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視覚的な魅力溢れるLung-Hao Chiangのパッケージデザインと世界観


今回取り上げるのはアートディレクターであり、グラフィックデザイナー、コピーライター、クリエイティブプランナー、イラストレーターでもあり多方面で活躍されているLung-Hao Chiang氏の作品です。彼は台湾を中心に活動しており、興味深い数多くの作品を世に生み出しています。

彼の作品はメインビジュアルにもしっかりと力を入れており、その世界観がより作品の質を底上げしています。全体のディレクションをするだけではなく、時にはフォトグラファーとして商品を引き立たせる撮影もしています。印象的だった作品をピックアップしていくつか紹介させていただきます。
※記事掲載はデザイナーの承諾を得ています。(Thank you, Lung-Hao Chiang!)

Chiang氏のパッケージに見る「台湾茶の文化をモダンデザインで再定義する」挑戦

Lung-Hao Chiang氏のパッケージデザインでは、伝統的な台湾茶のイメージを現代的なグラフィック言語で再表現しています。古典的な漢字の書体をモダンなレイアウトに配置する、茶器のシルエットを幾何学的に処理する。伝統の「意味」を保ちながら「表現」だけを現代に更新する手法です。

この「意味は維持、表現は更新」のアプローチは、老舗ブランドのリブランディング全般で応用できる設計方針です。消費者が大切にしている「ブランドの核となる価値観」は変えず、「その価値観の見せ方」だけを時代に合わせて更新する。何を変え、何を変えないかの線引きが、リブランディングの最も重要な設計判断です。

 

刺激的なビジュアルのコーヒーのパッケージデザイン

ブラックに浮き上がる鮮やかなパープルピンク。「GOOD COFFEE MAKE YOUR DAY」というキャッチフレーズとともに写し出されたのはコーヒーを淹れるブレンダーに実際の果実を入れ、コーヒーを抽出しているビジュアルデザインです。

いちごの香りや甘酸っぱいフルーツを使った独特のコーヒー豆を表現するため、より視覚的で、直感的なビジュアルを考えたそうです。コーヒー豆というと落ち着いた色使いのパッケージがほとんどですが、全体に黒を使ったことでよりベリーのイメージが引き立つ結果となっています。また、究極のブレンド技術でイチゴとトロピカルフルーツの香りを掻き立てたそのこだわりの味は、ロックンロールのような衝撃を受けるというコンセプトから、ROCKIN STRAWBERRYという製品名が似合っており、また少しかすれた手描き文字がしっくりきますね。

 

情景を浮かばせるお花のコーヒーのパッケージデザイン

花の間、森の中、小川のそばなど蝶は香りや美しさを探し求めるハンターのようなもの。シーズンごとに旬のフローラルなコーヒーをお届けするというコンセプトの4種類のスペシャルコーヒーです。コーヒーの花の香りを視覚化し、パッケージに反映させたそうです。陳列の仕方によって、花々の間を蝶が舞う姿を見ることができます。アゲハチョウのような印象的な模様を、ブラックとその他の色の組み合わせで表現。

直接的に蝶の形を表現するのではなく、三角にデフォルメしていることでまとまりがあります。ロゴとブランド名には箔押しを使用されており高級感を感じさせます。箱の中のコーヒー豆の袋のパッケージにも蝶が止まっているように見えるようなデザインの一工夫があり商品のコンセプトに対する愛を感じますね。

 

一つの要素だけで魅せる究極のパッケージデザイン

こちらをチラッと見てくるくりくりの青い目。全体に使用されている爽やかなカラーはブルー、グレー、ブラックで統一され、クリーンで明るい印象を与えます。イラストを使用し、ユーモアと楽しさを大事にしたコーヒーのパッケージデザイン。あなたが望んで始めさえすれば、コーヒーを楽しむことと、人生を楽しむことは簡単ですよというメッセージがあるそうです。

フレーバーごとにイラストを変えて、個性を出しています。見るだけでは何のフレーバーなのか分からないのですが、それもまたユーモアの一部ということなのでしょう。共通しているのは、青いイメージカラーと、目があること。形や周りの模様が変わるだけで、この「目」は色々な表情を見せてくれます。

これはとても素晴らしいことで、「目」という生き物の要素を使ってキャラクターに息を吹き込んでいるのですね。それは即ち、製品に息を吹き込んでいることだと感じます。コースターになってもコップになっても彼らの「目」はそこにあることでしっかりと存在を感じますよね。とてもユーモア溢れる楽しい仕上がりになっていると感じます。

 

女性に向けた優しく上品なお茶のパッケージデザイン

「BEAUTEA」と名付けられたそのお茶は古代の中国の詩人たちがしばしば女性のイメージとお茶を結びつけてきたことからインスピレーションを得ているそうです。パッケージにはしなやかな女性の手に湯のみが乗っています。そして袖のように見えるのは伝統的な中国服のパターンを使用した見出し。フレーバー名などの情報をうまく配置しています。ブランド名は縦長で細めの大人っぽいフォントを使用、落ち着いたグレージュに乗せた箔押しがより高級感を持たせていますね。

パッケージを斜めから見ると袖が続いているように見えます。また、箱を開けて小分けの茶葉のパッケージを見るとフレーバーごとに中国服を着た女性の姿があり、先ほどの手が彼女たちの手だったと関連づきます。箱のパッケージは、どの側面から見てもしっかりとデザインがあります。パッケージに合わせたスタイリングにもこだわっており、背景のカラーやライティングの質感も製品に寄り添っていますね。

Chiang氏のパッケージに見る「開封後の容器の再利用」を想定した設計

Chiang氏の茶器パッケージでは、中身を消費した後の容器が「インテリアの一部」として再利用できることを前提にデザインされている事例があります。中身を出した後の缶が棚に飾れる、箱が小物入れとして使える。

この「開封後の価値」は、パッケージの廃棄率を下げるサステナビリティの観点と、「長く手元に残ることでブランドの接触回数が増える」マーケティングの観点の両面で意味があります。パッケージを「使い捨ての容器」ではなく「使い続けるプロダクト」として設計する視点は、ブランドの長期的な認知構築にも寄与します。

 

まとめ

コンセプトに沿ったデザインを考えるだけでなく、スタイリングなどの魅せ方も含め、しっかりと製品を良く魅せることができているのは彼がクライアントの要望をしっかりと汲み、トータルで見ているからこその強みでしょう。また女性向けのデザインやポップなデザイン、モダンな雰囲気など、ジャンルを感じさせません。色々なジャンルに挑戦・対応できること、それもまた彼の強みかと感じます。

design : Lung-Hao Chiang (Taiwan)


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この記事について

執筆: ASOBOAD編集部

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