商品を販売するにあたって、ターゲット層を想定していることでしょう。より効果的にターゲット層に響きやすいデザインにするためにはポイントがあります。今回は、高齢者をターゲットとした時のパッケージデザインのブランディングポイントをご紹介します。
最大のポイントは「高齢者」を強調しすぎない
高齢者向けと意識してパッケージデザインをする人が一番陥りがちな間違いとして、高齢者を強調しすぎてしまうことがあげられます。高齢の人にとって、自分を「高齢者」として扱われることはあまり歓迎されません。年配の人の心理として、自分をそれほど高齢者であるとは思っていないと言われています。「高齢者」ということが強調されすぎた商品は、ターゲットが手に取ってくれる可能性が低くなってしまうのです。
もっとも大切なのは、年齢そのものよりもニーズや価値に焦点を当てたデザインにすることです。年齢にとらわれず、ターゲットのニーズに合致した、商品の価値を届けることを意識してパッケージをデザインしましょう。
具体的なパッケージデザインの6つのポイント
高齢者をターゲットとしたパッケージデザインに関する具体的なポイントを3つ見ていきましょう。
①書体サイズとコントラスト
高齢者の視覚の特徴として、小さい文字が読みづらくなることや濃淡がわかりづらくなることがあげられます。高齢者が認識しやすいデザインにするためにも、書体サイズは大きめにしコントラストを高めて読みやすくすることが大切です。どれほど素晴らしいデザインも、よく見えないとあっては宣伝効果が弱くなってしまいます。ターゲットが読みわすくわかりやすいデザインになるように心がけるましょう。
②具体性のある写真を使う
若年層と違い、イメージに訴えかけるものよりも写真などを使い、はっきりと内容がわかるデザインを採用するほうが響きやすいと言えます。ただし、高齢者ということを意識しすぎて、高齢者を強調しすぎた写真を選ぶのはNGです。年を重ねた人は自分のことをそれほど高齢者であるとは認識していません。ターゲット層と同年代の写真では共感されにくくなります。
ターゲット層より一回り若い世代の写真を使用するほうが効果的です。漠然としたイメージよりも、商品の中身や機能性がはっきりわかるデザインのほうが好まれやすいでしょう。高齢者は、商品の本質を見極めようとする傾向が強くあります。ターゲットが納得し、安心感を覚えてもらえるようなデザインをパッケージに取り入れてあげることが大切です。
③ユニバーサルデザイン (開閉する場所を分かりやすくするなど)
商品を手に取った時、開け方がわからず苦労したことはありませんか?若い時と比べてどうしても体を動かしにくくなる高齢者にとって、開閉場所が分かりやすかったり、小さな力で開封できることも、大切なポイントとなります。開閉に限らず、商品が使いやすいように意識してパッケージデザインを作り上げると良いでしょう。使用してみて良さがわかれば、1回と言わずファンになって何回も使ってもらえる可能性も高まります。
他にも商品の性質によっては、持ちやすい・握りやすいデザインが好まれる傾向があると言えます。商品がターゲットに使いやすいことを意識してデザインを工夫してみましょう
④スッキリしたパッケージデザインに
一般的傾向として、たくさんの情報が詰め込まれているデザインよりも、スッキリとしたデザインが好まれる傾向があります。見やすい・読みやすい・わかりやすいということを意識してパッケージをデザインすると良いでしょう。オシャレなデザインよりも簡潔でわかりやすいデザインのほうが、高齢者から好かれやすい傾向があります。
高齢者向けに限らず、シンプルなデザインは普遍性を生みやすいというメリットがあります。現在有名なパッケージデザインを思い返してみても、長く愛されるデザインはシンプルな場合が多いものです。その理由としては、無駄を排除し、ベネフィットが最大限伝わることを意識した結果、洗練されたデザインになることがあげられます。コミュニケーションを生む要因にもなり、記憶に残りやすいというメリットもあります。
⑤情報は絞る
情報量が多いときにはあえて絞って、使用できる面積を最大限活かす方法を模索してみましょう。高齢者は、若い世代よりも時間に余裕があることが多く、じっくり商品を見てもらえる可能性が高いです。欲張らず、ポイントがわかりやすい伝わることを意識してパッケージデザインのブランディングを行いましょう。限られたスペースを効果的に用い、はっきりと文字が読める色合いを意識してデザインを工夫するようにしてみると良いでしょう。
⑥横書きよりも縦書き
基本的に高齢の方は、横書きよりも縦書きのほうが読みやすいと感じる傾向があります。新聞をじっくり読むことを習慣にしている人も少なくないので、読み慣れているからという理由もあるようです。パッケージデザインに文字を取り入れる場合は、縦書きの方が響きやすいと言えるでしょう。ただし、あまりこだわりすぎることはありません。商品の良さがしっかり伝わるように意識して作成することがより大切です。
気持ちは若い!
最初にお伝えしたとおり、高齢者向けデザインにおける一番のポイントは「高齢者」「シニア」という点を強調しすぎないことです。元気な高齢者ほど、少し若いデザインを好む傾向があります。パッケージデザインにおいてお年寄り扱いをされることは、あまり望まれていません。気持ちが若いことを忘れずに、商品のベネフィットがしっかりターゲットに届くことを意識して柔軟なパッケージデザインを行いましょう。
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