質の良さを予感させる高級感のあるヘアケア製品のパッケージデザインです。
深みのある赤のボトルと凛とした清潔感のある白い外箱。シャンプーはシルバー、トリートメントはゴールドと、カラーを使い分けてボトルと外箱共通のデザインを制作しました。
「成長」を意味する品名を、ラインの太さにメリハリをつけた美しいプロポーションの書体でデザインし、上下をしなやかなリボンで描いた装飾で挟みました。美しいラインの重なりは、豊かで美しい毛髪を想起させ、発毛促進効果を持つヘアケア製品であることを意識してデザインしています。
品名の下には、植物柄をモチーフにした飾りを上下に置いてシャンプーとサプリメントの表記を入れ、その下に有効成分の含有量や英語で表記したコピーを十分なスペースを確保しながら配置しました。
余白をもたせ縦に長く配置したレイアウトは、余裕と気品を感じさせます。品格あるブランドイメージを余裕のあるパッケージデザインで表現しました。
赤い色のパッケージデザインの効果について
現在では、売上やブランド認知度を高めるためのマーケティング戦術として、色が使われています。赤は情熱の色であり、赤いパッケージの商品はよく売れる傾向にあるという調査事例も存在しています。
心理的に好ましい色であることに加えて、赤いパッケージは消費者の感情を刺激することができます。言い換えれば、このタイプのデザインは、外見だけでなく中身にもワクワク感を与えることができると言えます。
パッケージデザインの制作で意識したい「顧客体験を高めること」
化粧品や香水などのパッケージに見られるデザインの特徴として「外箱と中身のパッケージデザインのギャップ」が挙げられます。あえてシンプルな外箱にしつつ、中身を開けた瞬間に驚きと期待感を与えられる手法が「ギャップ」です。
「ギャップ」を生み出すことで得られる「顧客体験」
派手な外箱に対してシンプルなデザインの中身もギャップが起こりますが、どちらかというと外は派手、中はシンプルという組み合わせが多いでしょう。このギャップがもたらす効果は「顧客体験」です。顧客体験は顧客が商品を手に取ってから実際に使用するまでの期間中に、感じたことや得られた体験のことを指します。
高い顧客体験は商品のファンとなってヘビーユーザー、ロイヤルカスタマーへと昇華します。ロイヤルカスタマーが増えることで売り上げを伸ばし、ブランディング力も高められるでしょう。デザインに「ギャップ」を生み出すために重要なのが「パッケージ全体のデザイン構成」です。
デザイン構成が生み出す「アウトプット」
デザインに限らず、文章や動画などには必ず「構成」があります。起承転結や序破急といったストーリーの流れが「構成」です。デザインに置ける構成力とは、制作したパッケージから顧客がどう考えて行動するかまでの流れを考えることです。
作例のデザイン構成を振り返ってみましょう。シンプルな外箱にシルバーとゴールドの書体。見るからに高級感や特別感に溢れています。そして中身は対照的に真っ赤なボトルです。シンプルな外箱から消費者の感情を刺激する赤が現れることで「ギャップ」が生み出されます。
制作パッケージデザインに対する感想
VOICE
健康美をイメージさせるしなやかなパッケージデザイン
健康的なセクシーさのあるデザイン
深みのある赤い色のボトルは、中央がややくびれた優美なボトルの形状とあいまって、エレガントな雰囲気。ロゴを囲むモチーフも曲線が特徴的で、上品さとセクシーさがバランスよく伝わってきます。ボトルの蓋部分と紙パッケージが白色なので、赤い色のヘルシーさやポジティブな雰囲気がよりアップしているように感じられますね。
繊細な化粧箱デザインは高級感あり
化粧箱は、ヨーロピアンな風合いを感じさせる繊細なパッケージデザインです。清潔感と高級感があって、ヘアケア用品に対する期待を高めてくれますね。余白を多く取ったゆとりのあるレイアウトなので、シルバーとゴールドのきらめきが美しく感じられます。余白を取った白いシンプルなパッケージから赤い色のボトルを出す時のワクワクした気持ちを想像すると、楽しくなってきます。ボトルのメインカラーである赤い色のインパクトを高めてくれる化粧箱デザインですね。用いられているのは赤、白、シルバー、ゴールドと強い色ばかりですが、絶妙なバランスで均衡を保っています。
VOICE
意外性のある箱とボトルの配色から特別感を得られそう
華やかさがありながらも、どこかエレガントな色合いに。まるでラグジュアリーホテルにあるヘア用品のようです。くびれをもたせた滑らかなボトルの曲線は、オブジェのように美しく。安定感を持たせつつ、使用時には手に取りやすそうとも感じました。水や湿気で滑りやすい浴室でも、安心して使えそうです。描かれている装飾やアルファベットはボトルに良く似合い、ベースの色や滑らかな形を邪魔しません。全体の雰囲気がマッチすることで、満足感が高まるデザインに仕上がっています。あえてブランド名を強く主張せず、全体のイメージを損ねないよう配慮されている点が喜ばれると思いました。
ボトルとは対照的に、箱はシンプルな白を基調としたデザインに。明るい白に映えるシルバーやゴールドで同じ装飾をあしらいながらも、ボトルとは異なる印象を与えています。ボトルよりも文字が際立つため、ブランド名や成分などがより理解しやすいでしょう。輝くような白い箱から深みのある赤いボトルが出てくる意外性に、きっと驚いてしまう方も多いかと思います。自分用に購入したとしても、箱から取り出した際にはギフトのような特別感が得られそうです。
※掲載デザインサンプルのモックアップはイメージです。実際の製品・パッケージと仕上がりが異なる場合がございます。