パッケージデザインレビュー
トロピカーナのオレンジジュースのパッケージが失敗に終わった理由
パッケージデザインは、ただ商品を保護するための存在ではなく、その売り上げや人気を大きく左右するものです。
今回は国際的なブランディング企業である”Murray Brand Communications“のMurray 氏に許可をいただき、映像の翻訳をさせていただいています。大手飲料メーカーの事例を元に、パッケージデザインがいかに重要であるかが解説されています。Thank you Murray!!
以下翻訳内容です。
R.J. MurrayのMurrayブランドミニッツへようこそ。今日もブランド戦略とブランドデザインに関する全てのことについて議論していきましょう。
今日見ていくのは、Arnelグループが手掛けたトロピカーナのオレンジジュースの変更後のパッケージデザインです。2000万ドル以上の売り上げ損失と、消費者からの苦情の手紙については多くのメディアが取り上げましたが、それがなぜ起こったかについては書かれていません。このデザインが失敗に終わった3つの理由を見ていきましょう。
まず1つ目の理由は、ブランド・アウェアネスです。
以前のパッケージデザインでは、トロピカーナの名前が大きく、真っすぐ平行に書かれており、その下にストローの刺さったオレンジがあります。さらに、上にはNO PULP(果肉無し)と書かれているので消費者が購入しやすくなっています。
新しいパッケージデザインではトロピカーナの文字が垂直に書かれており、とても読みづらくなっています。トレードマークだったオレンジとストローも、とてもありがちなコップに変わっています。これは私たちにブランド・アウェアネス(ブランドを正しく知らしめること)がいかに大事かを思い知らせるものとなりました。また、果肉が入っているのかどうかの表示も全く書かれていません。
2つ目に、ポジショニングの問題があります。
以前のパッケージデザインでは、まるでオレンジに直接ストローを指して飲んでいるかのような、高品質のオレンジジュースだということが表されています。新しいパッケージに描かれているのは、どこにでもあるようなコップに注がれたオレンジジュースです。通常ストアブランドの製品に使われるようなデザインです。
3つ目は、消費者が購入を決定するためのメリットが書かれていません。
以前のパッケージデザインには、「果肉なし」、「純粋・プレミアム」、「果汁100%」の文字があります。
新しいパッケージでは、まず目に留まるように「100%オレンジ果汁」と大きく書かれており、さらにそれが最も重要なことかのようにパッケージ下部で繰り返されています。他のPRするポイントは省かれてしまっています。
このパッケージを見たときに、それが失敗に終わった理由はいくつも考えられますが、主にブランド・アウェアネス、ポジショニングの変更、製品の特徴を活かしていないPR、の3つの理由が挙げらるでしょう。
R.J.MurrayのMurrayブランドミニッツをご視聴いただきありがとうございました。
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