
今回はブラジルで活躍するブランドデザイナーであり、アートディレクターでもあるADD BrandingのAndré Candeloro氏についてご紹介いたします。ブランドやパッケージ、グラフィック素材の制作に力を入れているそうです。※記事掲載はデザイナーの承諾を得ています。(Thank you, ADD Branding!)
ADD Brandingの「細やかなこだわり」は「通常は気づかれない部分」にこそ宿る
ADD Brandingのデザインで「細やかなこだわり」が感じられるのは、消費者が通常は意識しない部分(パッケージの底面、箱の内側、テープの貼り方、紐の結び方)にまでデザインの判断が行き渡っているからです。
こうした「気づかれにくい部分のデザイン」は、コスト的には「省略しても誰も気にしない」ものです。しかし、気づいた消費者にとっては「ここまでやるか」という驚きと好印象を生みます。全員には届かないけれど、気づいた人には強い印象を残す。この「気づいた人だけが報われるディテール」が、ブランドのファンを作る小さな仕掛けとして機能します。
グラデーションが美しい香水ブランドのパッケージデザイン

Minwa(ミンワ)は現代のアラブ女性からインスピレーションを得た、香水とボデイクリームの新しいブランドです。アラビア語で「願い」を意味します。

日本でも耳にしますが、流れ星を見ると、願い事をするという伝統があるそうです。そのため、ブランドのシンボルやコンセプト全体に、その要素を用いてビジュアルアイデンティティを構築しています。製品にストーリーを持たせることで、この香水のラインがいかに洗練されたものであるか、誰が使うものであるのかを示しているそうです。


スッと伸びたラインは言わずもがな、流れ星を表しています。製品本体のパッケージデザインは夜空のような淡くて美しいグラデーション。真っ暗な夜空ではなく、移り変わるグラデーションを意識した落ち着いたグリーンを使用しています。箱のパッケージデザインには色の変化が美しいオーロラのような高級感のある箔押しを使用。空の色の移り変わりや箱ごとに違う色合いなどがより表現の幅を広げていますね。手元にあると気分の上がるような美しいパッケージデザインでした。
パワーみなぎるアラブ料理店のテイクアウトパッケージデザイン

Folhadinhaは、アラブ料理のお店です。他のアラブ料理とは異なり、ポップでモダンなイメージです。ブランドアイデンティティは、レバノンの文化にインスパイアされているそうです。



パッケージの放射状のデザインからみなぎるパワーが凄くて、見る人をワクワクさせますね。メインカラーの元気な青と白が活発な印象を与えています。ブランドロゴの文字も強弱をつけて小さな工夫がたくさん施してあり、個性的かつ印象的なデザインに仕上がっています。クラフト紙にブランドロゴの白の印刷が映えますね。
パッケージデザインの印象が強いので一目見ただけで「あの店だ」と分かりますね。パッケージ用のカラフルなシールも可愛いです。覚えやすく迫力があり、一度は食べてみたいと思わせてくれるパッケージデザインです。
想いの込められた自然派スキンケア製品のパッケージデザイン


GuacBeautyは、オーガニックとスパーフルーツで作られているスキンケア、ボディケア製品です。今回はロゴやブランドアイデンティティ、商品ラベル、パッケージを担当したそうです。これらを作るためにはまず、お客様のニーズや今後の展開を全て把握する必要がありました。

ブランドのアイデンティティの主なアイディアは、自然環境の有機性、その新鮮さ、そして全てがシンプルということ。この目的のためにこの生態系を表現したイラストが作成されました。対照的なロゴは、ハードなタイポグラフィで作られています。これは、このブランドが自然でありながらもその精巧さにテクノロジーと精密さを用いているからです。パワフルで生き生きとした陽気なカラーパレットとイラストを組みあ合わせることで、無数のグラフィックを生み出しています。


パッケージは、製品の処方に本質的で自然のものしかないことから、最小限の情報しかないようにデザインされました。しかし、その中には生命力が溢れる自然の力がしっかりと表現されています。ブランドの財産である「アボカド」。アボカドの芯の形をしたパッケージに、手作り感や新鮮さ、楽しさを加えるためにシールの使用を計画しました。美しくてカラフルなシールが遊び心を加えていますね。シンプルですが、コンセプトをしっかりと表現した作品となっています。
パッケージの「開封を促す設計」がブランド体験の質を左右する
ADD Brandingの事例では、パッケージの「どこから開けるか」「どう開けるか」が視覚的にガイドされています。ミシン目の位置、プルタブの色、開封の向きを示す小さなアイコン。
開封のガイドがないパッケージは、消費者が「どこから開けるんだろう」と迷い、場合によっては力任せに破ることになります。開封のガイドがあるパッケージは、消費者がスムーズに開封でき、中身が意図通りに見える状態で対面します。「開封のしやすさ」は、パッケージのビジュアル品質と同等に重要なユーザー体験の設計です。
まとめ
ADD Brandingの作例はいかがだったでしょうか。どのデザインも綿密な計画性と細やかなこだわりが感じられました。ジャンルを問わず色々な制作例がありましたが丁寧なブランディングができているからこそ、パッケージデザインもよりコンセプトに寄り添ったものができているのでしょう。他にも素敵なデザインが沢山あったので、是非ご覧になってくださいね。
design : ADD Branding (São Paulo, Brazil)
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