やさしく清潔感のある大学病院のパンフレットデザイン。
清潔感のある白をベースに明るいブルーを合わせ、衛生的なイメージで表紙・裏表紙をデザインしました。表紙には大小さまざまな円を散りばめ、皮膚を気に掛ける様子や診察にきた子ども、看護師などのイメージ写真をはめ込み、病院のイメージを形作りました。
成長と期待を視覚化
また、小さな円から大きな円へ成長していくような表現は、状況が好転していくイメージを抱かせ治療への期待感を膨らませます。
患者寄りの柔らかな雰囲気
中面も白とブルーのシンプルな構成で、読みやすく清潔感のあるデザインを重視しています。診察や手を重ねてケアしているシーンのイメージカットを背景に馴染ませて配置することで、存在感は残しつつも強く主張せず、患者さんに寄り添った柔らかな雰囲気で全体をまとめました。
読みやすく清潔感のある病院パンフレットのデザインのポイント
病院のパンフレットに必要な要素は清潔感です。たとえ歴史のある古い建物だとしても、醸し出される清潔感が患者さんの安心につながります。パンフレットは病院の建物に入る前に見るものなので、配色で清潔感を表現してクリーンなイメージを作り上げることが重要です。
イメージももちろん重要なのですが、パンフレットを最後まで読んで、病院の強み=魅力を伝えることも重要です。読みやすさと清潔感。この2つのコンセプトを意識して作成したのが今回の作例です。
今回の病院パンフレットデザインで意識したポイントは3つあります。
- テーマカラーを決めて落ち着いたトーンでまとめる
- 読み手の欲しい情報を大きくレイアウトする
- 写真で直感的に治療のイメージを伝える
「ここに行ってみようかな」と思ってもらえるような病院のパンフレットデザインのポイントについてお話していきます。
テーマカラーを決めて落ち着いたトーンでまとめる
病院のパンフレットには清潔感のある配色が求められます。清潔感のある配色とは『理路整然とした構成』の元で考える必要があります。とくに病院のような、サービスそのものがシステマチックになっている業種ほど、配色や配置、構成には「落ち着き」が必要です。
配色で「落ち着き」を与えるためにはテーマカラーを1色に絞る「トーンオントーン」の手法が効果的です。色数を増やさず、濃淡のみでシンプルに仕上げるトーンオントーンは、使う色の色彩心理効果を最大限に発揮できる配色と言えます。
ただし、可読性という部分では、同じ色系統ばかりだとあまり良い効果が得られません。そこで活躍するのが「白」、「白抜き」です。白には清潔さや純粋、潔といった色彩心理効果が期待できます。
病院のパンフレットの場合、誠実さや落ち着きを意味する「青」と組み合わせることで最大限の効果を発揮できるでしょう。
作例では、明るいブルーがメインのテーマカラーになっています。明るいブルーですが、トーンを少し抑えているので、落ち着いた印象にまとまっています。重要なテキストには白抜きを効果的に使って、可読性も向上させました。
読み手の欲しい情報を大きくレイアウトする
病院のパンフレットは、読みやすさとわかりやすさを優先したレイアウトにしましょう。高齢者も利用することを考えて、必要情報のフォントサイズを大きくしておくと親切です。
一般的に病院のパンフレットはテキストの比率が高くなりがちです。とくに、治療方法や病院のルールといった部分は重要な内容ではあるものの、テキストで説明されることで、理解されないこともあります。
病院に訪れる顧客=患者さんは「病気やケガを治したい」と思って来院してくれます。待合室でパンフレットを読んだときに、理解が及ばずに「この病院で大丈夫なのか?治してくれるのか?」という不安を与えてはいけません。
理解してもらいやすいパンフレットで重要なことは「読み手の立場で作ること」です。病院側が伝えたい情報と患者が知りたい情報は必ずしも一致しているとは限りません。とくに画期的な治療方法ほど、病院側は顧客獲得のためにもパンフレットに組み込みたいはずです。
ですが、伝えたい内容が難解すぎて、顧客離れが起こってしまっては本末転倒と言えるでしょう。
そこで重視したいのが「読み手の欲しい情報を強調すること」です。たとえば以下のような情報は、顧客の多くが知りたい内容です。
- アクセス方法
- 地図
- 問い合わせ電話番号
- 休診日
パンフレットの読み手が知りたい情報を大きく表示することで、ストレスフリーに知りたい内容を受け取れ、さらに理解もスムーズになります。
写真で直感的に治療のイメージを伝える
病院のパンフレットを手にとる人には、ポジティブな印象を与えることも大切です。抱えている痛みや不調が、少しでも良くなるようなイメージを写真で表現しましょう。
写真はイラストよりも臨場感が増し、回復後の生活をイメージしやすくなります。作例では子どもの笑顔の写真が治療後のイメージを表したものになります。なぜ回復後のイメージなのかというと、病院の主役は患者さんであるからです。医者や看護師ではなく患者さんにスポットを当てることで、集客につながりやすくなります。
また、丸いフレームはシャボン玉にも共通する形です。皮膚科という点から「清潔感」を演出するアイテムとして採用しています。
制作パンフレットデザインに対する感想
VOICE ※第三者による感想です
穏やかなブルーとホワイトが清潔感のあるパンフレットデザイン
丸いフレームの写真が親しみやすい雰囲気を演出
表紙にあしらわれた手の写真と丸いフレームで縁取られた写真は、いずれも柔らかい雰囲気で、穏やかな印象です。抽象的なイメージはどこまでも柔らかく寄り添うイメージに、そして必要な情報は正確さを重視して…というデザインに誠実な姿勢が伝わってきます。
テーマカラーを一色に決めて落ち着いたトーンに
テーマカラーは明るいブルーのみとすることで、落ち着いている静かな印象にまとまっています。見出しにブルーのボックスをあしらって、読みやすさ、分かりやすさを最優先したデザインは、病院のパンフレットとしてふさわしいレイアウトではないでしょうか。必要な情報を過不足なく入れるためか、文字サイズは全体的に小さめですが、予約センターの受付番号と時間はやや大きくくっきりした文字になっています。高齢者や文字を読みにくい人にも配慮された真摯さを感じます。
安心と信頼感溢れる大学病院パンフレットデザイン
・鮮明な白と青の調和
この大学病院パンフレットデザインでは、白と明るいブルーの組み合わせが、清潔感と安心感を醸し出しています。表紙では円形のデザインが患者やスタッフの絆を象徴し、治療への期待感を高めるようです。
・柔らかさと親しみやすさをアピール
中面のデザインはシンプルでありながら、背景に診察やケアのシーンを採り入れることで、病院が患者に寄り添う姿勢を表現しています。これにより、親しみやすく柔らかな雰囲気が醸成されています。
・一貫性と機能性を兼ね備えたデザイン
明るいブルーをテーマカラーに据えることで、統一感と落ち着いた印象が与えられています。また、見出しにブルーのボックスを使うことで、読みやすさと分かりやすさが向上しています。
・配慮の行き届いた情報提示
文字サイズは全体的に小さめですが、予約センターの受付番号と時間は大きく表示されており、高齢者や読みにくい人への配慮が感じられます。
この大学病院のパンフレットデザインは、白と青を基調とした清潔感あふれるデザインや、円形のデザイン要素を活用して親しみやすさを表現するなど、安心感と信頼感を与える効果的な手法が駆使されています。患者に寄り添う姿勢が伝わるデザインは、病院としての魅力を十分に引き出しているのではないでしょうか。
※掲載しているパンフレットのデザインサンプル・モックアップはイメージです。実際のサイズ・仕上がりとは異なる場合がございます。