故人を偲ぶ場に、穏やかな彩りを添える紙袋デザインを作成しました。
葬儀の場で使用される返礼品などを入れるための紙袋です。従来の厳粛なイメージとは一線を画し、受け取った方の気持ちにそっと寄り添うような、優しさと温かみを感じられるデザインを目指しました。白を基調とすることで清潔感を保ちつつ、淡い色彩のパターン模様をあしらい、悲しみの場にふさわしい品格と、穏やかな印象を両立させています。
淡く優しい色彩のハーモニー
メインとなるグラフィックは、ピンク、黄色、紫といった暖色系の淡いドット柄です。これらの色は、直接的な悲しみを表現するのではなく、故人との温かい思い出や、残された方々の心を少しでも和らげたいという想いを込めて選定しました。ランダムに配置されたドットは、単調にならず、見る人に優しいリズム感を与えます。主張しすぎない柔らかな色調は、厳かな雰囲気の中でも浮くことなく、自然にその場に溶け込みます。
穏やかな曲線がもたらす安心感
紙袋の下部には、アースカラーの穏やかな波型のラインを配置。これは、デザイン全体を引き締めるとともに、視覚的な安定感と安心感を与える要素です。この曲線の上に、サービスのロゴマークと名称がバランス良く配置されています。マークや文字も、全体の優しい雰囲気に合わせて、角の取れた柔らかな印象のものが選ばれており、細部にまで一貫したデザイン思想が感じられます。
悲しみの場に、そっと寄り添うデザインを目指して
葬儀の場で用いられるアイテムは、どうしても暗く、重々しいトーンのデザインが多くなりがちです。しかし、故人を偲び、見送るという大切な時間は、単なる悲しみだけではなく、感謝や思い出といった温かい感情も交錯する場ではないでしょうか。私たちは、そうした複雑な心情に寄り添い、少しでも穏やかな気持ちでその時間を過ごせるような、葬儀用パッケージのあり方を模索しました。
過度な装飾や、強いメッセージ性を排し、あくまで控えめに、それでいて受け取った人の心に小さな灯をともすような、そんなデザインを意図しています。白を基調とした清潔感、淡い色彩の優しさ、そして穏やかな曲線。これらの要素が組み合わさることで、従来の葬儀用品のイメージを刷新しつつも、決して場違いにならない、品格のある佇まいを実現できたと考えています。
ドット柄に込めた想い
中心的なモチーフであるドット柄は、様々な解釈を許容する抽象的な表現です。一つ一つのドットが集まって模様を成す様子は、故人との様々な思い出の断片や、人々との繋がりを象徴しているようにも感じられます。また、あえて均一ではないランダムな配置とすることで、自然で優しい、手作り感のある温かみを加えています。ピンク、黄色、紫の各色が重なり合う部分もあり、それが深みと複雑さを与え、単なる可愛らしさだけではない、落ち着いた印象を生み出しています。フォントの選定においても、デザイン全体のトーンを踏襲し、柔らかく、視認性の高いものが使われています。
手にした時の印象を大切に
紙袋は、単に物を入れるための道具であるだけでなく、贈る側の想いを伝え、受け取る側の気持ちに影響を与えるコミュニケーションツールでもあります。特に葬儀のようなデリケートな場面においては、そのデザインが与える印象は非常に重要です。この紙袋を手にしたとき、重苦しい気持ちが少しでも和らぎ、故人を偲ぶ気持ちに静かに寄り添えるような、そんな存在であってほしいと考えています。デザインの力で、悲しみの場におけるコミュニケーションを、より温かく、人間らしいものにできる可能性があるのではないでしょうか。グラフィックを通じて、そうした細やかな配慮や想いが伝わることを願っています。
制作パッケージデザインに対する感想
VOICE ※第三者による感想です
葬儀のイメージが変わる、優しいデザインですね。
明るい色なのに、派手じゃない
正直、葬儀で使う紙袋と聞いて、最初は黒やグレーのような暗い色を想像していました。でも、この紙袋は白ベースにピンクや黄色、紫のドット柄で、すごく優しい雰囲気ですね。明るい色を使っているのに、全然派手じゃなくて、むしろ心が落ち着くような感じがします。ドット柄も、可愛らしいけど子供っぽくはなくて、上品さもちゃんとある。これなら、厳かな場所でも違和感がないと思います。今まで持っていた「葬儀=暗い」というイメージが、少し変わりました。これなら、受け取った側も、少し気持ちが安らぐのではないでしょうか。
細やかな心遣いが伝わる
全体的に、すごく優しい感じがします。下のほうに入っている波みたいな線も、角ばってなくて柔らかいし、ロゴマークや文字も丸っこい感じで、堅苦しさが全然ないですね。葬儀って、やっぱり気持ちが沈んでいることが多いと思うんです。そんな時に、こういう柔らかくて温かいデザインの紙袋が出てきたら、少しホッとするかもしれません。細かい部分まで、使う人の気持ちを考えて作られているんだろうな、という心遣いが伝わってくるようです。デザインって、こういう風に人の気持ちに寄り添うこともできるんだな、と感じました。
※掲載デザインサンプルのモックアップはイメージです。実際の製品・パッケージと仕上がりが異なる場合がございます。