「好き」や「嫌い」といった色に対する感情は、それぞれが過ごしてきた環境や記憶、経験によって個人差があります。しかしながら、暖色系の色を見て感じる高揚感や、寒色系の色を見て感じる落ち着きなど、私たちは同じ空の下に生まれた人類として、ある程度共通した色に対するイメージを持っていると考えられています。
そんな色の中でも暖色ながら不思議な穏やかさを持っている「ピンク」。
胎児だった頃、母親の胎内で見ていた子宮の色とよく重ねられ、見ているだけで心を穏やかにし、包み込まれるような多幸感を覚えます。精神的な効果としては、男女の性差なくイライラや攻撃性を抑えて気持ちを穏やかにし、対人関係をスムーズに運びやすくするという利点があります。また、「赤」が持つ激しく情熱的な愛のイメージに対し、ピンクは優しく慈しみのある献身的な愛や、甘くせつないロマンティックな恋のイメージを持っています。
「ピンク」のイメージワード
●可愛い ●甘い ●母性 ●優しさ ●慈しみ ●幸福 ●春 ●桜 ●桃 ●恋 ●サンゴ ●赤ちゃん ●少女 ●ロマンス ●スイーツ ●やわらかい ●純愛 ●繊細
「ピンク」の心理的効果
・やさしく穏やかな気持ちになる
・包み込むような幸福感を引き出す色
・心身ともに若返るようなアンチエイジングカラー
色味や濃さによって変わる「ピンク」のイメージ
明るいピンク
やわらかい・穏やかな・ロマンティック・思いやり・春らしい・恋・デリケート・スイート・キュート・ピュア
ビビッドなピンク
ファッショナブル・エネルギッシュ・トレンド・派手・華やか・若者・洗練・都会的
くすんだピンク
ノスタルジック・お洒落・くつろぎ・大人かわいい・ソフト・レトロ
サーモンピンク
優しい・落ち着いた・ぬくもり・母性・無償の愛・繊細
「ピンク」をデザインに取り入れるポイント
日本では桃の花の色をあてはめて「桃色」と呼ぶ場合もあります。ピンクは日本国内でも古くから愛されており、平安時代には「今様色」と呼ばれた赤みがかったピンクが流行していたそうです。ピンクは他にも、「淡紅色」や「石竹色」などの和名をもった色味もあり、和のデザインの中でも重要な役割をもちます。
ピンクは一般的には、甘くて可愛い色というイメージが強くありますが、その明度や彩度、色味によってイメージに幅がある色とも言えます。
明度が高く彩度が低いベイビーピンクは透明感のあるやさしいイメージを抱かせますが、明度も彩度も高くやや青みがかったショッキングピンクは、毒々しささえ感じるような派手なイメージを持っています。
ピンクは化粧品やファッション、美容などに関係するジャンルと相性が良く、ピンク=女性の色というイメージが根強くありましたが、多様性が重んじられる現代では徐々にその感覚は感性の中の一つという位置づけに変わり、より自由なイメージへと変化してきています。これまでのイメージに加え、和風やカルチャー、スポーツなど多彩なジャンルにマッチするピンクを使い、デザインの幅を広げていきたいですね。
※色が与える印象や影響には個人差があり、国や環境・文化背景などによっては持つ意味や受け取るメッセージが異なる場合もあります。
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