ウクライナを拠点に活動するフリーのグラフィックデザイナーArt Olkaさんによる【ロゴ制作におけるステップ】を3つまとめてご紹介いたします。彼女のWEBサイト ( http://artolka.com ) も是非チェックしてみてください。※記事掲載はデザイナーに許諾を得ています。(Thank you Art Olka !!)
以下翻訳内容になります。
ロゴ制作のステップ1
皆さんこんにちは。今回は私ではなく、皆さんにとって楽しい企画です。なぜかというと、皆さんからロゴデザインのチュートリアルのリクエストをたくさんいただいたからです。今日はロゴデザインのプロセスのステップ1についてお話します。では、始めましょう!
さて、今日はロゴの話です。これはプロのグラフィックデザイナーにとって最も楽しい分野の一つだと思います。まず、ロゴデザインをするにはイラストレーターが使えないといけませんよね。そもそも、ロゴとは何でしょう?ロゴは全てのビジネスのサインのようなもので、製品やサービスを表すためにはしっかりとしたロゴがあることがとても重要です。
では、ロゴは何からできているのでしょう?企業名と形、もしくはアイコンやイラストレーションなどの混合であったりしますが、それ以外にもあなたが想像しているよりたくさんあります。
そこで、私のロゴデザインプロセスを3つのステップに分けました。これらの動画では基礎的なコンセプトをお見せして、アイデアなど実際の私の仕事のプロセスをデモンストレーションしていきます。
今日はステップ1ですが、これはあなたにメールをしてロゴデザインを頼む人、つまり【クライアントから情報を得る】というとても重要なステップです。ロゴについての情報を出来る限り得ることは、プロジェクトの主なタスクを把握するのに役立ちます。
ここでは私はクライアントの要望を知りこちらに求めていることを把握するために調査書を送ります。調査書とはいわゆるプロジェクトのレジュメです。必要な情報を得る為にクライアントに質問することを恐れないでください。クライアントのウェブサイトを見てみたり、その分野について調べたりして必要な全ての情報を集めてください。良い調査書を作れば質の良いプロジェクトと期待通りの結果が生まれます。
デザイナーとしての私からのアドバイスは、例えばこのような調査書のテンプレートを持つことが重要だということです。用意しておいたテンプレートをクライアントに送れば、あなたがプロフェッショナルだということを見せる事ができますし、時間と費用の削減にもなります。ステップ1はここまです。お役に立ちましたか?
ロゴ制作のステップ2
前回の私のロゴデザインステップ1の動画では調査書やクライアントと会話をすることの重要さについてお話ししましたが、少し追加したい点があります。
私の経験から、素晴らしいロゴは明確な調査書をクライアントから受け取り、ビジネスとデザインの観点からクライアントと話し合いをすることから生まれます。クライアントにロゴを作る事に対して当事者意識を持ってもらいたいのです。
それから、ステップ1に追加したいこと・・・質問することの大切さです。あなたが疑問に思う事は全て質問しましょう。そうでないと、憶測し続けることになってしまいますからね。それからもう1つ重要な事は、聞き手に回る事です。クライアントの意見に耳を傾けましょう。
さて今日は私のロゴデザインプロセスのステップ2についてお話しします。正直言って、このステップがロゴデザインの中で私が最も好きな部分です。クリエイティブな創作者になれる、素晴らしいアイデアを表現できる機会ですからね。チュートリアルとして今回は、私が数ヶ月前に担当したあまり複雑でないロゴデザインプロジェクトをお見せしたいと思います。
クライアントはウクライナを拠点とするメディカルチャリティー団体です。クライアントからの調査書を読んで、彼女がクオリティと大胆さを表現したいことが理解できました。また、ロゴに手描き風の天使のイラストを二つ含めたいこともわかりました。では始めてみましょう。
調査書を受け取ったあとは、クライアントのビジネスについて知る為のリサーチがとても重要になります。これは企業自体や業績、ライバル企業について調べます。また、リサーチでは実際のロゴのスタイルについても注目します。例えば、似たような企業のロゴを見て評価します。
これはインスピレーションの元にもなります。テクニックについて調べ、ヘルスケアのロゴはどのようなものが良いか、なぜこのロゴが好きかなどを自分に問います。また、自分のデザインするロゴがライバル企業のものと類似しないように気をつけます。
それと、私からのアドバイスは、全て紙に描いておくことです。せっかく良いアイデアが浮かんだのに、次の日になって忘れてしまってはいけませんからね。
次はスケッチです。これはロゴデザインプロセス全体の中で私が最も好きな部分です。デザインコンセプトを発展させてスケッチすることで創造力がかき立てられ、パソコンから離れることもリサーチやデザイン調査書と同じくらい重要です。自宅ではどうしてもクリエイティブプロセスの中で立ち止まってしまうことが多く、プロジェクトに飽きてしまいがちですが、外に出てスケッチをすることはとても良いことです。ここで私のアイデアが走り回ります。
では、私のアイデアはどこから来るのでしょうか?マインドマッピンク(頭の中の思考を図などで可視化すること)は聞いた事がありますよね。キーワード、絵、円、考え、アイデア、線、その他ロゴと関連するもの全てを使います。私のアドバイスは、ブレインストーム(課題抽出)してマインドマップすることです。マインドマップより効果的なことはありませんし、アイデアはどんどん膨らんで行きます。ペンと紙を使ってアイデアを表現しましょう。
自分の創造力を使う最も効果的な方法はスケッチすることです。スケッチすることで物事が違って見えてくるときがあります。これは一人でやるようにしましょう。あなたの創造力が花開くこの瞬間はあなただけのものですから。自分だけの時間を楽しみましょう。
私はまず自分が何を作りたいかを把握してから、それをどうやって作るかを考えます。私の場合は、一般的によく言われている原則に基づいて作業をします。紙でデザインし、それからパソコンで作業します。始めからパソコンで作業をするデザイナーは多いですが、私の場合はパソコンを使うと作業が遅くなってしまいます。でも最初にスケッチをすれば、複数のコンセプトやバリエーションを作る事ができ、どれが良いものかを簡単に見る事ができます。
それと、大手企業ではパソコンのマウスを触る前に何ページ分もスケッチをすることを知っていましたか?私からのアドバイスは、ロゴデザインのコンセプトを調査書とリサーチに基づいて展開して、創造的になることです。ステップ2はここまでです。役に立ちましたか?次は、私のロゴデザインプロセスの最後のステップ、ステップ3についてお話しします。
ロゴ制作のステップ3
今日の動画では私のロゴデザインプロセスの最後のステップであるステップ3についてお話しします。新しいアイデアをパソコン上で実験するのは、紙の上で行うより少し難しいと考えているかもしれませんが、そんなに難しい事ではないので今日の動画でイラストレーターのプログラムをマスターしましょう。
しかし、始めからパソコンでロゴデザインを作成することはおすすめしません。まず紙にスケッチをしてから、パソコンで細かい部分を修正していきましょう。では、始めましょう!
基礎的なコンセプトが頭の中で決まったら、イラストレーターを使ってそのコンセプトで実験してみます。前回の動画でもお話ししたように、私にとってロゴデザインとは企業名と形やイラストの組み合わせです。ですから、まずここでは今回のロゴのイラスト部分であるハート型を描くことから始めます。イラストレーターで最も重要なツールであるペンツールを使ってハート型を描いていきます。もちろん、簡単なことではありませんが、動画が長くなってしまうので細かいところについてはお話ししません。でもプロセスを理解するのに役立つと思います。
さて、イラストレーターを使ってハートとこの2人の天使を描く事ができました。これで、ロゴのイラスト部分は終わりです。
次に、ロゴに最適なフォントを選びます。タイプツールを使うのですが、文字は企業にとってとても重要です。フォントにはそれぞれ違った歴史的背景や感情的な意味がありますので、プロフェッショナルなロゴを作成したいのならフォントの選択には十分に注意しましょう。例えば、これはメディカルチャリティー団体のロゴなのでカートゥーンのようなフォントは使えません。
そして、コンセプトについてです。グラフィック要素やロゴのイメージにこだわるデザイナーもいますが、私のようにより深い意味や視覚的なパズルのようなものを表すデザイナーもいます。この方が、ビューアーにより大きなインパクトを与えることができます。このメディカルチャリティーのロゴは、真ん中にあるハートが命と困難を表しており、その横にいる2人の天使が愛と希望を持ってそれを支えてくれている様子を表しています。
自分の好みに合わせて色を選ぶデザイナーが多いようですが、色はとても大きな印象と感情的な意味を持っています。今回のクライアントは大胆なロゴを求めています。命や医療を表す代表的な色は赤ですのでこのロゴに合っています。赤は愛や情熱を表す色でもあり、白とグレーとのバランスも取れています。グレーはバランスとクオリティを表す色であり、全体的なカラーパレットは自信に溢れるライフメディカルを表しています。
休憩を取ることはデザインをするのと同じくらい重要なことです。ずっと作業をしていると創造力が低下したりプロジェクトに飽きてしまったりするので、たまには外に出て脳内でデザインを熟成させましょう。そうすれば、プロジェクトの作業に戻る時に考えがフレッシュになりますし、様々な問題からのフィードバックをするのにも適しています。
次に、クライアントに作品をプレゼンテーションしなければなりません。ロゴの様々なバリエーションを見せるか、いくつか選んだものだけを見せるかを決めます。私は個人的に2つか3つの最も良いものを見せるようにしています。これが私の発表したデザインです。先ほどからお見せしているハートのロゴがクライアントに承諾されたものです。
クライアントにデザインが承諾されたら、お茶を飲んだりチョコレートケーキを食べたりしてお祝いをします。次のロゴデザインのプロジェクトがあるときはお祝いする時間がない時もありますが。
私のロゴデザインプロセスの3つのステップについてご紹介しました。持続的でプロフェッショナルなロゴをデザインする難しくないステップでした。視聴者の皆さんが知っているプロフェッショナルなロゴの作り方やツール、アドバイスなどがありましたら教えてください。ご視聴ありがとうございました。では!
Designer : Art Olka (Ukraine)
・この記事は制作者に許諾を得て掲載しています。
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