
オリンピックのエンブレムの件が大きく取り上げられたことは記憶に新しいですが、ロゴデザインの類似は度々議論や問題のタネとなっています。今回はセンセーショナルなタイトルの記事「君のロゴは真似だ」をご紹介したいと思います。多くの有名なロゴデザインにも「前例」が存在していたことが分かります。様々な意見が生まれそうなこのテーマをあなたはどう考えますか?
原文 : “Your logo is copied” by Ferdinand Vogler
以下翻訳内容になります。※記事掲載は担当者に許諾を得ています。( Thank you, Ferdinand !! )
君のロゴは真似だ。〜あらゆるものに前例があることを認めよ〜
「待って。このロゴ、どこかで見たことがある。なぜこんなに親しみを感じるのだろう。」
デザイン業界に数年いると、すべてのものには前例があることをやがて知るようになります。私は有名なロゴはどこから生まれたのかを考えました。どの段階から真似すること(copying)が、盗むこと(stealing)になるのでしょうか。真似をすることはそこまで悪いことなのでしょうか。
Source “Airbnb” | Source “Azuma Drive-In”
Source “Beats” | Source “Stadt Brühl” (PDF)
皆、常に真似をしている。
既に出来上がっているものに独自性をプラスしながらデザインをしています。そして、これを「創造性」と呼びます。私たちの日常では、一日を通して様々な情報が目から入ってきます。その中で、どこかのブログに投稿された素晴らしいデザインを見かけるかもしれません。そして、数か月後に似たようなデザインを思いついたとします。しかし、そのデザインを思いついたのは数か月前にブログでデザインを見たからだとは思いもしないでしょう。デザインを創るとき、私たちは知らず知らずのうちにデザインの漠然とした印象を、いわばリサイクルしているのです。
Source “Medium.com” | Source “Metrocraft Publishing”
「真似すること」 は「盗むこと」 ?
WEBサイトの中には、デザインを偽造したり盗んだりするためにブランドデザインを引用することがあります。多くの場合、真似することと盗むことに違いはないのかもしれませんが、これら2つの用語を私がどのように区別しているかを説明したいと思います。
「盗むこと」はデザインを1から10まですべて複製することです。企業はデザインがもたらす利益を求めます。「盗むこと」はセーターにNIKEのロゴを縫って2倍の価格で販売することです。デザインとは、それぞれのケースに合わせて個別にオーダーメイドしたものであり、だからこそ模倣することが難しいと言えます。「盗むこと」で伝えたいメッセージとコンテンツとの間に相違が生じる場合がしばしばあります。自分の持っているイメージと世間のイメージとは一致しません。だから一流のブランドの模倣は難しいのです。「盗むこと」は、見つからなければいいという”悪意ある企て”と言えるでしょう。
「真似すること」は違います。真似することは学ぶことです。赤ちゃんがどのように成長し、新しいことを学んでいくかを考えてみてください。赤ちゃんは最初に親を模倣しますよね。何千年も前、ギリシャの彫像の完全なコピーを鋳造して象徴的なローマの彫刻が作られました。真似することによって私たちは過去を知り、持っている知識に上積みしていきます。私自身も他のWEBサイトからコードをコピーし、それらを使って遊ぶことでプログラミングする方法を学びました。「真似すること」とは、アイデアの影響を受け、それを別の形式やコンテキストで適用することを意味します。真似することは”原案者に敬意を表す”ことであり、常に適切に「真似すること」を追及されます。


Source “Carhartt” | Source “Carlo Cisventi”
真似の、真似の、そのまた真似
フラットデザインのコンセプトを考えてみましょう。これはグーグルマテリアルデザインが活用したスタイルですが、そんなことは今まで誰も考え付きもしませんでした。誰が何を始めたのかを知ることは困難です。たとえ原案者を見つけたとしても、原案者自身が認識さえしていない事柄の影響を受けているかどうかなど、どうやって分かるのでしょうか。それとも原案者が元ネタを隠しているだけなのでしょうか。といった具合に、早くも「鶏が先か卵が先か」の討論が始まってしまうのです。
Source “Kaufland” | Source “Knudsen Creamery Company”

Source “Sennheiser” | Source “Seiyu Stores”
セマンティクスは真似を活用する
セマンティクスは私たちを快適に導いてくれます。広く知られているピクトグラムが、ブランドランゲージへと作り変えられる。セマンティクスとは意味が広く知られたシンボルを認識することを言います。非常口の標識、ハンバーガーのアイコン、または電源スイッチのシンボルを想像してみてください。これらを使用することで、私たちがデザインしたものは幅広い様々な人々を快適にすることができます。こういったマークを使用したことを「盗んだ」とは誰も言いませんよね。とはいえ、これは「真似」なのです。

Source “Astra” | Source “Schweizerische Zentralstelle für Flüchtlingshilfe”


Source “Uber” | Source “Carl Christiansen”
「違うものを創ろうとして創ったものが良いものであることはめったにないが、よりよいものを目指して創られたものは常に違うものである。」-ディーター・ラムス
このことを熟考しながら、「盗むこと」と「真似すること」の言葉の使い方を変えました。「盗むこと」は、大変な作業をただ省くだけのものですが、「真似すること」は学ぶ機会を与えてくれます。「盗むこと」はいかなるデザインの題材であっても、同様の結末となる宿命にあります。とは言え、毎回新しい車輪を発明したかのように見せる必要はありません(たとえ同じような方法でその車輪を販売していたとしても) デザインには複製可能な部分がたくさんあります。常に耳を傾け独創性を追求しなければ、クライントを満足させることはできず、悪い評判も立ち、個人的成長も見られないデザイナーで終わるでしょう。
あなたはどう思う?
あなた自身はアイデアを真似したことはありますか。それとも盗まれた本人?それに対処しましたか?もうオリジナル作品などありえないと思いますか?ぜひあなたの意見を聞かせてほしい。
「完全オリジナルなロゴは存在しない」という前提からデザインを始める
ロゴデザインの制作現場で、「このロゴは完全にオリジナルか?」という問いには慎重に答える必要があります。デザイン史に存在する無数のロゴの中には、シンプルな幾何学形、頭文字のモノグラム、動物や植物のモチーフなど、ほぼすべてのパターンに何らかの前例が存在します。
この現実を受け入れた上で、デザイナーが目指すべきは「100%のオリジナリティ」ではなく、「類似する先行作品と十分に識別できる独自性」です。似たような発想の前例があっても、細部の処理、比率のバランス、配色の選択、コンセプトの文脈によって、結果として別物として成立するロゴを作ることができます。
制作時には、デザイン案が固まった段階で「類似ロゴ調査」を行い、世界中の商標データベースやロゴアーカイブで近似するロゴがないかを確認する工程を挟むことが推奨されます。自覚的に類似をチェックすることが、意図しない模倣を防ぎ、結果として独自性のあるロゴを生む近道です。
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