映像制作は高い!という概念が壊れそうなサービス【Artgrid】がやばい。
Adobe StockやShutter Stockなどの大手素材提供サービスの中でも、特に【映像】というのは別格の存在でした。写真やイラストは月額制(サブスクリプション)で何十枚〜数百枚と、価格に応じてかなり自由に利用できます。うちはチーム用にグループ契約していますが、毎月使い切れていません。実質、無限に使えるようなものです。
しかし、それは静止画像(写真・イラスト)の話であって、映像素材については別次元です。映像は1点ごとの単品購入が基本で、価格もそれなりに高く(数千円から数万円)、おいそれと利用できませんでした。
破格の月額制 映像素材【Artgrid】現る
しかしながら、この【Artgrid】はその常識をぶち壊します。なんと月額制(サブスクリプション)かつ、驚くべきことに無制限DLです。特筆すべきは、映像素材のセンスが格段に良い事です。作品と言えそうなものもチラホラ…。自前で撮影しようとしたらいくら請求しないといけないだろうか…と考えてしまいますね。※月額払いですが、年間契約なのでご注意ください。
さらに、姉妹サービスの【Artlist】はハイクオリティな楽曲をこちらも月額制で提供しています。その二つを組み合わせると、こんなミュージックビデオが半日で出来てしまいます。
【Artgrid】と老舗映像素材サービスとの違い
同様のサービスに、Storyblocksが存在しています。(うちはStoryblocksも利用しています)
リリースされたばかりのArtgridとは反対に、Storyblocks(旧 Videoblocks)は長年経営されており、そのフッテージ(映像素材)の数も膨大です。
両方利用してみて感じること
・Artgridの良さ
ArtgridとStoryblocks どちらも利用してみて感じることは、どちらかのみだと幅広いニーズには応えにくいかなということです。Artgridのフッテージのクオリティには目を見張るものがあります。しかし、ややアーティスティックな表現を強調したものが多く、親しみのある広告などには使いにくいかもしれません。でも、めちゃくちゃ格好良い。その点では群を抜いています。
VJなどの映像表現に特化した職種の人はArtgridを優先的にチョイスした方が良いでしょう。
・Storyblocksの良さ
StoryblocksはArtgridと比較すると、まず圧倒的に素材の数が多いです。これはやはりサービスの運営歴の長さによるものでしょう。同時に明らかに古い映像素材も混ざっています。尖った映像、ストーリーが見えるような余韻のある映像、そういったものは少ないです。Artgridよりも無難なものが多いと言えるでしょう。(しかし、そういった素材の方が仕事で使う機会が多い事を皆さんも知っているのではないでしょうか…)
企業向けの堅めの仕事などであれば、Storyblocksの方が今の所は頼りになるかもしれません。
こちらはStoryblockの素材を中心に編集したものです。
ライセンスはどうなの?
【Artgrid】は商用利用が可能なライセンスを提供しています。事業利用する立場としてありがたいのが、モデルが出演している映像には「モデルリリース」が付属している事です。ライセンスがクリアであることが書面できちんと書かれているというのは安心感があります。
映像制作はこれからどうなる?
グラフィックデザインの制作における金銭的・時間的コストは、写真素材集の存在によって大きく軽減されました。もちろんそれらを使用しない広告もあり、実務レベルの話で言えば予算に応じてケースバイケースだと思います。
広告素材の月額制は、実質大幅な低価格化です。その波が映像素材にもやってきています。一旦下がった価格水準は余程のことがない限りは上がりません。
手仕事の価値が再評価されている一方で、ソフトの進歩やこうした素材サービスの台頭によって、制作にかけるコストは下げようと思えば下げられるようになりました。映像制作に関しては比較的価格の変動はグラフィックデザインなどに比べて緩やかだと感じていましたが、今後はグッと低価格化(二極化)が進むかもしれません。
こういった波はデザイン業界に限らず、世の中いろんなタイミングで、あらゆる所で発生しています。個人的にはうまく乗りこなして行きたいなと思っています。
※サービスの利用について不明な点などは、運営元に問い合わせてみてください (チャットシステムもあります)