マルコ・ポーロが書き上げた旅行記「東方見聞録」の中で、日本は「黄金の国ジパング」と称されていました。「莫大な金を産出し、民家や宮殿は黄金でできている」と書かれていたそうです。マルコ・ポーロは実際には日本に来ておらず、中国人から伝え聞いた日本の話を紹介したため実際の日本とはかなり相違がありましたが、「黄金の国ジパング」の噂は世界を駆け巡ったのでした。
世界的な規模で見ると「莫大な」とまではいきませんが、その昔から日本には金鉱山があり、豊かな採掘量を誇っていました。金で装飾した歴史的建造物も残っており、仏像や宝飾品、通貨など昔から金は「価値あるもの」として日本の文化に多大な影響を与えてきました。そのような概念は世界的にも共通で、美しく輝くゴールドはどこの国でも特別な存在であったようです。
金鉱石に由来する金色は、その希少さから高級感を放ち、富や権力の象徴として扱われています。デザイン表現の中でもその存在感は特別で、高級感を表現したい時やエネルギッシュなイメージを与えたい時などに積極的に使われています。
「金色」のイメージワード
●高級 ●富 ●権力 ●贅沢 ●永遠 ●豪華 ●派手 ●勝利 ●ステイタス ●夢 ●王 ●お金 ●稲穂 ●金メダル ●小判 ●金貨 ●金箔 ●仏像 ●金屏風
「金色」の心理的効果
・豪華で煌びやかなイメージ
・活力溢れるエネルギッシュなイメージ
・価値ある高級感
・誇りと自信
色味や濃さによって変わる「金色」のイメージ
赤みがかった金色(ローズゴールド・ピンクゴールド・赤金)
温かみ・フェミニン・やわらかい・ファッショナブル・華やか
青みがかった金色(青金)
クール・スタイリッシュ・都会的・メタリック・冷たい・機械的
橙みが強く明るい金色(うこん色・ディープゴールド)
煌びやか・強い輝き・富・名声・財宝・豪華・力強さ
ベージュがかった金色(シャンパンゴールド)
お洒落・エレガント・ソフト・上品・気品・しなやか
「金色」をデザインに取り入れるポイント
金色は、輝く光や表面のツヤや光沢など色彩以外の要素を欠くことのできない色です。
故に、単色で表すことが難しく、通常、デザインなどで表現する際は黄色や橙、黄土色などを組み合わせたグラデーションを使うのが一般的です。
単色のみで表現する場合は、代用色として黄色をベースに青みや赤みを加えた黄土色を使います。単色だけでは、単なる黄土色に見えてしまいますが、周りの配色やデザインの構成を、金色をイメージさせるものにすることでそれらしく見せることが可能です。
金色は、高級感を表現するデザインや、エネルギッシュな雰囲気を伝えるデザインなど、他のデザインとは一線を画す特別な印象に仕上げたい時によく使われます。金色は「価値あるもの」として私たちの記憶に根付いており潜在意識下で目を引きます。
しかし、その強いインパクトであるがために使い方を誤ると、けばけばしいイメージや傲慢なイメージになってしまうため注意が必要です。
高級感を演出したい場合、他の色と配色する時には、できるだけ明度と彩度が低い深みのある色と組み合わせたり使用する面積を控えめにするなど、金色の個性を適度にコントロールすることで効果的なイメージを作ることができます。エネルギッシュなデザインを望む場合は、思い切ってすべてを金色で包むように大胆に配色することで厭らしさが消えポジティブな印象が残ります。
心理的に強いインパクトを与える金色は、わずかなスペースでも主役級の効果を発揮します。プラスのイメージを生かしてデザインに煌びやかなアクセントを加えましょう。
※色が与える印象や影響には個人差があり、国や環境・文化背景などによっては持つ意味や受け取るメッセージが異なる場合もあります。
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