シンプルな和風スタイルが品質の高さを物語る鰹出汁のパッケージデザイン。
勢いのある筆文字でデザインした商品名とディテールまで書き込まれたリアルなカツオのイラスト。判で押したような『極汁』の文字がアクセントになり、シンプルながら丁寧に作りこまれたデザインが商品の品質の高さを代弁しています。
パッケージデザインは消費者との重要接点
パッケージデザインは、消費者が商品を購入するまでの工程の最終関門。いかに好印象にニーズに応えられるかが成否の分かれ目です。
シンプルな和風デザインで「職人気質」の表現
味のある筆文字は品質へのこだわりを感じさせ、カツオのイラストは良質の原材料をイメージさせます。華美な装飾は多用せず、シンプルなデザインで仕上げることで、職人気質で実直な製品づくりを表現しました。
※このデザインはサンプル作例です。広告イメージは実際の団体・組織・人名とは関係ありません。
食品パッケージデザインで「品質の高さ」を訴求するためのポイント
食品パッケージのデザインにおいて、その商品の「品質の高さ」を訴求するためには「シンプルさ」が重要なキーワードになります。
製品パッケージと消費者心理 -「シンプルさ」のインパクト
食品は口から直接人体に取り込むものです。装飾が過度なパッケージの場合、添加物や着色料といった化学調味料を多く使って作られているというイメージが働く可能性もあるため、パッケージデザインでは「シンプルさ」が1つのキーワードになります。
デザイン実例の考察 – シンプルさと品質感のバランス
作例の食品パッケージデザインでは「シンプルさ」をベースに制作いたしました。シンプルなデザインでありながらも品質の高さを視覚的に認知してもらうために、いくつかのデザインテクニックを使用しています。
品質を訴求するためのデザインのポイント
こちらの作成例で使用したデザインのポイントは3つです。
- クリーンなデザイン構成
- ディティールにこだわる
- テスト結果や認証マークといった信頼性を担保できるアイコン・テキストの表示
パッケージデザインで高い品質を訴求するためのデザインのポイントについて、お話ししていきたいと思います。
クリーンなデザイン
品質の高さを表現するためには、パッケージ全体の構成をシンプルかつ洗練されたデザインにすることが効果的です。無駄のないデザインが商品そのものの良さを訴求してくれるでしょう。
シンプルなデザインの価値再評価
シンプルなデザインは「パッケージコスト削減」といったマイナスな印象を持たれがちです。ですが近年では、無印良品やユニクロといった「シンプルライフ」をブランディングにしている企業も増え、一概に「シンプル=パッケージコスト削減」と認識されることも少なくなってきました。逆にシンプルなパッケージが高い品質であることをアピールするようなトレンドになっていることも事実です。
パッケージから読み取る商品の特性
作例では、白地のパッケージに商品名のテキストと素材であるカツオ。商品の特長をパッケージ表面の外枠に配置するシンプルな構成にしています。色もカツオの青をベースに白と赤というシンプルな色彩構成にしました。
パッケージを目にしたユーザーの知的好奇心を刺激するような構成がポイントです。ユーザーが商品を手に取った際に、集中して情報収集がしやすいようにパッケージに表示させるテキストをチョイスしました。
パッケージ素材とイメージ – クリーンな印象の強化
パッケージの素材に光沢のあるものを使うことで、クリーンなイメージをより強固にしてくれるでしょう。テキストやイラストだけではなく、全体のデザイン構成からコンセプトを反映させることでご依頼者様が伝えたい情報を訴求することができます。
ディティールにこだわる
シンプルでクリーンなデザインだからこそ、テキストやイラストのディティールにはこだわるべきでしょう。シンプルなパッケージの場合、ユーザーは細部まで観察するものです。細部までこだわってデザインすることで、商品のこだわりや品質の高さを訴求できます。
商品タイトルデザインと画像
ディティールの中でもとくに重要なのが「商品タイトルデザイン」と「画像」です。インパクトのあるタイトルや画像はユーザーの目をひきつけやすくなります。シンプルなゴシック体やPOP体の場合、品質の高さを訴求するというベクトルとは別の方向にユーザーの興味をひきつけてしまうこともあるでしょう。
手書き風の筆字フォント
インパクトがあり、ディティールにこだわったタイトルロゴという部分では「手書き風の筆字フォント」が効果的です。商品素材が日本国内のものならば、なおさら効果的ではないでしょうか。
筆字フォントの効果的な使用
作例では「鰹出汁」という商品名を筆字フォントで表示しています。シンプルな白地にダイナミックな筆字がインパクトを与えてくれます。鰹出汁の原材料である「鰹」といえば、徳島県の一本釣り漁が有名です。筋骨隆々な漁師たちが巨大な鰹を釣り竿一本で釣りあげる姿は、ユーザーの深層心理に深く刻み込まれているでしょう。
ダイナミックな筆字フォントを使うことで、鰹の一本釣り漁をイメージさせ、さらに新鮮な鰹=高い品質の素材という部分も訴求しました。
テスト結果や認証マークといった信頼性を担保できるアイコン・テキストの表示
食品パッケージのデザインで高い品質を訴求する場合、テスト結果や認証マークといったアイコンを取り入れる手法が効果的です。たとえば、消費者製品の場合は、耐久性や安全性などのテスト結果を表示することができますし、健康食品であれば特定保健用食品であれば認証マークを表示させられます。
信頼性と信ぴょう性の心理効果
マーケティングなどで使われる心理的なテクニックの中に「ウインザー効果」というものがあります。ウインザー効果とは、口コミやレビューといった第三者からの間接的な情報によって、その商品やサービスの信頼性や信ぴょう性が高まる心理効果のことです。
第三者からの「お墨付き」のデザイン活用
テスト結果や認証マークは販売者ではなく、消費者や行政といった第三者が与えてくれる「お墨付き」のようなものです。ウインザー効果にもつながるため、テストを行っていたり、認証を受けていたりする場合は積極的にデザインに取り入れるとよいでしょう。
信頼性の訴求とデザインを邪魔しない造り
作例はサンプルのため、ウインザー効果という部分のデザインは入れていませんが、パッケージのどの部分に入れてもデザインを邪魔しないような造りにしています。例えば、化学調味料・保存料不使用や鹿児島県産といった商品の特長を訴求するテキスト周辺に入れることで、よりウインザー効果が高められるでしょう。
高い品質を訴求するために使える情報を効果的にデザインに使うことで、より消費者に安心や安全をアピールすることができるでしょう。
制作パッケージデザインに対する感想
VOICE ※第三者による感想です
白地にシンプルなデザインが映えるパッケージデザイン
食欲をそそる藍色と筆文字の組み合わせがGood
清々しい白い背景に、勢いのある筆文字風のフォント、そして上下に引かれた日本の電灯色、藍色。カラフルさはありませんが、不思議と食欲がわいてくるデザインです。筆文字風のフォントは柔らかいタッチで、出汁の深い味わいがイメージできます。シンプルな佇まいが、販売元の誠実な姿勢や商品に対する自信を体現しているようにも見えてきますね。白い余白を広めに取ることで、藍色がキリリと全体を引き締めているように感じられます。
リアルなカツオの姿に「本格派」を感じて
パッケージの下部にあしらわれているカツオは、特徴的な模様からしっかりとした口、ひれ、までリアルに描かれています。このリアリティが、商品が本格派であることを伝え、カツオの旨みをぎゅっと凝縮している様子がイメージしやすくしているようです。藍色、黒色、朱色と色味を落ち着いた日本の伝統的カラーにおさえていることで、カツオの造形美が強調されていますね。
伝統と品質〜鰹節出汁パックのデザイン
シンプルながらも力強いラベルデザインは、その製品の質への確固たる自信を表現しています。
・筆で描いたような商品名の魅力
商品名は力強い筆文字で書かれており、その独特なテクスチャーは、日本の伝統と職人技に対する敬意を感じさせます。また、文字の線が見せるダイナミックなムーブメントは、その製品の濃厚な味わいを暗示しています。
・静寂の美〜カラースキーム
全体の配色は、清潔で落ち着いた白を基調とし、青と黒でアクセントを加えています。その結果、シンプルながらも洗練された印象を与え、食品としての信頼性を高めています。
・詳細へのこだわり〜カツオのイラスト
ラベルの一部として描かれたカツオのイラスト素材は、詳細まで丁寧に描き込まれています。そのリアリスティックな描写は、製品の品質へのこだわりを強く示し、消費者に対してその製品が高品質なものであることを保証しているのではないでしょうか。
このラベルデザインは、伝統的な色彩と筆文字の組み合わせ、さらにリアルなカツオのイラストによって、商品の品質とその製造元の誠実さを体現しています。また、シンプルでありながらも各要素が調和したデザインは、消費者の目を引き、製品への信頼を生み出すのに一役買っていると言えそうです。
※掲載デザインサンプルのモックアップはイメージです。実際の製品・パッケージと仕上がりが異なる場合がございます。