
ブラジルのLéo Tavares studioで活躍しているグラフィックデザイナーのLéo Tavares氏をご紹介します。コンセプトを構築し、ブランドや製品をデザインしていくことが好きだそうです。常に様々なプロジェクトで学びながら新しい経験をされています。※記事掲載はデザイナーの承諾を得ています。(Thank you, Léo Tavares!)
Tavares氏のデザインが「コンセプトに寄り添っている」と感じられるのは「コンセプトの言語化→ビジュアルへの変換」の過程が丁寧だから
Tavares氏の作品がコンセプチュアルと評されるのは、「クライアントの想い」を「言葉」に変換し、その「言葉」をさらに「ビジュアル要素(色・形・フォント・レイアウト)」に変換するプロセスが段階的に行われているからです。
「想い→直接ビジュアル」という一足飛びの変換では、デザイナーの解釈に依存する部分が大きく、クライアントの意図とズレやすくなります。「想い→言語化→ビジュアル」という二段階の変換を踏むことで、途中の「言語化」の段階でクライアントと合意を取ることができ、ビジュアルに進んだ段階での大幅なズレを防げます。
低コスト高クオリティで製作されたマスタードのパッケージデザイン

Most Mustardは10年以上前からMost家が代々受け継いできたレシピで作られています。多くの友人などがテイクアウトをしたいと言ったため、製品化することになりました。今回の課題はいかにビジュアルアイデンティティとラベルを低コストで制作するか、ということでした。

まずはMostという名前を強調した勢いのあるフォントのロゴを作成。人々がこの製品と家族のクラシックなレシピを連想できるように考えたそうです。品質の良いマスタードをイメージして、動きのあるタイポグラフィを使用しました。またラベルには2色しか使わず、制作コストを抑えながらデザイン性だけで製品の価値を高めることを意識したそうです。
決してクオリティを下げるということではないのが素晴らしいです。シンプルなデザインですがスタイリッシュなパッケージの印象が目に残りますね。製作コストをデザイン面で抑えるという要望へのアプローチの仕方が勉強になりました。
ポップでワクワクするデリバリーハンバーガー屋のパッケージデザイン

ブラジルにあるThe Burgeriaは、24時間デリバリーができるハンバーガー屋さんです。Léo Tavares氏はこれまでとは全く異なるエッセンスを入れること、消費者に新たな体験をもたらしたいと考えたそうです。全てにおいて、ユニークな特徴を持つブランドをデザインしました。


動きのあるフォントを使用したロゴは勢いがあり、キッズの目にも止まりやすそうに感じます。元気なレッドと、アイボリー、ピンク、ミントグリーンの組み合わせが斬新で可愛らしい印象を受けました。
ハンバーガーを包む紙のパッケージには、ロゴの周りに同じテイスト、同系色のモチーフをたくさん並べました。ファーストフード店などはショップのロゴやカラーで印象が決まってしまうので、よくあるカラーでは目立たないですよね。周りに多くいる競合他社との差別化も視野に入れて作られている素晴らしいデザインでした。
都会的なハンバーガーショップ「Brazzero」のおしゃれなパッケージデザイン

Brazzeroは都会的なエッセンスを取り入れたハンバーガーショップです。ブランディングが自分たちの表現しているものにしっくりきていないと感じていたため、Léo Tavares氏に新しいビジュアルアイデンティティの開発を依頼したそうです。
ハンバーガーショップの環境とその様々な部分からインスピレーションを得て、その環境をグラフィカルに表現するビジュアルアイデンティティを作成しました。


全体に使用した色はブラックとマスタードイエロー、そしてホワイト。都会的な印象を押したいという要望から、ポップなハンバーガーショップにありがちな、赤やイエローを避けたのでしょう。ロゴは躍動感のあるフォントを使用、背景には幾何学模様のような線のデザインがスタイリッシュな雰囲気を醸し出しますね。
黒で締まった背景からは、落ち着いたイメージや高級感が感じられます。クラフト紙との相性も抜群ですね。写真の撮り方にもこだわりを感じますし、大人の為のハンバーガー屋さんなのかなという印象を受けました。
Tavares氏の「丁寧さ」を構成する要素は「モックアップの完成度」にも表れている
Tavares氏のポートフォリオでは、デザイン単体だけでなく、モックアップ(実際の使用イメージ)の撮影・配置の完成度が非常に高いです。名刺は自然光の中で撮影され、パッケージは実際の使用場面を再現した背景に配置されている。
この「モックアップの丁寧さ」は、クライアントへの提案時に「完成後のイメージが具体的に伝わる」効果を生みます。フラットなデータを見せるだけでは「これが実物になったらどう見えるか」をクライアントが想像する必要がありますが、質の高いモックアップがあれば想像の負担がゼロになります。提案の説得力は、デザインの品質+プレゼンテーションの品質の掛け算で決まります。
2、3つ目の作例に関してはどちらもハンバーガー屋さんの作例を敢えて選んでみました。それぞれの企業のコンセプトやブランディングにあった素材、色選び、フォント選び、全てが行き届いているからこそ、同じハンバーガーのブランディングでも全く違う作品となっている所が面白いと感じました。
design : Léo Tavares(Brazil)
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