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グーテンベルク活版印刷機の仕組み

世界を変えた発明 – グーテンベルク活版印刷機の仕組み


グーテンベルク活版印刷機の仕組み

ヨハネス・グーテンベルクが発明した「活版印刷機」は、羅針盤・火薬と並び、ルネサンスの三大発明の一つとされています。それまでは多くの本は、書き写しか木版印刷で製造されていて、非常に希少なものでした。それが活版印刷機の登場により、本(印刷物)の大量生産が可能になったのです。まさに世界を変えた大発明です。

驚くことに、現代の印刷機と基本的な原理はほとんど変わっていません。今回は、現代の印刷機の始まりとも言えるグーテンベルク活版印刷機の仕組みを、Sabrina Huyett氏の動画「グーテンベルク印刷機のしくみ」からご紹介します。印刷・デザインに関わる人なら知っておいて損は無いと思います。※以下翻訳内容です。

 

グーテンベルク活版印刷機の印刷工程

1.インキボウルにインクを満遍なくつける

インキボウルは、ボウル(椀)に取っ手を取り付け、馬の毛を詰めて、それをガチョウの皮で包んだものです。当時のグーテンベルクと同じものができました。なぜグーテンベルがガチョウの皮を使ったのかわかりませんが、とてもうまい具合にいったのでしょう。現存するグーテンベルクの聖書は今でも非常に美しいですから。

このようにインキの上で転がし、インキボウルにインキを付けます。インキの上でロックンロールです。私たちの知るかぎりグーテンベルクが世界初のロックンローラーです。彼はインキボウルを2個使っていました。インキ付けの工程をスピードアップできるからです。

インキボウルをこすり合わせて2つのインキの具合をまったく同じにしなければいけません。インキを完全になめらかにしてインキボウルの表面全体に広げます。均等に同じ厚みになるように。ですから、インキボウルを転がすには練習して技術を身につける必要があります。うまくできるようになるには時間も必要です。

どうですか。かなりなめらかになったでしょう。グーテンベルクのペロペロキャンディです。なめてみますか?リコリスが好きなひとはいませんよね。

 

2.印刷版にインキを塗布する

さて、インキボウルをまっすぐに下ろしてこの文字の上面にインキを付けなければいけません。まっすぐ下ろしていかないと、すべての文字にインキがゆき渡りません。まっすぐ下ろしてインキを文字の上面に付けます

この作業をする人は「ビーター(たたく人)」として知られるようになりました。もちろんこの作業をおこなうには練習して技術を身につけなければいけません。すべての文字にインキを付けなければいけないからです。そしてほどよい量で付けすぎずないようにします。

皆さんのためにきれいに印刷したいので、少し時間をかけてしっかりとインキを付けます。

オーケー。準備できました。

 

3.印刷用紙のセット

印刷するためにグーテンベルクは次に必要としたものはなんでしょう。

そう、紙ですね。文字を印刷するものです。グーテンベルクが印刷した最初の聖書は180部でした。そのうちの40部は動物の皮に印刷されました。それ以外はグーテンベルクは紙に印刷することができたのです!

ちょうどそのころ紙は中国で発明されたばかりで、イタリア経由でヨーロッパにもたらされたところでした。ただ、その紙は写字生のために作られ、硬くてツルツルしていたので、そのままではグーテンベルクの油性インキでは綺麗に印刷できませんでした。だから当時は紙に湿り気を与えて柔らかくする作業が必要だったんです。

ここである問題があります。

グーテンベルグは両面の文字を正確に揃えて印刷する方法(=印刷見当を揃える方法)を考え出さなければなりませんでした。これがその問題に対する答、「チンパン」(tympan)と「フリスケット」(frisket)です。

これを開けます。これはチンパンといいます。枠にかぶせた皮で、ここに紙を置きます。

「アヒルのくちばし」(duckbill)と呼ばれるこの小さなツメが上下の位置を決めます。それから左と右にマークがあります。

ピンがこのように紙を突き抜けるのを見てください。反対面に印刷するとき、紙を裏返してピンがこの穴を通るように置くと、表面と裏面の位置が完全に揃うわけです。基本的にこれと同じシステムが現在の印刷でも使われています。「ピンレジスター」(ピンによる見当合せ)といいます。

フリスケットを下ろして紙をチンパンに固定します。印刷する部分は切り抜いてあります。また、インキでベタベタする活字から紙をはがすときに紙に汚れをつけたり破いたりせずにすみます。紙が湿っているからです。

こうして、折り重ねて「プラテン(または圧盤)」(platen)の下に入れる準備ができました。

 

4.印刷

印刷作業

次にすることはハンドルを引くことです。そうすると、ハンドルがネジを回し、プラテン(圧盤)を下げて、紙をインキのついた活字に押しつけます。この作業をする人はとても異国情緒にあふれた名前で呼ばれます。「引き手」です。

そこでみなさんに引き手になって印刷に挑戦していただきたいのですが、あなた、初版を印刷しませんか。そこに手を置いて自分のほうにできるかぎり強く引けば、きれいに印刷できます。

プラテン(圧盤)のサイズが小さいと思いませんか。なぜならプラテン(圧盤)が大きいほど強い力が印刷に必要になるからです。

 

片方の面に印刷できました。そこで裏返してもう一方にも印刷します。

どなたか女性にやっていただきたいのですが、いかがですか……。

できるだけ強く引いてください。かなりいい感じです。1日中この作業をやってみます?

 

では引き出します。

 

フリスケットによってインクでベトつく活字から紙がはがれる音が聞こえます。

 

いいですね。インキ付けの作業もとてもうまくいきましたし、ハンドルを引っ張る作業もとてもうまくいきました。

 

参照リンク : How a Gutenberg printing press works | YouTube – Sabrina Huyett (CC BY 3.0)
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