらいのように流し、アーティスト名をロゴタイプでセンターに配置。自然と目が行くその下に趣旨であるツアー日程を列記しています。
写真・ロゴ・日程によりこのフライヤーはツアーに関する告知であることが理解できます。同じ人物を合成しユニークなインパクトを与えつつ、情報を最小限に絞り配置することで最も目立たせたい「人物」が生きる良い例です。
■絵のような加工が深みを与えるフライヤー
画像データを元にイラストレーションのような加工を施したフライヤーデザインです。写真そのものとして配置した時よりも全体のトーンとの馴染みが良く「一枚の絵」としてのインパクトが強く見えます。色数を抑えデザインすることでイメージを洗練し、被写体の印象をよりエッジの利いた存在に見せています。
■シンメトリーの写真構図がかっこいいフライヤー
シンメトリー(左右対称)なデザインの中、センターで合わさっている2人の人物。この2人のDJによるイベントをあおるキャッチコピー「Show off(見せつける)」がひときわ目を引きます。黒と赤のアグレッシブなコントラストと人物のつなぎ目から洩れる光にいやがうえにも期待が高まります。潔さが強さに転化する力強いフライヤーデザインです。
イラストで表現する~イメージを広げるフライヤーデザイン
写真と違いフィジカルな面をもたないイラストは、見る側に自由なイマジネーションを許し空気感を伝えることができます。無論、注視してもらうためにはデザイン的なフックやキャッチコピーとの連動も必要になってきます。
■手作り感のある線が味のフライヤー
上の例は、「EVERYTHING NICE」と題された音楽イベントのフライヤーです。全体を見渡すと日が昇る海原のような構図でDJが太陽の役割をしていることに気がつきます。DJが回しているはずのレコードは水流となって溢れ出し、川となって乾いた大地を流れていきます。その上に煙のようにたなびく「Nice」の文字、大地に半分埋まるアーティスト名。自然を感じさせる大胆なカラーリングと、遊び心溢れるロゴタイプがフックとなり、さらに注視することでこのイラストのユニークさと世界観にほれぼれするでしょう。
■レトロなカートゥーン風のフライヤー
アメリカのソフトボール大会の記念パーティー告知チラシの作成例です。まず目を引くのは手の中に握られたボール。あざやかなイエローに赤のステッチが印象的です。クセのある丸みを帯びた書体で書かれたチーム名が判を押したように書かれ、その上に手書き風の文字を加えることで躍動的なタイトルに仕上げています。
また、チラシ背景は明るいグリーンをベースに彩度を抑えた模様を重ねることで、色彩の対比により、メインのボールが存在感をより強く主張するよう調整がなされています。
■多彩な色使いでポップさを表現したフライヤー
これは7月の第3日曜日に開催される音楽イベントのフライヤーデザインです。暑い季節の最中、キーイメージは「アイスクリーム」。その背景には黒をバックに、およそ似つかわしくない炎のようなモチーフが揺らめいています。日程が決まっているチラシの場合、その季節に合ったモチーフを取り上げるのも人々の関心を引くポイントといえます。このデザインの場合、このアイスクリームの冷たさと相反する熱気を感じるバックを敷くことで、ビジュアル的な面白さを作り出し、イベントのもつエネルギーも同時に伝えています。
■写実的なイラストを効果的に使用したフライヤー
こちらもDJイベントのフライヤーです。二人のDJがレコードをかけている写真をもとに描き起こされたイラストです。背景に溶けこんでいる二人が、本来ならばターンテーブルがあるはずの位置にある「PARTY」の文字を摘み上げるユニークな構図。平面的にならず奥行きを感じるのは、バックに店内の写真をオーバーラップさせていることと、立体的に描かれた文字とイラストの関係性にあります。
レッドとライトブルーのあざやかなコントラストで目を引き、ディテールにこだわったイラストで関心を引く練り上げられたフライヤーデザインです。
画像加工でアーティスティックに~ビジュアルインパクト
写真は現実をそのまま映し出すものですが、そこに一手間二手間加えることで、現実とファンタジーの狭間にある魅力あるビジュアルを作り出すことができます。そのような見る人を引き付ける画像加工を使ったフライヤーデザインを紹介していきましょう。
■サイバーなエフェクトがクールなフライヤー
上のデザインはアフロハウス(アフリカ音楽の要素が入ったハウスミュージック)とレゲエのDJパーティー告知フライヤーです。宇宙空間をバックにブルーのトーンで黒人女性が浮かび上がっています。縦に伸びる光の線はハウスの未来的なイメージを、タイトルロゴにもあしらわれている装飾はレゲエの民族的なイメージを感じさせ、全体として見事にリズミカルに融合されています。このように画像加工は、1枚の写真では表せない複雑なイメージを伝えるのに適した手法なのです。
■まさにMIXを体現したフライヤー
このフライヤーはアフリカの専門家ネットワークが開催したビジネスパーティーの告知チラシです。若い世代が中心となる会で、多くの職種の人々が一同に介し、交流を深めるのが目的の一つです。
タイトルの「MIXER」は、まさにそのような交流を表しており、メインとなっている咆哮する動物たちを合成した画像は、アフリカの若き力の集結を表現しています。あえて色を絞り、なおかつ1つのイメージに統一したことで強い一体感が生み出され、強烈なインパクトのあるデザインを作り出しています。
■ポートレートのアップを大胆にアレンジしたフライヤー
こちらはドイツで活躍するテクノDJのライブ告知フライヤーの制作れ例。知名度を生かすクローズアップした画像と、さらにインパクトをつける画像加工があざやかです。人物と街並みをオーバーラップさせ色を反転、さらにグラデーションで変化をつけることにより温度と動きがデザインの中に息づいています。また、テクノのもつ都会的で洗練されたイメージ、DJの手腕で何色にも変化する音楽性も同時に表現されています。
■スタイリッシュなハロウィンのフライヤー
こちらはハロウィンに開催された女性アーティストのイベント告知フライヤーです。漆黒の背景にたたずむ女性の顔がマスクのように浮いています。衣服と首から上の色合いに変化をつけているところもまた妙で、ハロウィンというテーマによく合う不気味なグラフィックです。
全体のデザインをシンプルに余白を生かして画像を作ることで、不気味でありながらも品のあるフライヤーデザインに仕上がっています。ハロウィンというと賑やかでごちゃごちゃしたデザインになりがちですが、一風変わったシンプルな見せ方が逆に見るものの興味を引き出します。
色彩の強弱で印象付ける~コントラストの強調
相対する色を使ってデザインすることで互いの存在を強調し合うテクニックです。色数を絞ることで情報がまとまって見え、コントラストをうまく使うことで注視してもらいたい部分を容易にクローズアップすることを可能にします。また、デザイン的にもアクセントをつくることで強弱がつき、ダイナミックな印象を与えることができます。
■セクシーさとゴージャスさを強調する色使い
上のフライヤーはクラブイベントの告知のためのものです。左右対称な構図にゴールドのアクセント。黒と金のコントラストはゴージャスでストロングな印象を持っています。ライオンと美しい女性の画像と相まってそのイメージをより確かなものにしています。コントラストの効果と、色が元から持っているイメージとを組み合わせることで、フライヤーデザインの意味合いをより印象深いものに仕上げることができるのです。
■斬新な加工&構図でインパクトを与えるフライヤー
こちらは2日間に分けたDJイベントの告知フライヤーデザインです。ブルーとオレンジの2色をうまく使い、2人のDJをまるでカードのように見せています。日程周りからセンターのタイトルまでを青いフレームで共通化することで統一感を図り、絵柄にコントラストをつけることで対比効果が生まれます。この2色は暖色と寒色の組み合わせで、レトロなあたたかさと洗練された美しさの両方を表現しており、不思議な魅力を見た人に感じさせます。
■赤いキャッチコピーが際立つフライヤー
女性たちが写るモノクロ写真を背景に、わずかに発光する赤で記されたイベントタイトル。その隣にはこのイベントの象徴であるウォッカのボトル。ラベルの一部分だけが赤く塗られています。黒に対する赤の存在感はさまざまなコントラストの中でも格別に注視させる色使いといえます。
「赤」は本来、熱やエネルギー、危険を示す色で、人の気分を高揚させ緊張感を高める色です。そこにエネルギーを吸収する色「黒」を組み合わせることで相反する効果がぶつかり合い、赤の存在感はますます強調されるのです。このフライヤーのデザインにおいてもこれらの赤はすべからく主張しており、見る人の視線を集めるに十分なデザインといえます。
■あえてラスタカラーを使わないレゲエのフライヤー
レゲエミュージックのイベントフライヤーデザインです。レゲエのキービジュアルといえば赤・黄・緑からなるラスタカラーが有名です。その3色を並べて使うデザインが大多数ですが、この作品はその常識の斜め上をいくユニークなラスタの表現を打ち出しました。熱気溢れる群集の写真を赤一色に染めてベースとし、タイトルロゴを黄×緑で描いています。ラスタをコントラストで表現したこの作品は、レゲエが発する温度を伝えるエネルギッシュなデザインに仕上がっています。
■青の使い方が絶妙なフライヤーデザイン
続いてはこちら、加工したモノクロ写真をベースに深い青を配色しています。温度を感じさせない重厚感のある黒に対し、寒色の青をのせることで、全体の印象は重く冷たくミステリアスなイメージを感じさせるフライヤーです。写真の中の女性に表情はなく、その前後にあらわれた青い立体造形物。まるで氷の女王のような雰囲気です。
黒と青のコントラストを使うことによりデザイン全体が引き締まり、被写体のもつクールで神秘的なカラーを際立たせています。コントラストを用いて見せたいイメージを作り出す良い制作例です。
■色のコントラストが美しいフライヤー
コントラストの作品の最後に紹介するのは、赤と緑の組み合わせのフライヤーデザインです。この2色は色相環上で正反対にある補色の関係にあります。故に、この2色を使うと強いコントラストを生み自然と見る人に訴えかけることができます。カラーイメージも「赤」は危険、「緑」は安全というように全く反対の意味を持ちます。この2色を同時に目にしたとき、正反対のイメージであるがゆえに調和を生み、安定感を感じさせるという特別な組み合わせでもあります。
日本でも「マリオ・ルイージ」「赤い羽根・緑の羽(募金)」「ガチャピン・ムック」など双璧を成すイメージによく使われます。また、クリスマスカラーでもあり、不思議と期待感を膨らませるコントラストともいえるでしょう。
文字で語るフライヤーデザイン~書体や見せ方の工夫
中央の「R」の文字が鮮烈な印象のDJイベント告知フライヤーデザイン。レゲエとR&Bの頭文字「R」をシンボルとしてデザインし、文字を絵のように見せています。グリーンのペンキで塗られたような「R」からほとばしるイエローのオーラ。それらが広がりながらオレンジの空に溶けていくようです。「R」の穴の中に入れた日付をアクセントに上手くまとめています。全体にコントラストの効果を用いながらイベントイメージを伝えるインパクトのあるデザインです。
文字を中心にフライヤーデザインを組み立てるとき、文字を単語や文節として読ませるか、この作品のように文字を絵としてとらえるかでその見せ方は随分と変わってきます。文字とそれ以外を構成する要素とのレイアウトやバランス、配色などに注意しながら他の作品を見ていきましょう。
■多彩なフォントをチェーンでまとめたフライヤー
複数のDJが登場する音楽イベントの告知チラシです。DJたちのロゴタイプが色とりどりに並んでいます。それぞれが個性を主張しつつも、書体も色もバラバラなのにどこかまとまって見えるのは、左右の幅を揃えたことと、ブラックの背景に対して光を放つようなあざやかな配色のロゴタイプで揃えられているからです。さらに外回りをゴールドの厳ついチェーンで囲うことで、一枚のチラシデザインとしてのまとまりを作り出しています。
■文字部分の背景を白くし、読みやすく工夫されたデザイン
シャツの絵柄をモチーフに、見事なまでに多くの情報量を伝えるフライヤーデザインです。コミックの1コマのようなユニークなレイアウトに、白地ベースに黒と赤で書かれたインフォメーションはチラシの王道とも言える読みやすさ。吹きだしでコンテストや日程を案内するなど、動きのある効果的な見せ方で注意を引きます。開いたシャツについているレインボーカラーのネクタイが配色のアクセントとなり全体を引き締めています。
■タイポグラフィで魅せるフライヤーデザイン
ぼんやりとしたモノクロの画像をバックに、ミントグリーンでイベントタイトルが書かれています。配色のバランスが整っており、全体のトーンは落ち着きながらも印象に残ります。このパターンは、文字が絵としても文節としても機能しており、スタイリッシュに趣旨を伝える優れたフライヤーデザインです。このような表現方法を選ぶとき、書体選びはとても重要な工程で、伝えようとするイメージに合い、尚且つ可読性にも秀でた書体を見つけることが大切です。
■文字の力を活用したデザイン制作例
これは「JESUS」という楽曲のカバーデザインです。中に日本語で「イエス」とあるように、各国語での「JESUS」が散りばめられ地紋を形成し、センターに赤文字でタイトルとアーティスト名が浮き立つように配置されています。これは世界各地の文字の形の違いを絵としてとらえデザインパーツに利用した非常に面白いアイデアです。
伝えたいことを順序よく~バランス重視のレイアウト
チラシを制作する上で目的とするのは「伝えること」です。注意を引き見てもらうための方法を探ってきましたが、ここではその先にある情報伝達について見ていきましょう。
チラシではいくつかある伝えたいことに優先順位をつけ、大事な事柄から目に入るように工夫してレイアウトを考える必要があります。ヨコ書きの文字を読む場合、人の目は左上からはじまり「Z」の文字を描くようにジグザグに動きながら視線を動かしていきます。その動きに沿って事柄を並べていくのが一般的な手法です。
また、重要度に応じてスペースの大小・色の強弱・文字の大きさ太さなどにコントラストをつけて配置することで、視覚的にも情報の優先順位がはっきりとわかるチラシになります。
■すっきりした参考になるチラシレイアウト
コンサートの開催を知らせるフライヤーデザインです。図にあるとおりタイトル→日付→出演者→購入情報と流れるように項目が配置されています。また、重要度によって割かれるスペースの大小もつけられており、迷いなく情報を得ることができるようになっています。レイアウトのほかにも、注視してほしい情報に関しては赤色でアクセントをつけており、メリハリのあるフライヤーに仕上げています。
■一見カオスな中に読みやすさを考慮したフライヤー
メインで扱う画像のかたちによってレイアウトは様々な形式をとります。こちらのフライヤーでは右側に情報をまとめています。書体はタイトルを除き丸みを帯びたゴシック体で統一されています。情報をただ羅列するのではなく、文字の色や太さ・配置の仕方をデザインと緊密な関係でカテゴリー分けし、読みやすくレイアウトしているチラシの好事例です。
■色同士の関係を理解して作られたフライヤー
「COLORS」と題されたこのDJイベントは、その名の通りカラフルな色使いでデザインされています。チラシのセオリーにおいて、多色使いは推奨されていません。しかしこの作例では、補色関係をうまく利用しモチーフと文字を互いに際立たせる、難度の高いデザインをクリアしています。レイアウトに関しても、視線の動線に沿い伝達情報がカテゴリーごとにしっかりと分けられおり、チラシとして完成度の高い作品といえます。
■左揃えでスッキリまとめたフライヤーデザイン
雑誌の表紙のようなこのパーティーフライヤーは、大胆にあしらわれたタイトルロゴが大きなポイントとなっています。丸みを帯びた女性的なフォルムの手書き風ロゴ。よく見るとその奥には盛り上がるライブの様子が写しこまれています。
昼間から野外で開催されるデイパーティーということから、背景は盛り上がり始める夕方ころの暮れかけた空をイメージしているようです。それらの視覚的要素を盛り込みつつ、インフォメーションは左側に寄せ、順序よく読ませるようにレイアウトされています。
■情報のまとめ方がオシャレなフライヤーデザイン
最後に紹介するのは赤と白のコントラストが目を引くこちらのフライヤーデザインです。光舞うきらびやかなパーティーにやってきたファッショナブルな女性の写真を、赤のトーンで調整しセンターに配置。頭の先端が罫線を超えて前面に見えていることで、動きのある印象を持たせています。CDのカバーデザインのように中心に情報を集約しているところも見せ方として面白く、左右の空きスペースが縦の広がりを一層強調し、スマートな印象を作りだしています。
このように、空きスペースの使い方(余白の残し方)や、文字のおき方で同じチラシでも印象を大きく変えることができます。基本ルールを押さえた上で、伝えたい商品やイベントの特性をデザインというフィルターを介しアピールすることは、ワンランク上のチラシ制作の第一歩となることでしょう。
国境を越えた記憶に残るフライヤー・チラシデザインのヒント
いかがでしたでしょうか?少し国内のデザインとはテイストが違ったものが多かったかもしれません。しかしそこから学べる内容はことの他多く、色使いの発想や配置の妙は目からウロコのデザインが見受けられたのではないでしょうか。
音楽というフィールドのチラシと商品の販促チラシでは条件的に異なることも多いかもしれません。しかし、見る人を引き付けるテクニックやレイアウトの基本設計としては共通するものが多いと感じます。
特に、チラシのフックとなるメインビジュアルを作る際には、参考になるポイントが数多くありました。ここで紹介したテクニックを駆使し、見た人の記憶に残る、パンチの効いたデザインを考えてみてはいかがでしょうか。
Designer : Goooood Company (Ukraine)
・この記事は制作者に許諾を得て掲載しています。
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