


充実した内容を余さず記録して色で読みやすくまとめました。
活動の報告とお礼を兼ねたパンフレットということで、膨大なテキストをどのように読みやすくまとめるかという点に配慮しました。結果として表紙は大きな写真やイラストを使うのではなく、活動のポスターや県のキャラクターなどをあしらって、「いきなり本題に入る」という構成でレイアウトしています。一般的なパンフレットのようなイメージ訴求ではなく、活動報告書としての実直さと情報量を重視した姿勢を打ち出しています。
活動報告の効果的なレイアウト
サンクスレポートを受け取る人は、団体についてよく知っている方が多数なので、余白を取るよりも実際の活動をもれなく記載することがサンクスレポートの本来の目的に沿っていると判断しました。ウラ表紙にはお礼の言葉を載せて、表紙から中面にかけては、ずらりと活動報告を掲載しています。この構成により、ご支援いただいた方々が、ご自身の関わった活動の成果を具体的に確認しやすいように配慮しました。
読みやすさを重視した写真の配置
見出しのフレームや色分けをして、トピックごとに読みやすくまとめることを意識しました。また、写真はあちこちに掲載するのではなく、段落ごとに右下掲載とフォーマットを定めることで読みやすい流れを作っています。明るい印象のオレンジ色や黄色を主なカラーとして用いました。この写真配置のルール化は、情報量が多くても視線が迷わず、全体が雑然とした印象になるのを防ぐ効果があります。基調となる暖色系のカラーは、活動の「熱意」や「温かさ」を表現する役割も担っています。



カラフルなフォーマルデザインで膨大なテキストを見やすく配置
ポスターやチラシと違い、膨大なテキスト量をもれなく掲載するレポートデザインは「見やすさ」が重要なキーワードになります。ただでさえ膨大なテキストは読み解くのにエネルギーを費やします。一度で多くの情報をインプットして理解することは、読み慣れていないと難しいでしょう。そこで当サービスが今回のレポートデザインで意識したのは「カジュアル&フォーマルで見やすいレポート」です。
カジュアルなパステルカラーの効果
カジュアルの要素として採用したのは多数のパステルカラーを使う手法です。複数のパステルカラーを取り入れることで、デザイン全体に柔らかく明るい印象が生まれ、沢山の活字への抵抗感を減らし、視認性を向上させます。カラフルなパステルカラーはビビッドな複数の色の組み合わせに比べ、お互いに調和がとれ、デザインに視覚的な優しさをもたらす効果もあります。
テキストの視認性を高めるデザインテクニック
パステルカラーは幅広い用途に適しており、異なるコンセプトや雰囲気に対応できるため、テキスト量の多いレポートには最適なカラー構成と言えるでしょう。
また、テキストブロックの背景にパステルカラーを使い、黒文字のテキストの視認性アップも狙いました。テキストフォントの視認性は「背景色と文字色のコントラスト」で決まります。白地に黒文字がもっとも見慣れているコントラストの組み合わせですが、パステルカラー(作例ではパステルイエローと黒文字)と黒文字のコントラストもテキストの視認性の邪魔にはなりません。
フォーマルなレイアウトで情報を整理
「フォーマルで見やすいレポート」の部分はテキストコンテンツをブロックごとに分け、そのブロックのグリッドを整列させた点です。紙面の左から右まで視線を動かしてテキストを読むことは、活字の本を読むよりも大変な作業です。そのため、視線導線を最小限にしたうえでテキスト内容を伝えるために、コンテンツを細かく割って、整列させる手法を採用しました。
読みやすさを考慮したデザインの工夫
カジュアル&フォーマルというコンセプトを踏まえ、ある程度空白の部分や縁をぼかした丸いアイコンなどを取り入れ、圧迫感を軽減させたのもポイントです。Webページでも大量のテキストはページの離脱率を高めてしまいます。大量のテキストというデメリットをいかにポジティブなデザイン要素として昇華するかが今回のデザインの課題でした。
制作パンフレットデザインに対する感想
VOICE ※第三者による感想です
カラーを巧みに使ってテキストを読みやすくまとめたデザイン
膨大な文字量を異なる背景色で読みやすく
サンクスレポートは、活動報告書を兼ねているのでどうしても文字量が多くなってしまいます。こちらのレイアウトでは、背景色をページごとに変えたり、見出しにカラフルなフレームを使ったりしてい、膨大なテキストを読みやすくさばいてくれたように感じます。テキストの文字サイズは小さめですが、段落やトピックごとにフレーム分けされているので、一つ一つの事柄が読みやすくまとまっています。また、写真のレイアウトもすっきりしている印象で、普段活字を読み慣れていないという人にも読みやすいように感じました。オレンジ色がテーマカラーというのも、元気なイメージで嬉しいです。
ポスターの掲載で活動内容が分かりやすい
表紙には、活動に使用したポスターを縮小したものが掲載されていて、実際の活動実態がよく分かるのが素晴らしいと思います。ウラ表紙のお礼欄は、オレンジのみをカラーにしたモノトーンでフォーマルな印象になっているのもポイントですね。カラフルな紙面は読みやすいですが、ただ楽しい印象だけを出すのは印刷物の趣旨とは異なると思いますので、こうしたフォーマルなページを入れていただいて良かったです。
報告書デザインにおける「情報量」と「信頼性」の両立

※画像はイメージです
このパンフレットは、一般的なサービス案内やブランディング目的のものとは少し毛色が異なります。これは活動を支援してくださった方々へ「ありがとう」の気持ちと、「ご支援がこのように実を結びました」という具体的な成果を伝えるための「サンクスレポート」です。こうした報告書タイプの冊子をデザインする際、いつも大きなテーマとなるのが「情報量」と「読みやすさ」のバランスです。
「余白」よりも「情報」を選ぶ理由
通常のパンフレットデザインでは、読者の興味を引きつけるために、大きな写真やキャッチコピーを使い、あえて「余白」を効果的に配置することがよくあります。これは、伝えたいメッセージを際立たせ、洗練されたイメージを与えるためのテクニックです。
しかし、今回のサンクスレポートでは、その逆のアプローチが取られています。表紙から中面に至るまで、テキストや写真がぎっしりと詰まっています。これはなぜでしょうか?
答えは、読者(支援者)が求めているものの違いにあります。
支援者の方々が最も知りたいのは、抽象的なイメージやスローガンよりも、「自分たちの支援が、具体的にどのような活動に使われ、どんな成果につながったのか」という「事実(ファクト)」です。
活動の詳細を余すところなく記載することは、一見すると読みにくさにつながるかもしれません。しかし、それ以上に「活動の透明性」や「支援に対する誠実な姿勢」を伝えるという、報告書として最も重要な「信頼性」の担保につながります。
この事例では、あえて情報量を優先し、「すべてを報告する」という実直な姿勢をデザインの核としています。
膨大な情報を「読ませる」ためのデザイン技術
とはいえ、ただ情報を詰め込むだけでは、読者は途中で疲れてしまいます。情報量が多いからこそ、それを整理し、読者の「読む負担」をいかに軽減するかがデザイナーの腕の見せ所です。このレポートでは、いくつかの専門的な手法が使われています。
カラーコーディングによる情報の「かたまり化」
画像を見ると、セクションごとに「オレンジ」「青」「緑」といった基調色が明確に分けられているのがわかります。これは単なる彩りではなく、情報設計の手法です。
人間は、色によって情報を無意識に分類する特性があります。例えば、「オレンジ色の見出しは企業の事例紹介」「緑色の見出しは参加者の声」といったルールが紙面全体で統一されていると、読者は膨大なテキストの中からでも、「今、自分はどのトピックを読んでいるのか」を直感的に把握できます。
情報が意味のある「かたまり」として認識されるため、脳の処理負担が減り、結果として読み進めやすくなるのです。また、既に上記の紹介でもあるように、オレンジや黄色といった暖色系の色は、報告書特有の堅苦しさを和らげ、活動の「熱意」や支援への「温かさ」といった感情的な側面を伝えるのにも役立っています。
グリッドとフォーマット化による「予測可能性」
情報量が多い冊子で最も読者を疲れさせる要因の一つが、「視線の迷い」です。ページごとにレイアウトがバラバラだと、読者は次にどこを読めばよいか、その都度探さなければなりません。この事例では、既に触れられている「写真配置のルール化」のように、厳格なグリッドシステムに基づいてレイアウトの「フォーマット(型)」が決められています。
- 見出しはこの位置
- 本文はこの範囲
- 写真はこのサイズでこの場所
このようにレイアウトをフォーマット化する最大のメリットは、読者に「予測可能性」を提供できることです。
最初の数ページで「このパターンで情報が続くのだな」と学習すれば、あとはリラックスしてリズムよく読み進めることができます。視線が迷わないため、ストレスが少なく、最後まで読んでもらいやすくなります。
サンクスレポートや活動報告書のデザインは、単なる美しさやインパクトを競うものではありません。その活動を支えてくれた人々に対し、いかに誠実に、そして具体的に成果を報告できるか。その「信頼関係」を紙面上でどう構築するかが問われます。
情報量をあえて隠さず、すべてを提示する「実直さ」。そして、その膨大な情報を「読ませる」ために、カラーコーディングやグリッドシステムといったデザイン技術を駆使して「読みやすさ」を担保する。この両輪が揃って初めて、支援者の期待に応える「伝わる」サンクスレポートが完成すると言えるでしょう。
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