デザイナーなら多かれ少なかれお世話になっているPANTONE(パントン)が、デジタルソリューション向けに新色315種を発表。また、英マクドナルドが24時間営業をエモーショナルに訴える新しいテレビCMキャンペーンを展開しました。
PANTONEが新たに315色を発表
色見本帳などで有名な米PANTONE社が新しい色315種を発表しました。ひとびとの社会や世界に対する見方が変化していることや、テクノロジーの進化、世界的な展望などがデザインにおける色に影響を与えます。
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そこでPANTONE社のおこなったトレンド予測、クライアントと消費者の調査結果に基づいてカラーシステム「ファッション、ホーム + インテリア」のアップデートがおこなわれました。
カラーシステム全体にわたって新しい色が追加されています。
たとえば赤に対する認識は従来よりも深まっていて、Fire Whirl(火災旋風)、Adrenalin Rush(興奮状態)、Watermelon(スイカ)といった新色が追加されました。
また、これまで女性や子供との関連性で使われることの多かったピンクには、Slightly Pink(わずかなピンク)、First Blush(第一印象) 、Tender Touch(やさしいタッチ)、Sangria Sunset(サングリアサンセット)、Viva Magenta(ビバマゼンタ)といった新しい意味を持つ色が含まれています。
同じように青・紫・オレンジ・黄・ブラウン・ニュートラル&トープ・緑・白・グレー・黒などにも色が追加されました。
「ファッション、ホーム + インテリア」はファッション、ホーム、インテリア等の業界向けに開発され、 世界中で幅広く普及・定着しているカラーシステムです。
マクドナルドのやさしさに満ちたCM
ファストフードのマクドナルドが2016年に英国で展開した「We are awake(私たちは眠らない)」キャンペーンは、大多数の人々が眠りについている深夜から早朝にかけて活動する人々にフォーカスを当てたものでした。
タクシー運転手、航空管制官、夜遊びから家路に急ぐ若者、赤ん坊をあやす母親、真夜中の海から戻ってきた漁師たちなどの姿をやさしい眼差しで描いたテレビCMのトーンは極めて落ち着いたものです。ささやくような女性ボーカルを背景にさまざまな夜の情景が流れます。マクドナルドの従業員や店内、屋外看板なども登場しますが、あくまでも夜の風景のひとつとしての控えめなものです。
CMの最後に「私たちは眠らない」というタグラインが現れ、「600を超える店舗が24時間営業」という文言とロゴで締めくくられます。
今年の3月に「私たちは眠らない」キャンペーンの2020年バージョンが開始されました。制作は2016年と同じく、伝説のコピーライター、レオ・バーネット(Leo Burnett)が創設した広告制作会社レオ・バーネットのロンドン支社です。
「Night workers(夜間労働者)」と名付けられた新しいキャンペーンのテレビCMでは、2016年バージョンをベースにしながら対象を働く人たちに絞り込んでいます。深夜23時に目覚ましが鳴り出かけるシーンから始まり、道路工事、タクシー、病院、劇場など夜中の労働が描かれます。
動画を見る方のお楽しみのために詳しい説明は控えますが、ハッとさせられるとともにリスペクトを感じる演出です。
夜中に働くひとびとをマクドナルドのスタッフが笑顔で迎える最後のシーンで、マクドナルドの24時間営業の「価値」が伝わってきます。画面には「私たちのほとんどが見たことのない世界のために700を超える店舗がサービスを提供しています」というメッセージの後に、「あなたが眠らないのであれば、私たちも眠りません」というタグラインとロゴが締めくくります。
ヒット映画の続編の方が面白い、デビュー2作目に名作アルバムが多い、というようなことを耳にすることもありますが、今回のマクドナルドのキャンペーンもすぐれた続編と言えるでしょう。
【参考】
Pantone unveils 315 new colours in digital expansion move – https://www.designweek.co.uk/issues/2-8-march-2020/pantone-unveils-315-new-colours-in-digital-expansion/
McDonald’s Film Advert By Leo Burnett: Night workers | Ads of the World™ – https://www.adsoftheworld.com/media/film/mcdonalds_night_workers
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