
かつては数十億規模の企業の分野であったブランディングは、今や個人と小企業が競争で目立つために取り入れられています。効果的なブランドを展開するには、製作と展開のどちらにも時間と忍耐力が必要です。ブランドは一晩でできるものではないからです。綿密に計画し、維持し、しっかりとケアされてこそブランドと言えます。ブランドには、そういったエネルギーを費やす価値があるのです。
ブランドとはそもそも何か
簡単に言うと、ブランドとは経営・商品・または個人の「世間体」であると言えます。

ブランドとは、評判であり、約束です。ブランドが一貫して伝えられれば、消費者の物の見方と期待を形作ることが出来ます。良いブランドは、それが表現するものの個性が誉め称えられ、価値に名誉があり、気持ちを具体化しているものです。
ブランディング戦略の目標は簡潔です。
人をひきつけるような、一貫した分かりやすいメッセージを伝えることです。良いブランドは、現在の顧客、将来的なパトロン、誤解を抱く人々を含む、多くの人たちに語りかけることができるメッセージを含んでいます。しかも、短く、簡潔に伝えられなければいけません。
ロゴマークの制作

ブランディング戦略を展開する際の重要な部分は強いロゴを作ることです。ただ、ロゴ=ブランドではありません。ロゴという視覚的要素はブランドをシンボライズし、商品と感情的なつながりを築く重要な役割を果たします。ロゴを、メディアへの広報窓口・パンフレット・広告・映像・ニュースレター・ウェブサイト・SNSなどのあらゆるコミュニケーション要素に融合させることは、ブランドアイデンティティを構成するにあたって重要なことです。デザインの一貫性、そもそもの見た目、色彩などはブランドの信憑性を築くのに必要不可欠です。
ロゴデザインの重要ルールは、ロゴが自ら語りかけるように仕向けることです。効果的なロゴに説明は必要ありません。世界で最も成功的なブランドを見てみましょう。

Bloomicon / Shutterstock.com
ナイキのロゴ、エアージョーダンのジャンプマンロゴ、マクドナルドの金のアーチ、結合するオリンピックの輪、NBCのカラフルな孔雀。永遠に進化し続けるGoogleのお絵描きとTwitterのシンプルな青い鳥は、今や辞書に’Googling’(グーグルする)と’Tweeting’(ツイートする)という言葉として載っています。こんなことを可能にしたのは、ブランドと強い視覚的アイデンティティがあったからです。
ブランドアイデンティティの調査

・ブランド…企業の全体的なイメージ
・アイデンティティ…ブランドの一部を構成する視覚的要素
・ロゴ…マークやアイコンを使って、企業を最もシンプルな形で表したもの
グラフィックデザイナーやライターを雇ってブランド要素の製作を頼むのは難しいことではありません。しかし、まずはしっかりと考えられた計画がなければ、莫大な時間、資金、エネルギーが失われる事になります。
最初のスタート地点はSWOT分析です。

会社のStrengths(強み)、Weaknesses(弱み)、Opportunities(機会)、Threats(脅威)を分析するとき、自分自身に完全に正直になることが必要不可欠です。楽観的展望や限界を思い込みで決めることは、プロジェクトの失敗につながります。
企業の自己評価は、業績、商品とサービスの状況、なぜ存在し、他の企業とどこが違うのか等を含んで考えましょう。また、ターゲットとされる顧客はどういった人たちで、彼らが最も懸念することはなにか、企業がどのようにしてそれの助けになれるかも考えなければなりません。このブレインストーム(課題抽出)の時期に、ばかばかしいと言ってすぐにアイデアを却下しないようにしてください。的外れだと思われる提案も、一度調査されれば実践的であることが多いのです。これらのアイデアが、ベスト3まで絞られたら、5〜10人のモニターを集めて彼らの反応、見方、誤解、感情、意見をフィードバックしてみましょう。また、社員、上司、現在の顧客の等のグループも集めて、同じ事をした方が良いでしょう。
SWOT分析は「4象限を埋めて終わり」にしない
ブランド構築の初期にSWOT分析(強み・弱み・機会・脅威の整理)を行うのは定番の手法ですが、実務で注意すべきは「4象限を埋めたところで作業を終わらせない」ことです。SWOTの真価は、4つの象限を踏まえて「どの戦略を選ぶか」を決める段階にあります。
SWOT分析の結果、「強みを機会に活かす戦略」「弱みを機会で補う戦略」「強みで脅威に対抗する戦略」「弱みと脅威の両方を避ける戦略」の4パターンの戦略方向が見えてきます。ここから自社のリソースや市場環境に合わせて1つを選び、その戦略に沿ったブランドメッセージやビジュアル表現を作っていきます。
分析だけで満足するとリサーチ資料で終わり、行動に結びつきません。SWOTは「分析ツール」ではなく「戦略決定の起点」として使うことで、ブランディングの実務に活きる手法になります。
ブランディング戦略の構成

今どこにいるのか?
目標には近づいているか?
なぜここにいるのか?
目標にどうやって辿り着くのか?
他に戦い方はあるか?
ブランディング戦略の構築の際、商品とサービスのマイナスイメージの側面も考えなければいけません。現時点での世間からの見方をリストアップし、それらを整え直することができるかを考えましょう。例えば、「時代遅れ」だと考えられている商品を、「伝統的」なものとしてリブランド・パッケージし直すなどです。また、その企業が提供する独自性のあるモノ(事)は何かを説明する文章から、企業について語ったり書いたりする際に使える短いフレーズを抜粋することができるでしょう。
これが達成されたら、視覚的要素と文章の要素の構成を始める事ができます。ブランドの個性と価値を反映し、顧客の興味とライフスタイルに合うようにしなければなりません。例えば、サーフボードを扱う企業が若い行動的な顧客を惹き付けたければ、陽気でアウトドア系なメッセージ・フォント・アートワークを使うべきでしょう。対照的に、退職金の運用貯蓄を行う会社なら、信頼のイメージを表現するようなブランドを築かなければいけません。
キャッチフレーズを活用する

顧客がキャッチフレーズを耳に(目に)したとき、すぐにその企業のことを思い浮かべるように作らないといけません。例えば、誰かが「ようこそ、夢と魔法の王国へ」と言えば、ディズニーランドが真っ先に思い浮かぶでしょう。M&Mの「手の中ではなく口の中でとろける」など、大手企業のキャッチフレーズはとても成功的なものが多いのです。
重要なことは、キャッチフレーズをシンプルで覚えやすくすることです。賢さや面白さは、メッセージが簡潔であることが大前提です。また、キャッチフレーズはロゴと併用されることが多いので、短く保つことも大切だと言えます。
ブランドが出来上がったら、企業に関わる全ての人がメッセージを伝えることが重要です。CEOからセールスマネジャー、受付まで、企業を代表する一人一人がブランドの代表であるという自覚を持ちましょう。
出典 : JUST™ Creative ※翻訳・編集・掲載許可をいただいています。下記は当サービスの追加情報です。
SWOT分析の記入テンプレート
| プラス要因 | マイナス要因 | |
|---|---|---|
| 内部環境 | 強み(S): 技術力、独自性、立地 | 弱み(W): 知名度、資金、人材 |
| 外部環境 | 機会(O): 市場成長、トレンド、規制緩和 | 脅威(T): 競合、景気、法改正 |
クロスSWOT分析の活用法
| 組み合わせ | 戦略 | 例 |
|---|---|---|
| S×O(強み×機会) | 積極攻勢 | 技術力を活かして成長市場に参入 |
| S×T(強み×脅威) | 差別化 | 独自性で競合との差を広げる |
| W×O(弱み×機会) | 改善 | 知名度不足をSNSで補う |
| W×T(弱み×脅威) | 撤退・縮小 | リスクを最小化する戦略 |
小規模事業者のSWOT分析例
| 項目 | 個人パン屋の例 |
|---|---|
| 強み | 手作り、こだわりの素材、オーナーの人柄 |
| 弱み | 生産量に限界、広告予算なし |
| 機会 | 健康志向ブーム、地産地消の流れ |
| 脅威 | コンビニパン、原材料費の高騰 |
| 戦略 | 「健康×手作り」の独自ポジションを確立 |
SWOTからブランド戦略への落とし込み
| ステップ | やること |
|---|---|
| 1. SWOT分析を実施 | 4象限を埋める |
| 2. クロスSWOTで戦略を導く | 最も有効な組み合わせを選ぶ |
| 3. ブランドコンセプトを決定 | 戦略を一言にまとめる |
| 4. ビジュアルに反映 | ロゴ、名刺、WEBに統一感を |
| 5. メッセージに反映 | キャッチコピー、SNSの発信内容に |
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