デジタルマーケティングについて10年以上のキャリアを持つ Michael Loscalzo 氏。彼は自身の看板と言えるパーソナルロゴを定期的にリデザインしています。今回はMichael氏がどのような思考でロゴデザインのリニューアルを進めていくのかを、彼の執筆した記事「ケーススタディ:パーソナルロゴデザイン」からご紹介したいと思います。
原文 : “Case Study: Personal Logo Design”
以下翻訳内容です。※翻訳・掲載は記事製作者の許諾を得ています。(Thank you, Michael ! )
ケーススタディ:パーソナルロゴデザイン
私は定期的に自分のポートフォリオのサイトに載せているロゴをリデザインするようにしています。今回は最近新しくしたロゴデザインの詳細をご説明したいと思います。
課題
私はものづくりが大好きです。お気に入りのプロジェクトを展示している自身のポートフォリオサイト( billythespacekid.com )を手入れし続けています。ポートフォリオサイトのロゴは自分の能力を試すことになり、パーソナルブランドを構築することに役立ちます。私はスキル向上のために定期的にロゴをアップデートしていますが、これは自分の現在の能力を正確に表現するために必要な事なのです。加えて、私自身がその作業を本当に楽しんでいます。
過去のロゴデザインたち
このロゴは2つの目的を兼ねています。1つは架空の人物である「ビリー」を象徴するため、2つ目はサイトを訪れた方に私と私の作品への第一印象を与えるためです。さあ、2017年ですので、リニューアルをはじめましょう。
ビリー・ザ・スペースキッドとはいったい誰?
私が大学生の時、歴史上でもっとも悪名高い無法者「ビリー・ザ・キッド」と誕生日を過ごしたという事実を発見しました(多分)。その発見が「ビリー・ザ・キッド」という人物を “冒険好きでやんちゃな子供で、危険な犯罪者がたくさんいる惑星に取り残された子供” という解釈で改めて考えるきっかけになりました。
過去のビリー・ザ・スペースキッドの進化
大学を卒業した後、「ビリー・ザ・スペースキッド」は私のポートフォリオサイトのマスコットとして活動するようになりました。私にとってビリーは自身の創造性と好奇心を体現する存在になっています。
マスコットのデザイン
私はこれまでもビリーのロゴをマスコットとして表現してきました。私はロゴのデザインから引いてみたり足してみたり、1色のシンプルなデザインを改良しながら、全体的にアイコンの表現を改善したいと思っていました。 先ほど述べたように、ロゴは私の作品と架空の人物「ビリー・ザ・スペースキッド」を表現します。これら2つの事は完璧に合致する必要はありません。私が伝えたいことは、私が多彩な技術を持つ熟達したプロフェッショナルであるということです。人によっては、アニメ調のマスコットキャラクターを見て、ブランドのガイドラインに合う仕事が出来ない人として見ることもあるかもしれません。私は、自分の創造性とプロフェッショナリズムのバランスを、見込み客に感じさせるようなロゴを作りたいと思いました。
「ビリー・ザ・スペースキッド」の性格
•Adaptable ✔ 順応性がある
•Adventurous ✔ 冒険好き
•Confident ✔ 自信家
•Fun-loving ✔ 陽気
•Mischievous ✘ やんちゃ
•Optimistic ✔ 楽観的
•Pugnacious ✘ 好戦的
マイケル・ロスカルゴ(自分)の性格
•Creative ✔ 創造的
•Experienced ✔ 経験豊富
•Passionate about my work ✔ 自分の仕事に情熱的
•Professional ✔ プロフェッショナル
•Reliable ✔ 信頼できる
•Versatile ✔ 多才
私はこれらを考慮しながら、様々なレベルで表情のあるアイコンを何度も繰り返し作成しました。
最終的に楽しく笑っているビリーの画像を採用しました。なぜなら、その表情こそが私が何かを作り上げたときに感じる満足感を映し出した鏡だったからです。
私のチョイスは正しかったと思いますか?
ビリー・ザ・スペースキッドのマスコット最新決定案
ロゴタイプ(ワードマーク)
アイコン作成に取り組んでいる間、私は同時にロゴタイプのラフデザインにも取り組みました。当然マスコットとテキストの相乗効果を持たせることも重要なことです。私は類のないユニークな結果のために、オリジナルのロゴタイプを創作したかったのです。「ビリー・ザ・スペースキッド」というワードは、少し長く覚えにくいかもしれません。たとえば成功しているたくさんの組織が良い例ですが、短い名前やイニシャルなどを選ぶのです。ブランド名を「ビリー・ザ・スペースキッド」にすることは、それらのセオリーに対する挑戦なのです。
理想としては、見る人の目の動きが自然にデザインを見ることができ、且つそれが読んでほしいテキストとマッチすることが良いと思っています。文字の構造と字体はロゴマークの読み方に繊細な影響を与えます。私の考えるプロセスは下記の通りとなります。
右2つの活用法がよりよい構造の例であり、目の動き・字体を含めて良いと感じました。
ロゴタイプに与えたい特徴
・ダイナミック/ムーブメント
・「未来型」
・字体のバランス
「新ビリー」作成のために長方形の傾いた処理を加えていた時、良いイメージへの手応えを感じたので、そのまま残りの文字も完成させました。その後ちょっと構成をいじり、さらに手を加えてみました。
初期ロゴタイプの完成形
しかし両方のエレメントが形になりはじめ、構成がクリアになってくると、円形状のマスコットとキツイ角度の字形はコントラストとしては不釣り合いだということが分かりました。
ロゴタイプのシャープで鋭角な要素は、マスコットの丸みをもつ要素とは合ってはいなかったのです。
ここまでの進歩にかなり満足していました。だからこそ、ロゴタイプの調整と組み合わせの改善には努力を怠りたくなかったのです。字体の一部を丸めたり、「THE」のサイズを小さくしたりすることから始めました。
丸みの要素を加えた制作例
私はグリッドを使用することでロゴタイプをきれいに保ち、実現したかった幾何学的外観を表現しました。
カスタムグリッドによるロゴタイプデザイン
少しだけ線を引いたりいろいろトライした後、いよいよロゴタイプは最終準備がOKとなりました。
最終ロゴタイプ
コンビネーションマーク
2つの要素が相乗効果を増していき、それに沿ってコンビネーションマークは簡単に出来上がります。多くのアレンジメントと下記のようなバリエーションを試しました。
たくさんの初期段階バリエーション
最後に決まったマーク
ロゴの色について
ロゴの色を選ぶことは驚くほど難しいことでした。
追加のカラーオプション
最終的に私は紫を選びました。意見はまちまちですが、人によっては紫という色は創造性・イマジネーションそして知恵を伝えるものであると感じるようです。
私は違う色を選ぶべきだったと思いますか?
パーソナルブランドの構築について
自分の新しいロゴができたことにとても興奮しています。しかしロゴというものは、すべてのブランドにおいてとても小さな要素になります。
「記憶に残るロゴは重要です。それは効果的なブランディングの道を開きます。しかし、ブランドはそのロゴ以上でなければなりません。ただの視覚的なアイデンティティ以上のものです。ブランドとは、どのようなレベルであろうとあなたの会社と一緒に仕事したときに、相手の人が感じたことや見たこと・味わったことを背後にうまれる感情なのです。」— fatrabbit creative
最近私はネハ・バトラによって書かれた情報誌を読んだのですが、内容は「もしあなたが近代的なものを開発できる人であれば、個人ブランドを構築することが大変価値があることだ」と強調しているものでした。私が見込み客に出会う前に、彼らはすでにオンラインで私をリサーチしています。そのデジタルプレゼンス(デジタル状の存在感)が、私がユニークなビジョンと多彩な技術をもつ経験豊富なクリエーターであることを伝えてほしいと願っています。
SNSのデザイン
新しいロゴの入ったマーケティングアイテム
次のステップ
アップデートされたWEBサイトが間もなく完成します。私は新しいロゴを披露し、直近のプロジェクトを共有したいと思っております。
また、全く動きのないロゴは時代遅れになりつつあります。(これについてはdesign shackの記事をお読みください。)ですので、もっとアニメーションやインタラクティブな要素をロゴデザインに加える予定です。
お読みいただきありがとうございました。もしこの記事を読んで気に入っていただけたら、是非私のツイッターをフォローしてくださいね。
created by Michael Loscalzo
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