米国サウスカロライナ州でパッケージについて専門知識を教えているThe Packaging Schoolが、商品パッケージに使われる板紙の製造工程についての動画を非常に分かりやすく公開しています。今回は、The Packaging Schoolに許可をいただき、動画「板紙の製造工程について」を紹介いたします。板紙は複数の層を合わせた厚めの用紙で、包装・パッケージにはなくてはならないものです。
以下翻訳内容です。※記事掲載は製作者の許諾を得ています。( Thank you, The Packaging School! )
板紙の製造工程
チップ製造工程
トラックで運ばれてきた原木は皮むき機(バーカー)のドラムに投入されます。
樹皮がむかれた丸太はチッパーに入れられ切削されます。規格外の大きさのチップは品質を保つためにスクリーンにかけられて取り除かれます。
その結果、目的に完璧に合ったチップが得られます。ここからパルプ製造プロセスが始まります。
機械パルプ製造工程
チップから繊維が精製されます。繊維はいくつかの工程を経て洗浄と漂白が行われます。この工程によって不純物のない白い高品質なパルプが作られます。
さらに水が加えられ、いくつかのスクリーンを経て繊維が漂白されると「機械パルプ」ができあがります。
化学パルプ製造工程
「化学パルプ」にはさらに工程が続きます。
機械パルプを重ねた層を化学パルプの層でサンドイッチした構造の板紙は、機械パルプの層で強度と厚みが得られ、外側の漂白された化学パルプの層によってすぐれた印刷特性と曲げに対する強さが得られます。
抄紙(しょうし)工程
水で薄めた紙料を抄(す)いて板紙を作る工程です。板紙のすぐれた特性の多くはパルプからボードを形成する最初の段階で生み出されます。
ワイヤー(脱水)
水で薄めた化学パルプをワイヤー(抄紙網)の上に平らに流すと、水分が脱落して1番目の層が形成されます。
引き続き1番目の層の上に機械パルプの層が重ねられていきます。層ごとに上からのワイヤーで固定します。その際にワイヤーを通して水分が吸い上げられます。
最後の層は先の4層とは別に形成され、目的の特性を与えるために他の4層と組み合わされます。
プレス(圧搾)
5層となった板紙はフェルトで両面からサンドイッチされ、ローラーで圧力を加えられます。水分が効率的に取り除かれ、最終的に約50パーセントまで減ります。
ドライ(乾燥)
表面を滑らかに磨かれたシリンダーが蒸気で熱せられ、そこに湿った板紙を接触させることで水分を蒸発させます。重要な強度特性はこの段階で確立されます。
蒸気で熱せられた艶出しシリンダーは厚みを損なうことなく板紙を乾燥させて、すぐれた剛性を確保します。この表面処理は上質な折り畳み箱用板紙を作るために重要です。
サイズプレス(サイズ液塗布)
デンプン溶液などの「サイズ液」を板紙の両面に塗布しコーティングの準備をする工程です。繊維を紙の表面に結合して板紙に強度を加えます。
カレンダー(艶出し)
鋼鉄のローラーで圧力を加えることで板紙の厚みを均一にし、表面を滑らかにします。板紙の厚みと密度もこの段階で調整します。
コーター(塗工)
白い顔料でコーティングし板紙の表面を白くなめらかにします。製品によって片面または両面がコーティングされます。
コーティングの層ごとに赤外線ドライヤーで乾燥させます。
ワインダー(巻き取り)
板紙は大きな鋼鉄のリールを使って巻き取られます。
カッター(裁断)工程
大きなロールは小さく裁断されます。一部は包装されて顧客に発送されます。また一部は顧客の指定したサイズのシートに裁断されます。
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