
ポーランドを拠点とするRedkroft.は、やり甲斐・こだわりのあるプロジェクトに果敢に取り組むデザインスタジオです。ブランドをより成功に導くため、業界のリーダーを目指す人のためにというコンセプトで活動しています。ブランドの特徴を掴み、人々の意識に定着させる戦略、そして消費者の目に止まり、意識を傾けてしまうようなビジュアルアイデンティティを作っています。40を超える国際的な賞を受賞しているそうです。今回はRedkroft.の素晴らしい作例を見ていきましょう。※記事掲載はデザイナーの承諾を得ています。(Thank you, Redkroft.!)
Redkroft.が多数の受賞歴を持つ理由を「審査員視点」で分析する
Redkroft.のブランディングが多数の賞を受賞している背景には、「デザインの完成度」に加えて「コンセプトの明快さ」と「プレゼンテーションの品質」が三位一体で高いレベルにある点があります。
デザイン賞の審査では、「見た目の美しさ」だけでなく「なぜこのデザインなのか」のコンセプトと、「制作プロセスがどう進められたか」の説明力も評価対象です。Redkroft.のケーススタディでは、課題→リサーチ→コンセプト→デザイン→展開という流れが論理的に提示されており、審査員が「このデザインが生まれた必然性」を理解できる構成になっています。デザイン賞への応募を考えるデザイナーにとって、「作品の見せ方」も重要な制作物の一つです。
少しレトロで遊び心のあるクラフトビールのパッケージデザイン


クラフトビール醸造所のブランディングとラベルデザインを担当した事例です。クライアントは、ベルギーのブラッセリー・ド・バストーニュ。醸造された製品の品質の良さを非常に誇りに思っていました。
ポーランドを拠点とするRedkroft.の歴史あるデザインに基づいたビジュアルコミュニケーションのアイディアは、彼らにとってとても魅力的でした。インスピレーションを受けた彼らは新たなブランドを立ち上げ多くの人を驚かせました。
ブランド名「Gzub」は大まかな意味で捉えると、「ビール腹」。ポーランドのヴィエルコポルスカ地方の方言だそうです。この命名はデザイナー達にとって明確な方向性を与えましたが、さらに今後のブランドのためを考えるとより現代的な顧客とのバランスを取りたいと考えたそうです。

このようにして生まれたのがブランドの “ヒーロー” です。誇り高く、カリスマ的で、自信に満ち溢れた少し生意気なホップコーン。シルエットだけで表現したことでポップになりすぎず、だけど勢いのある線で活発な印象を与えています。

フォントの雰囲気やデザインは勢いのあるタイポグラフィで懐かしさもプラスしています。しかし色の輝きは現代っぽさを取り入れていますね。風合いのある紙の感触にもこだわっています。そのおかげでGzubは市場で最も独創的なクラフトビールの一つとなっているそうです。
インパクトのある食品ブランドのパッケージ・ロゴデザイン

楽しい多様性とシンプルさを兼ね揃えたストリートフードのブランドです。「コンボ(COMBO)」はポーランドの伝統的な造船所の隣の通りに位置する飲食スポットで、世界の様々な地域の屋台の食べ物に影響を受けています。文字が色々な食品の種類をかたどった楽しいシンボルになっています。

楽しさを表現するだけではなく、黒と白を使用して全体的な印象はスタイリッシュにしたそうです。動きがあるタイポグラフィは目にも楽しいですね。フォークやお箸でつかんだ麺で表した注意書きの「HOT」もユニーク。

カラフルなカラーを使わないことで背景に写真を重ねた時も色を選ばず食品の色が際立ちます。パッケージにはインパクトのあるロゴを大きく使うことで、記憶に残るデザインになりました。
ミニマルなデザインとロゴの多様性を生かした企業ブランディング

BrandhikeはBETプロジェクト管理コンサルティングエージェンシーです。企業の美術館や、ビジターセンター、および企業ツアーの包括的なシステムのプロジェクトを開発、実施、監督しています。企業が消費者やビジネスパートナーとの対人関係を構築できる手助けをしたり、信頼を築くための会社です。
Redkroft.は今までで最も困難なプロジェクトの一つだったと語っています。というのも、このコンサルティング会社は、「産業観光」という、マーケティングのニッチを定義するのが非常に難しい分野です。彼らの主要なターゲットグループは、かなりの投資力を持つビジネスクライアント。一方エンドユーザーは、高齢者から子供までの年齢層の個人顧客です。

Redkroft.は、産業観光から「ブランド」「ハイキング」の要素を考える上で明確な比喩を見つけ出し、これらの二つの概念を一つのメッセージに繋げました。非常に機能的で信頼性が高く、整然としたフレームワークを備えた彼らのイメージはまた、冒険と好奇心との関連を感じさせます。
しかしブランドシンボルを多くのメディアの多様性に適応させることは時間がかかり、技術的にも複雑なプロセスになります。課題は、原則変更不可のロゴフレームの比率を別のコンテキストで維持することでした。考えられるすべての画面解像度に対して各テンプレートを個別に設計したそうです。


そうして出来上がったのがBとHと間に線だけを残したこのブランドロゴマーク。シンプルだけど多様性があり、色々な媒体に移っても崩れないこの枠組み。
ロゴ下に作られた空間に情報を入れることもできるし、入れなくても成り立つこの太めの枠は、実に様々な使い方ができますね。ミニマルで多様性がある、コンセプトにしっかり寄り添って絞り出した渾身のブランドロゴマークが出来上がりました。
Redkroft.のブランディングに見る「ブランドパターン」の設計がアイテム展開の一貫性を担保する
Redkroft.の事例で特徴的なのは、ロゴとは別に「ブランドパターン(幾何学模様や固有のテクスチャ)」が設計され、それがパッケージ・名刺・封筒・Webサイトの背景に統一的に使われている点です。
ロゴは「ブランドの顔」ですが、ブランドパターンは「ブランドの地肌」として機能します。ロゴが使えないサイズや場面(包装紙の地模様、封筒の裏面、Webサイトの背景)でも、ブランドパターンがあればブランドの存在を伝えることができます。ロゴ+ブランドカラー+ブランドパターンの3点セットで、ブランドの視覚的な表現力が格段に広がります。
まとめ
細やかで発想豊かな彼らのデザイン、そして一つ一つのプロジェクトへの熱意がこのような素晴らしい作品を生むのでしょう。ビジュアルアイデンティティを生み出すだけでなく、ブランディング全体に携わるということはデザイン事務所にとって素晴らしい名誉です。企業やプロジェクトの背景を理解し、噛み砕いてデザインにしっかりと注ぎ込んでくれるようなデザインチームに出会えた企業は幸せだと思います。
design : Redkroft. (Poland)
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