「銀世界」や「銀盤」、「銀河」や「銀幕」など、「銀」がつく言葉はどれも上質な響きを持っています。鉱石の精錬技術が未発達であった古代では、銀は金よりも価値が高かったといいます。銀食器などは高級品として今でも珍重され、金同様に銀は世界的に価値のある金属です。
また、銀は古来より魔除けの力があると信じられ、お守りや厄除けとしても使われてきました。今でも出産祝いに銀のスプーンを贈る習慣が残っており、日本でも人気の出産祝いギフトの一つです。
そんな銀の輝きを色彩で表現したのが銀色です。青白い光を放つ銀は、金の豪華絢爛なイメージとはまた違った、真理を見抜くような鋭さがあります。よく金と比較され二番手のレッテルを張られてしまうこともありますが、「白金」と表現されるプラチナは金よりも価値が高く、銀色の輝きを放ちます。
金色が時代や伝統を感じさせる色ならば、銀色は先進的な未来を感じさせる色。メタリックな輝きは、未来を彩る叡智や技術力の高さを象徴しています。
「銀色」のイメージワード
●先鋭 ●未来 ●品格 ●冷静 ●真理 ●知性 ●美 ●無機質 ●金属 ●人工物 ●冷たい ●清潔感 ●宇宙 ●鏡 ●スプーン ●食器 ●雪 ●氷 ●機械 ●銀貨
「銀色」の心理的効果
・洗練された美しさと清潔感
・知性とテクノロジーが導く未来感
・ヒンヤリとした冷感
・心を落ち着かせる鎮静作用
「銀色」に近い色のイメージ
明度の低い銀色(スペースグレーなど)
宇宙・スタイリッシュ・ダーク・マニッシュ・落ち着き・重厚感
青みのある明るい銀色
神秘的・ブラックパール・高級感・モダン・冷感
黄色みのある明るい銀色(パールグレーなど)
真珠・品格・フォーマル・輝き・フェミニン・繊細
「銀色」をデザインに取り入れるポイント
銀色も金色同様、単色で表すことが難しい色です。金属的な質感が欠かせない要素であり、自分の姿が映りこむほどに磨き上げられた曇りのない美しさがシルバーの大きな魅力です。色味としては、黒と白の中間にあたる灰色と同様の無彩色がベースになり、明度の差と他の色味との混色でイメージが変わります。単色で表すときは灰色を代用色とし、通常、明度の違う何色かの灰色と白を使ったグラデーションで金属的な輝きを表現します。
銀色はその輝きから、金色と同様に高級感を与える心理的イメージを持っています。しかしながら、金色と比べると銀色の輝きはシックで理知的、穏やかながら芯の強い、消えない炎のような光を放ちます。外面的な派手さよりも内面的な充実感をイメージさせ、真理やプライドを象徴します。また、基本的には色味を持たない無彩色のカテゴリーに属するため、どんな色とも協調しやすく、スマートで洗練されたイメージをデザインの中に取り込みやすい色です。
高級感のほか、未来のテクノロジーを思わす金属的な質感から、先鋭的な知性やひんやりとした冷感を連想させます。また、銀の中に含まれる銀イオンが抗菌作用を持っているため、清潔感も強いイメージの一つです。
金色が「陽」ならば、銀色は「陰」のイメージを担う色。鋭利で静かな美しさと主張し過ぎないスマートな存在感で、デザインに品格のある知的なエッセンスを加えましょう。
※色が与える印象や影響には個人差があり、国や環境・文化背景などによっては持つ意味や受け取るメッセージが異なる場合もあります。
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