Skip links
赤いデザインの心理効果

色彩心理とデザイン【赤】~情熱的でエネルギー溢れる色


赤いデザインの心理効果

普段何気なく目にする景色、掌の中のスマートフォンや部屋のインテリア、今日着ていく服・・・すべてのものに「色」が存在し、無意識下で色は私たちの心と体に大きな影響を与えています。

さまざまな色の中でも注目を集める色「赤」。

赤は人間がはじめて認識し名前をつけた有彩色だといわれています。太陽や血、愛や情熱のように、内からこみ上げるような感情的なパワーや生命と強い結びつきのある色です。

実際に赤を目にすることで、体温や血圧が上がり血流を活発化させ身体を興奮状態に導くという傾向もあります。また、その変化は身体的なものだけではなく、心にも大きな影響を与えます。赤は数ある色の中でも、もっともポジティブでパワフルな色。目にしたり身に着けることで、活力を呼び起こし積極的でエネルギッシュな行動力に繋げます。そのため、大事なプレゼンテーションや商談など「ここ一番」という時には、赤い下着や赤いネクタイなど「赤いもの」を身に着けるという人も多いようです。

そのほかにも赤は、鳥居や還暦のお祝い、紅白の垂れ幕など魔除けや厄除けとして「縁起物」にもよく使われる色。無視できない存在感の強さは、危険を知らせる「警告」や国を象徴する「国旗」、企業のロゴマークなどデザインとしても非常に有用な色です

デザイン制作費用について

「赤」のイメージワード

「赤」のイメージ

●太陽 ●炎 ●血 ●情熱 ●愛 ●怒り ●興奮 ●危険 ●革命 ●歓喜 ●熱狂 ●祝い事 ●鳥居 ●サイレン ●ポスト ●口紅 ●トマト ●リンゴ ●バラ

 

「赤」の心理的効果

・エネルギーを引き出し積極的になる

・魔除けや厄除けになる縁起の良い色

・視線を引き付ける注目度の高い色

・危険を知らせる警告色

「赤」の文化的多面性〜国・地域で異なる赤の意味

赤の心理的効果は普遍的な要素もありますが、文化的・地域的な意味の違いは無視できません。グローバルに展開する商品やインバウンド向けデザインでは、文化的な意味の違いを意識する必要があります。

地域による赤の文化的意味は、いくつかあります。「中国・東アジア」(祝祭・繁栄・幸運の色。結婚式やお正月に多用される、ポジティブな色)、「日本」(神聖さ、魔除け、太陽の色。神社の鳥居、紅白、日の丸など)、「インド」(純粋さ、結婚、新しい始まり。花嫁衣装の色)、「ヨーロッパ」(情熱、革命、危険、宗教的な意味(枢機卿の色)が複雑に混在)、「アフリカの一部地域」(喪失や死を連想させる地域も)、「中南米」(情熱、生命力、宗教的儀式)。

同じ赤でも、「祝祭の色」と捉える文化と「警告の色」と捉える文化があります。中国向けのパッケージなら鮮やかな赤が好まれ、欧米向けの落ち着いた商品では赤が強すぎる印象になることもあります。

文化的多面性を意識したデザインのポイントは、いくつかあります。「ターゲット地域の赤の意味を確認する」(市場調査の重要性)、「赤の濃度・彩度で印象を調整する」(同じ赤でもニュアンスが変わる)、「赤と組み合わせる色で文脈を作る」(赤+金は祝祭、赤+黒は危険)、「禁忌のある地域では避ける」(葬儀色として赤を使う地域もある)。

赤は普遍的に強い印象を持つ色ですが、その印象がポジティブかネガティブかは文化次第です。グローバルな視点を持つ設計の引き出しに加えておきたい観点です。

 

色味や濃さによって変わる「赤」のイメージ

鮮やかな赤

情熱的・エキサイティング・刺激的・好戦的・挑発的・アドベンチャー・勇敢・活発・ダイナミック・お得感・危険・暴力的

濃い赤

上品・高級・洗練・贅沢・エレガント・濃厚・成熟・グルメ

茶系の赤

安定感・温かみ・自然・頑強・ふるさと・懐かしさ

赤紫

大人の魅力・ドラマチック・クリエイティブ・豊かな感性・スリル

 

「赤」をデザインに取り入れるポイント

赤の影響力

赤は、色の中でも彩度が高く、人の視線を集める色=もっとも誘目性の高い色です。誘目性とは、読んで字のごとく視線を誘う色のことを言い、無彩色より有彩色、寒色系より暖色系、彩度の低い色よりも高い色が誘目性が高くなります。

また、色は人の記憶や知覚と深く結びついており、古くからある自然や風景が持つイメージや温度とリンクしています。空が高く遠く感じるのに対し、太陽は実際には遠く離れているにも関わらず、その照り付ける温度から、すぐ近くにまで迫ってくるようにも感じます。

赤からイメージするものは、炎や血など身近で温かさを感じるものが多いのが特徴。青などの寒色系の色と並べてみると、こちら側に迫ってくるように見える「進出色」でもあるのです。

このような特性を持つ「赤」は、人目を引く強い色。他の色と比べ、こちらに迫ってくるような強い主張を持っています。

赤色のポスター

赤が効果的な業種・媒体

  • 飲食業: 赤は食欲を刺激する色で、レストラン・ファストフードのロゴやチラシに最適
  • セール告知: 「期間限定」「今だけ」のような緊急性を伝えるチラシでは赤が鉄板
  • アミューズメント: 遊園地、ゲーム、エンターテインメント系デザインでエネルギーを表現

赤の配色テクニック

組み合わせ 印象 向いている用途
赤×白 清潔感、コントラスト セール告知、医療系
赤×黒 力強さ、高級感 ブランディング、イベント
赤×金 おめでたさ、祝祭感 年賀状、お祝い関連
赤×ネイビー 知的+情熱的 教育、スポーツ

赤を使う際の注意点

  • 面積が広すぎると攻撃的な印象に: アクセントとして使う方が効果的
  • 彩度が高い赤は画面上と印刷物でギャップが出やすい: 必ず色校正で確認
  • 文化的配慮: 多くの文化で「危険」や「警告」を意味するため、安心感を伝えたい場面では控えめに

「赤の隣接色」が決める印象の振れ幅

赤の印象は、赤単色だけでは決まりません。「隣に何色を置くか」で印象が大きく変わる、組み合わせ依存性の強い色です。同じ赤でも、組み合わせる色によって全く違う印象になります。

代表的な隣接色との組み合わせの印象は、いくつかあります。「赤+黒」(強い、攻撃的、男性的、ロック・スポーツ系)、「赤+白」(清潔、医療、緊急、シャープな印象)、「赤+金」(高級、祝祭、伝統、東洋的な格式)、「赤+緑」(クリスマス、自然、補色のコントラスト)、「赤+青」(愛国、政治的、視認性が極めて高い)、「赤+ベージュ」(落ち着き、温かみ、伝統的)、「赤+ピンク」(フェミニン、優しさ、可愛らしさ)、「赤+グレー」(モダン、洗練、控えめな赤の引き立て)。

特に注目したいのが、「赤+白」と「赤+黒」の対比です。同じ赤でも、白を組み合わせれば清潔・シャープな印象になり、黒を組み合わせれば攻撃的・男性的な印象になります。色相は同じでも、組み合わせで印象が反転する性質を、赤は強く持ちます。

赤を主役に使う場合、「どの色と組み合わせるか」を先に決めると、印象の方向性が定まります。「赤を使う」だけでは印象が決まらないので、「赤+○○の世界観」という設計が、赤を活かすコツです。

逆に、業種の世界観から「赤+何が合うか」を逆算する発想もあります。医療なら赤+白、高級和食なら赤+金、スポーツなら赤+黒、というように、業種別の定番組み合わせを意識すると、配色の方向性を素早く決められます。

 

まとめ

ここだけは強調したいというポイントに使ったり、ブランドイメージを体現するロゴマークに使用するなど、デザインの中では、与えるイメージを考慮して慎重に使いたい色です。どんなにインパクトの強い色でも多用すればその効果は薄れてしまいます。使いどころを選び、適切な配色でデザインに生かしたいですね。

「赤の使用面積」と「赤の存在感」のコントロール

赤は、面積によって印象が劇的に変わる色です。「面積が大きい赤」と「ワンポイントの赤」では、見え方が全く違います。赤の使用面積をコントロールする発想は、デザインで特に意識したい観点です。

面積別の赤の効果は、いくつかあります。「100%全面の赤」(圧倒的な強さ、ブランドの主張、危険・警告のサインにもなる)、「50%以上の赤」(赤が主役、強烈な印象、エネルギッシュ・暑苦しい)、「20〜30%の赤」(バランスの取れた赤、メインカラーとしても使える)、「5〜10%の赤」(アクセント、視線誘導の効果が最大化される)、「1〜2%の赤」(ピンポイントの強調、CTAボタンや重要数字に効果的)。

赤の使い方の判断は、いくつかの軸があります。「業種・世界観に合うか」(赤が世界観に合致する業種なら大面積も可)、「他の色との対比でどう見えるか」(白と組み合わせるなら大面積OK、黒と組み合わせるなら少なめが上品)、「読み手の滞在時間」(短時間なら強い赤、長時間(雑誌・パンフレット)なら控えめに)、「印刷物か画面か」(画面の赤は紙より強く見える)。

避けたい失敗は、いくつかあります。「広範囲に赤を使いすぎて目が疲れる」(雑誌のように長く読まれる媒体では特に注意)、「赤を強調したいのに他の場所にも赤を使ってしまう」(強調の効果が薄れる)、「業種に合わない大面積の赤」(落ち着いた業種では浮いて見える)。

「赤を効果的に見せる」コツは、面積を絞ることです。広く使うと飽きが出るので、要所に絞って使うのが、赤の存在感を最大化する設計の発想です。

 

※色が与える印象や影響には個人差があり、国や環境・文化背景などによっては持つ意味や受け取るメッセージが異なる場合もあります。

▶︎ 配色別デザイン制作実績を見る / ▶︎ 配色・色彩心理のブログ記事一覧 / ▶︎ デザイン制作のガイド・媒体の特徴

最後までお読みいただきありがとうございます。共感する点・面白いと感じる点等がありましたら、【いいね!】【シェア】いただけますと幸いです。ブログやWEBサイトなどでのご紹介は大歓迎です!(掲載情報や画像等のコンテンツは、当サイトまたは画像制作者等の第三者が権利を所有しています。転載はご遠慮ください。)

この記事について

執筆: ASOBOAD編集部

デザインの潮流や作例調査をもとに記事制作・編集を行っています。

運営: ASOBOAD(アソボアド)

デザイン事務所AMIXが運営するオンライン完結型のデザインサービスです。