世界のロゴデザインのトレンドをチェックしている、海外のデザインWEBマガジン「LogoLounge」より【2005年のロゴデザインのトレンド】を紹介していきたいと思います。(Thank you Bill !! )※翻訳・編集・掲載許可をいただいています。
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2005年 流行したロゴデザインたち
ロゴトレンド1 【流れ星】
連邦主義から天の導き手まで様々なシンボリズムに溢れる星は、今までずっとロゴデザインの基盤要素となってきました。それは今でも変わらず、星は腕や足や翼をより柔軟にして生まれ変わりました。これらの星は人間とさほど変わらない個性と不完全が混合した形をしています。先祖のシンボリズムを保ったまま、より親しみやすい姿に生まれ変わったのです。
1. Goldfinger C.S. Hothouse Inc. for La Caixa 2. Desgrippes Gobé for Travelocity 3. Landor and Assosiates for Apria Healthcare 4. Wages Design for Chick-fil-A University
ロゴトレンド2 【アマルガム】
これらの多様な要素の集まりは、Pierre Bernardが手がけた、ありとあらゆる花や動物がフィボナッチ螺旋の形に配置されたParcsNationaux de France (フランス国立公園)のロゴに影響されているのでしょう。Wolf Olins と共に働くMiles NewlynがデザインしたUnileverのロゴ(図1)は、それと同じくらい魅惑的です。
このトレンドに共通しているのは、ある組織に由来する全てのものを一つのイメージに集めるということです。その代わりにデザイナーは、それが更なる意味を持ちどんな単体にも負けないようにそれぞれの要素をしっかりと維持し、見せているのです。これらのロゴのディテールは難しいパズルや美味しいパスタソースよりずっと病み付きになります。
1. Wolff Olins/Miles Newlyn for Unilever 2. Chermayeff & Geismar, Inc. for Tennessee Aquarium 3. Insight Design for Richard Lynn’s Shoe Market 4. MetaDesign for The Ocean Conservancy
ロゴトレンド3 【ブローアウト(吹き消すような)】
トラディショナルなロゴデザインを崩しているロゴを見ると興奮します。このトレンドはまさに反逆者です。彼らは「ベクター画像なんてくそ食らえ!」と主張しています。これらのロゴはとても綺麗に作られていますが、5000ワットもありそうな電球によって形の一部が消されています。2次元の世界でこのようなオーラ(光)を作る事は称賛されます。
メルボルンのFutureBrand Australiaのロゴ(図1)は太陽とカンガルーでその大陸を表していますが、太陽の光を直接ビューアーに当てることによって、冒険家や太陽が大好きな人達にもアピールしています。
1. FutureBrand Australia for Brand Australia 2. Gardner Design for Viziworx Enhanced Television 3. Cato Purnell Partners for Terry White Chemists 4. Creative Development Association for Third World Mission Association
ロゴトレンド4 【CMYK(印刷の4原色)】
シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックは何年も印刷企業などののロゴで活躍してきました。ではこれらの印刷の世界の原色はいつ現実世界にやってきたのでしょうか?それはインクがプリンターより高くなってからです。それからCMYKはビジュアルリテラシーの重要な要素になったのです。
長い間デザイナー達から制限されていたこれらの原色は、突然消費者達の注目の的となりました。コンセプトを説明するには、それをベーシックな要素まで分解しましょう。そうすれば、お固い消費者達にもCMYKが理解できるはずです。
1. Wolken communica for Bellevue Art Museum 2. Cato Purnell Partners for Infratil 3. Braue; Branding & Corporate Design for Druckhaus Wüst 4. Chase Design Group for First Light
ロゴトレンド5 【炎】
もう飽き飽きしている人もいるかと思いますが、火は自然の要素の一つであり、その炎が消える気配はありません。証拠?テレビをつけてディスカバリーチャンネルやMTV、EDPNと同じくらい幅広いチャンネルで放送されているカスタムバイクの番組の数を数えてみてください。
今やバイクカスタマイズ専門の企業が存在し、この人達は伝統的な炎、スピード感のある炎、カリフォルニアの炎、トライバルな炎、その他たくさんの炎をモチーフにしたデザインについて教えてくれます。今でも炎は熱や速さの象徴であり、速度を出すのが好きなちょい悪クライアントが居れば、デザイナーはものすごいスピードで炎モチーフのデザインをするでしょう。
1. Davidson Design for Target 2. Fernandez Design for Global Chaos 3. Luce Beaulieu for Le Poulet Grillé 4. Modern Dog Communications for Experience Music Project
ロゴトレンド6 【ボール】
地球は企業の海外関連事業を表す人気なアイデアですが、それだけにとどまってしまうロゴは少し物足りなく感じる時があります。一方、これらのロゴはエレガントでありながら企業の力強さと複雑さが繋がっている様子を表しています。
例えば、French A&Companyのロゴ(図1)はTotal、Fina、Elfのフラッグシップカラーを一つにまとめて、これらの3つの国の合併を表しています。
1. A & Company for Total 2. Carbone Smolan Agency for Assurant 3. Landor and Associates for Pepsico 4. Fernandez Design for MetaDot
ロゴトレンド7 【織物】
糸はそのままではただの糸ですが、きちんと織られれば繊維が布へと変わります。ここにあるロゴにも、それと近いものがあります。織り合わされた要素がロゴの本質的な価値を引き出し、互いに交わる線が力強さを生みます。この繰り返しは全体像が完成するのに必要なリズムを作り出します。その複雑さからは上品さが感じられます。
Lippincott Mercerが手がけたバンク・オブ・ニューヨークのロゴ(図1)は、紙幣や金融証書などに見られる繊細な線をデザインに適応させることで企業のグローバルなサービスを表しています。
1. Lippincott Mercer for The Bank of New York Traffic Safety Bureau 2. Marcus Lee Design for Secura Speed 3. Cato Purnell Partners for Hamburg Airport 4. TCrosby Associates for Lutheran General Health System
ロゴトレンド8 【鞭】
A地点からB地点まで空を切るようなこれらのロゴは、ナイキの「スウッシュ(swoosh)」のロゴの親戚かもしれません。直線的な形をした鞭が目的地を探すかのように弧を描き、それは重力にさえ逆らっているかのようです。終わりのない軌道を描くような「スウッシュ」のロゴとは違い、これらのロゴマークには始まりと終わりがあります。
Landorが最近手がけたデルタ航空の低価格キャリア「Song」のロゴデザイン(図1)にからは遊び心が感じられます。大手キャリアが大きなステートメントを残さなければならない業界で、Songはそうしなくても良いのです。
1. Landor and Associates for Song 2. Methodologie for Vendaria 3. Critheorian for Boomori 4. Trickett and Webb for Imperial War Museum
ロゴトレンド9 【ぷくぷく】
(UPS やJohn Deereのロゴのような)ピカピカしたロゴとは違い、これらのロゴはビニールプールに浮かべる玩具のような見た目です。ロゴの伝統的なルールであるグラデーションは使っていませんが、影のついたロゴを馬鹿にする人達を見返すことができそうです。
デスクトップスクリーンを行き来するMicrosoft Suiteのロゴのように、これらのロゴも見る人の好みに関係なく注目を集めます。立体的なロゴは2次元の世界でも活躍し続けています。これらのロゴの良いところは、もし踏んでしまったとしても痛くないことですね。
1. VSA Partners for Cingular 2. Desgrippes Gobé for AOL 3. Critheorian for Water.com 4. TD2, S.C. for Nestlé Chocolates
ロゴトレンド10 【ラインドット】
これらのロゴデザインは、異なる順列で至る所に見られます。技術的なものを表す事が多いこれらのロゴは、分子構造や原子粒子、配電盤、点と点の繋がりなどを思わせるような見た目をしています。これはシンボリズムに溢れるデザインであり、ティンカートイ(組み立て用のおもちゃ)のような順応性があります。
しかし、すでに飽和状態になりつつあります。このトレンドの初期に現れたLandorによるNielson(図1)のロゴは、とても簡潔でエコなロゴマークです。
1. Landor and Associates for Nielsen 2. Firewheel Design for SimpleDevices 3. Design and Image for Cosmo Traveler 4. MonigleAssociates, Inc. for Total System Services
ロゴトレンド11 【しずく】
このトレンドは、不可能は可能だと教えてくれます。水面の波を使ったこれらのロゴは、開けっ放しの蛇口のように流れ続けています。デザイナーは同じコンセプトの繰り返しをやめ、予想外の展開を生み出しました。
すると、今まで見えなかったものが見えてきます。Cato Purnell Partnerが手がけたドックランズのAustralian Academy of Designのロゴ(図2)は、他のロゴでは見られないような水面の使い方をしています。まさに、深い意味があるのです。
1. Enterprise IG for North Island 2. Cato Purnell Partners for Cato Purnell Partners 3. Hubbell Design Works for Hawaiian Regent Resort 4. Enterprise IG for South African Jewish Museum
ロゴトレンド12 【季節の葉】
環境問題が重視される中、葉を使ったデザインはグリーンデザインの主な要素と言えます。葉はロゴデザインの端役を任されています。カメレオンのようなこれらの葉は、生と死、命のサイクル、生薬、陰と陽、食と栄養、美、成長など様々なものを表す事ができます。その見た目の多様性から、デザイナーたちは好きなように形を変えることができるのです。
1. Landor and Associates for Metabolife 2. Elixir Design for New Leaf Paper 3. Landor and Associates for Everland 4. Cato Purnell Partners for IDP
ロゴトレンド13 【ブラー(ぼやけた感じ)】
動きを使ったロゴは全く珍しいものではありません。Robert Miles Runyonは、1984年のロサンゼルスオリンピックのロゴのおかげで一躍有名になりました。今の私たちの技術では、コンセプトを表すのに漫画のような線を使う必要はありません。これらのロゴはもっと自然な形で、動きというコンセプトを伝えています。「二度見させる」ことで人々の注目を集めるのです。
例えば、Abbeyインターナショナルの新しいロゴであるTakeのEvolutionのロゴ(図1)やテートブリテンのロゴは、見る人の焦点をおかしくさせます。
1. Methodologie for Vulcan 2. Cato Purnell Partners for CityRail 3. Miles Newlyn for 3 4. Landor and Associates for Corning
ロゴトレンド14 【渦】
ヴィクトリア時代のカリグラフィーや、もっと最近だとElvis Swiftのイラストレーションに影響を受けたデザイナー達がリズミカルなペン使いに夢中になっているようです。このスタイルはスペンサー調のスクリプトと人間味を合わせて上品さを生み出しています。素晴らしく出来ているものは、線より白い部分が多いため軽さが感じられます。
1. Pennebaker for Gilbert and Bel Valdez 2. Sibley Peteet Design for O’s Catering 3. Mires for Shea Homes 4. Hornall Anderson for Dayberries Bakery and Café
ロゴトレンド15 【ホットドック(のような棒)】
これらのロゴデザインは、角の丸いバラバラの線が特徴です。カップケーキの上にかけるカラフルなスプリンクルのようなこのトレンドですが、「キャンディー」や「ホットドッグ」と呼んだ方がデザイナー達は納得するかもしれません。これらの線はそれぞれ個性を持っていますが、集まると共通の目的を掲げた一つの存在となります。一つ一つの要素よりも、全体像の方がより良いものとなっているのです。
1. Design Machine for Art Directors Club, New York 2. Felixsockwell.com for feluxe 3. Landor and Associates for Cable Wireless 4. Chermayeff & Geismar, Inc. for Picnique Frozen Yogurt
参考 : LogoLounge ©2005 Logolounge Inc.
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