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ブランドイメージ

ブランドイメージと売上の関係とは?デザインが顧客心理に与える影響


ブランドイメージ

ブランドの価値を高め、長期的なビジネスの成功につなげるうえで「イメージづくり」は非常に重要です。企業や商品を一目見て「どんなブランドか」を想起してもらえるかどうかは、顧客がそのブランドに抱く好意度や信頼感、ひいては購買行動を左右します。特に、私たちが日常で目にするロゴやパッケージといった「デザイン」は、ブランドの印象形成に大きく貢献する要素です。

本記事では、ブランドイメージが売上にどのような影響を与えるのか、そしてデザインが顧客心理に及ぼす具体的な影響や、その応用方法について解説していきます。企業や商品のブランディングに携わる方はもちろん、デザイナーやマーケティング担当者にとっても、ヒントとなる内容をお届けします。

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ブランドイメージとブランドアイデンティティ

ブランドイメージとブランドアイデンティティ

まず、ブランドイメージと混同されがちな言葉として「ブランドアイデンティティ」があります。ブランドアイデンティティは、企業側が「自社(自ブランド)はこうありたい」という理想の姿やコンセプトを示すものです。たとえば、高品質・高級路線でいくのか、手軽で身近なイメージを打ち出していくのかなど、企業が設定する戦略の核となる部分になります。

一方で、ブランドイメージは、そのブランドに対して「顧客が抱く認識や印象」を指します。つまり、ブランドアイデンティティが企業発信の“自己像”であるのに対し、ブランドイメージは市場における“他者評価”に近い概念といえます。

ここで重要なのは、ブランドアイデンティティとブランドイメージが大きくかけ離れてしまうと、企業の狙いが顧客にきちんと伝わらず、結果的に「何を提供しているブランドなのか」が曖昧になってしまう点です。認知度や売上を伸ばすうえでも、ブランドアイデンティティを明確に打ち出し、それを顧客の心にしっかりと根付かせる工夫が求められます。その際、大きな力を発揮するのが「デザイン」です。

 

デザインが与える顧客心理への影響

顧客心理

それでは、実際のビジュアル要素にはどのような心理的効果があるのでしょうか。代表的な例としては、以下のようなポイントが挙げられます。

色彩が与える印象

色にはそれぞれイメージや心理的効果があります。たとえば、赤は情熱やエネルギーを連想させ、緑は自然や安心感を与えるといわれています。企業ロゴやパッケージデザインを考える際、この色彩心理をうまく活用することで、顧客が商品やサービスに対して抱く感情をコントロールすることが可能です。飲食店のロゴや看板に赤やオレンジが多いのは、食欲を刺激する効果を期待しているためといわれています。

さらに、色の組み合わせは見る人に対して「洗練された印象」や「ポップで楽しげな印象」などを与える重要な要素です。配色バランスやコントラストを計算することで、ブランドが持つメッセージや雰囲気をしっかりと際立たせることができます。

形状・レイアウトの持つ力

丸みのある形状は柔らかさや親しみを感じさせ、直線的なデザインは堅実さや洗練を連想させます。たとえば、ファッションやコスメなど女性を主なターゲットとするブランドでは、曲線的で柔らかい雰囲気のロゴやパッケージを使うことで、親しみやすさや可愛らしさを演出することが多いです。逆に、IT企業や製造業などの場合には、シャープで直線的なデザインを用い、技術力や信頼性を印象づけるケースが見られます。

また、ロゴやパッケージの配置、文字や画像のレイアウトといった視覚要素の「余白」や「配置」も重要です。余白を大きくとると、スタイリッシュかつ高級感を演出できる一方、情報量が少なすぎると「どんな商品なのかわからない」と感じる人も出てきます。そのため、配置や余白の使い方といったデザイン上の細部にも、戦略的な意図をこめる必要があります。

フォントが与える印象

文字の形やデザインである「フォント」も、顧客のイメージ形成に影響を与える大事な要素です。丸ゴシック体のように柔らかくポップな印象を与えるものから、明朝体のように落ち着きや高級感を感じさせるものまで、フォント選びはブランドの雰囲気を左右します。

たとえば、高価格帯で高級感を打ち出すブランドがカジュアルなイメージのフォントを使えば、顧客は少し違和感を持つかもしれません。逆に、カジュアルで親しみやすいブランドが固い印象のフォントを使うと、ターゲットとなる層とのイメージギャップを生み出してしまいます。デザインを検討する際は、色や形状だけでなくフォント選びにまで配慮することが欠かせません。

 

ブランドデザインが売上向上に寄与するしくみ

売上向上

ブランドイメージの構築において、デザインが果たす役割を押さえたところで、ではどのように売上につなげていくのか、その仕組みを考えてみましょう。

認知度と印象の刷り込み

覚えやすく、かつブランドの特徴がはっきりと伝わるロゴやパッケージは、顧客の記憶に深く刻まれます。一度見たときは何とも思わなくても、繰り返し接触することでイメージが定着し、好意度や購買意欲が高まる現象を「ザイオンス効果(単純接触効果)」といいます。

たとえば、街を歩いているとき、電車の中吊り広告で見かけたとき、SNSのフィード上で流れてきたとき…どこにあっても「このブランドだ」とわかるビジュアル要素が整備されていると、それだけで顧客心理に強く訴求します。その結果、実際に商品を買う場面で「見たことがあるから安心」と感じてもらえるのです。

ブランドの信頼感や付加価値の向上

デザインは「おしゃれ」「かっこいい」「かわいい」といった感覚的価値を与えるだけでなく、ブランドの信頼性や専門性を強化する役割も担います。洗練された統一感のあるデザインは、顧客に「こだわりを持って商品づくりやサービス提供をしているブランドなのだろう」といったポジティブな印象を与えやすくなります。

すると、価格が少し高くても「このブランドなら安心して買える」と思ってもらえるようになり、ブランドとしての付加価値が高まります。これは、単なる見た目のかっこよさだけでなく、実用面や品質面にも気を配っていることが伝わるからです。デザインと品質が両立しているイメージを持ってもらえると、長期的に高い顧客ロイヤルティを獲得しやすくなります。

顧客とのコミュニケーションを円滑にする

パッケージや広告デザインの中に、商品の特徴や使い方をわかりやすく盛り込むことで、顧客が商品を手に取る際のハードルを下げることができます。たとえば、化粧品であれば「敏感肌にも優しい」「天然素材100%」といった情報をイラストやアイコンで表示するなど、ビジュアルで訴える工夫をすると、文字情報だけでは伝わりにくい部分も補完することができます。

また、SNSや公式サイトで展開するビジュアルコミュニケーションも、ブランドの世界観をより深く知ってもらう絶好の機会です。動画であれば使い方を実演しながら、デザインのコンセプトやブランドのストーリーを伝えられます。こうしたコミュニケーションの積み重ねが、顧客との深い信頼関係を築く土台となります。

 

ブランドデザインを強化するためのヒント

継続的に検証

では、実際にブランドデザインを強化するためには、どのようなステップを踏めばよいのでしょうか。いくつかのヒントを挙げてみます。

ターゲットの明確化

デザインを考えるうえで、まず重要なのは「誰に向けてブランドを発信するのか」を明確にすることです。たとえば、若い女性向けなのか、ビジネスパーソン向けなのか、ファミリー層なのか。ターゲットのライフスタイルや価値観を把握することで、最適な色使いやフォント、デザインモチーフを選択できるようになります。

コアメッセージの一貫性

ロゴやパッケージだけでなく、商品写真や広告ビジュアル、SNSの投稿画像など、あらゆる接点で一貫したメッセージを発信することが大切です。たとえ新商品を出す場合でも、ブランドの世界観やコアメッセージがブレてしまうと、顧客の混乱を招く可能性があります。「このブランドはこういう価値を大切にしている」という軸をしっかり保ちながら、細部にわたるデザインガイドラインを作っておくと、方向性を見失いにくくなります。

顧客の反応を継続的に検証する

デザインは一度完成したら終わりではなく、常に時代やターゲットの変化に合わせて見直す必要があります。SNSやアンケートを活用して顧客の反応を分析し、デザインを改善する取り組みを繰り返すことで、よりブランドイメージと顧客の理想像とが合致しやすくなります。たとえば、デザインの変更が売上や問い合わせ件数にどう影響したかを追跡し、PDCAサイクルを回すと、デザイン投資の成果を定量的に把握できます。

 

まとめ

ブランドイメージと売上は密接に結びついており、その懸け橋となるのが「デザイン」です。色彩や形状、フォントといった視覚的要素が顧客心理に大きな影響を与え、それが「覚えやすさ」「信頼感」「購買意欲」へとつながる仕組みを理解することが重要になります。デザインを駆使してブランドアイデンティティを顧客の心に刻み込むことで、単なる商品購入ではなくブランドへの愛着やロイヤルティを育むことができるでしょう。

さらに、顧客とのコミュニケーションを円滑にし、商品の魅力をスムーズに伝える役割もデザインが担っています。ターゲットやメッセージを明確にしながら、継続的にデザインをブラッシュアップしていくことで、ブランドイメージと売上を相乗的に高めることができるはずです。

ぜひ、今回の内容を参考に、自社ブランドや商品のデザイン戦略を改めて見直してみてください。きっと、ブランドの世界観をより多くの顧客に伝え、愛される存在へと成長させるヒントが見つかるのではないでしょうか。

 

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