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「すごいデザイン=稼げる」は本当? スキルだけじゃない、デザイナーの生存戦略

今日は、多くのデザイナーさんが一度は考えたことがあるかもしれないテーマについてお話ししたいと思います。それは、「デザインスキルと稼げるかどうかは、必ずしも比例しないんじゃないか?」ということです。

特にフリーランスとして活動していると、「すごいスキルを持っているのに、なかなか仕事に繋がらない…」という話を聞くこともあれば、逆に「あの人、すごく上手くやっているな」と感じる場面もありますよね。周りのデザイナーの話を聞いていても、スキルが高いことと、ビジネスとして成功していることが、必ずしもイコールではないと感じることがよくあります。成功している人たちは、デザインそのものだけでなく、「売り方」や「見せ方」、つまりプロモーションが非常に巧みだと感じます。

デザインのスキルを一生懸命磨いているのに、なかなか思うように仕事に繋がらない、収入が増えない…そんな悩みを抱えている方もいるのではないでしょうか。

今日はこのテーマ、「デザインスキルと稼ぎの関係」、そして「じゃあどうすればいいのか?」について、僕なりに少し掘り下げて考えてみたいと思います。フリーランスとして活動してきた経験も踏まえつつ、皆さんと一緒に考えていけたら嬉しいです。

 

「スキルがあれば何とかなる」という幻想

デザイナーを目指し始めた頃、僕もそうでした。「とにかくPhotoshopやIllustratorを使いこなせるようにならなきゃ!」「イケてるデザインを作れるようになれば、仕事なんて向こうからやってくるはず!」って。寝る間も惜しんでソフトの勉強をしたり、有名なデザイナーの作品を真似てみたり… スキルアップに夢中でした。

もちろん、デザインスキルはデザイナーにとっての核であり、土台となるものです。これがなければ話になりません。日々スキルを磨き続けることは、プロとして当然の姿勢だと思います。

でも、ある程度の経験を積んで周りを見渡してみると、「めちゃくちゃデザインスキルが高いのに、なぜかあまり稼げていない人」と、「スキルはそこそこと言ったら失礼かもしれないけれど、すごく上手く立ち回ってしっかり稼いでいる人」がいることに気づき始めました。

「あれ? スキルだけが全てじゃないのかも…?」

そう感じ始めたのは、フリーランスとして独立して、自分で仕事を取ってこなければならなくなってからです。会社にいれば、営業さんが仕事を取ってきてくれたり、ディレクターがクライアントとの間に入ってくれたりします。でも、フリーランスは基本的に全部自分。デザインを作るだけじゃなく、仕事を見つけ、交渉し、納品し、請求する…という一連の流れを全てこなす必要があります。

そこで痛感したのが、「売り方」「見せ方」の重要性でした。

 

クライアントが見ているのは「スキル」だけじゃない

考えてみれば当たり前なのですが、クライアントはデザイナーの「スキル」そのものを買っているのではありません。クライアントが欲しいのは、デザインによってもたらされる「課題解決」や「価値」です。

  • 「このパンフレットで、もっと集客を増やしたい」
  • 「ウェブサイトをリニューアルして、ブランドイメージを向上させたい」
  • 「新商品のパッケージデザインで、競合と差別化したい」

クライアントは、こうした目的を達成するためにデザインを依頼します。だから、デザイナーを選ぶときも、「この人は自分の課題を解決してくれそうか?」「この人に頼めば、期待する価値を提供してくれそうか?」という視点で見ているはずです。

もちろん、ポートフォリオを見てデザインのクオリティはチェックします。でもそれと同じくらい、あるいはそれ以上に、

  • コミュニケーションは円滑か? (ちゃんとこちらの意図を汲み取ってくれるか)
  • 提案は的確か? (課題の本質を理解してくれているか)
  • 信頼できそうか? (納期や約束を守ってくれそうか)
  • 自分のビジネスを理解しようとしてくれているか?

といった点も、無意識的に評価しているのではないでしょうか。

いくらデザインスキルが高くても、コミュニケーションが一方的だったり、提案が的外れだったり、なんだか信頼できない雰囲気だったりしたら… クライアントは不安になりますよね。「この人に任せて大丈夫かな?」と。

つまり、デザインスキルと同じくらい、自分の価値を相手に正しく伝え、信頼してもらうための「見せ方」や「コミュニケーション能力」が大切になってくる、ということです。

 

「稼げるデザイナー」は何が違うのか?

デザイナー

僕がこれまで見てきた「しっかり稼いでいるな」と感じるデザイナーさんたちは、やっぱりこの「見せ方」「伝え方」がとても上手です。

具体的にどんなところが上手いと感じるか、いくつか挙げてみます。

  • ポートフォリオが「作品集」で終わっていない:ただ綺麗な作品を並べるだけでなく、そのデザインが「誰の」「どんな課題」を「どのように解決したのか」というストーリーが添えられています。制作の意図やプロセス、そして可能であれば具体的な成果(「サイトリニューアル後、問い合わせが〇倍に増えました」など)まで示されていると、クライアントは「この人に頼めば、うちの課題も解決してくれそうだ」と具体的にイメージしやすくなります。
  • 自分の「強み」や「専門性」を明確に打ち出している:「なんでもできます!」というスタンスも悪くはないですが、「〇〇業界のデザインならお任せください」「ミニマルで洗練されたデザインが得意です」「ユーザー視点に立ったUI/UXデザインを強みにしています」のように、自分の得意分野や提供できる価値を明確に示している人が多いです。これにより、特定のニーズを持つクライアントから「この人だ!」と選ばれやすくなります。
  • 発信力がある(SNS・ブログなど):自分の考えやデザインに対する姿勢、仕事のプロセスなどを積極的に発信しています。これは単なる自己満足ではなく、自分の人となりや専門性を知ってもらうための重要な手段です。継続的な発信を通じて、「このデザイナーはどんな考えを持っているんだろう」「どんな仕事ぶりなんだろう」というクライアントの疑問に答え、信頼関係を築くきっかけになります。
  • コミュニケーションが丁寧で的確:クライアントの話をしっかり聞き、意図を正確に汲み取る力。そして、専門的な内容もわかりやすい言葉で説明する力。こうしたコミュニケーション能力が高い人は、クライアントに安心感を与え、スムーズなプロジェクト進行を実現します。結果として、「またこの人に頼みたい」と思われやすくなります。

もちろん、これは「頂点クラス」と呼ばれるような、圧倒的なスキルと実績を持つデザイナーさんにも当てはまることです。でも、僕が言いたいのは、トップ層だけでなく、多くの「ちゃんと稼げている」デザイナーさんが、こうしたスキル以外の部分にも力を入れているという事実です。

じゃあ、僕たちは何をすればいい?

「なるほど、スキルだけじゃダメなのはわかった。でも、具体的に何をすればいいの?」

そう思いますよね。僕もまだまだ試行錯誤の途中ですが、意識していることをいくつか挙げてみます。

  • 自分の「価値」を言葉にする:自分が提供できることは何か? どんなクライアントの役に立ちたいのか? 自分の強みはどこにあるのか? これらを改めて考え、言葉にしてみましょう。キャッチコピーを作るような感覚で、簡潔に表現できると良いかもしれません。
  • ポートフォリオを見直す:ただ作品を並べるだけでなく、「誰のどんな課題をどう解決したか」という視点を加えてみましょう。クライアントが知りたい情報を意識して、構成や説明文を工夫するだけでも、見え方は大きく変わるはずです。
  • 「伝える」練習をする:デザインの意図や提案内容を、専門用語を使わずに、相手にわかりやすく説明する練習をしてみましょう。家族や友人に聞いてもらうのも良いかもしれません。相手に「なるほど!」と思ってもらえるような伝え方を目指したいですね。
  • 小さな発信から始めてみる:ブログやSNSで、自分の考えやデザインについて発信してみるのもおすすめです。最初から完璧を目指さなくて大丈夫。「こんなことを考えた」「こんな工夫をしてみた」といった小さなことからでOKです。続けるうちに、自分の考えが整理されたり、思わぬ繋がりが生まれたりするかもしれません。
  • 他のデザイナーの「見せ方」を研究する:自分が「上手いな」と感じるデザイナーさんが、どのように自分を表現し、仕事に繋げているのか観察してみましょう。ポートフォリオサイト、SNS、ブログなどをチェックして、参考にできる部分を探してみるのも勉強になります。

 

まとめ – デザインスキルとビジネススキルの両輪を回そう

デザインスキルを磨き続けることは、デザイナーとしての大前提。それは間違いありません。でも、それだけで「稼げるデザイナー」になれるかというと、残念ながらそうとは限らないのが現実です。

クライアントの課題を解決し、価値を提供するためには、スキルに加えて、自分の価値を正しく伝え、信頼を築き、ビジネスとして成立させるための「売り方」や「見せ方」、いわば「ビジネススキル」も必要不可欠です。

デザインスキルというエンジンと、ビジネススキルというハンドル。この両輪がしっかり噛み合って初めて、デザイナーとしての道はスムーズに進んでいくのかもしれません。

「スキルはあるはずなのに…」と悩んでいる方は、少し視点を変えて、自分の「見せ方」や「伝え方」を見直してみてはいかがでしょうか。そこに、現状を打破するヒントが隠されているかもしれません。

僕もまだまだ道半ばですが、スキルとビジネス、両方の視点を持ちながら、これからもデザイナーとして成長していきたいと思っています。

 

頂点クラスのデザイナーさんは置いておいて、デザインの凄さと稼げるかどうかは必ずしも比例しないと思います。売り方や見せ方も超大切。食えてる人たちの話を聞くと、プロモーションがとても巧いと感じます。

X (Twitter) – Feb 24, 2018



この記事は過去の自分のX(Twitter)のポストを元に、編集しています。

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グラフィックデザインを中心とした小さなデザイン事務所を経営しています。スタッフや外部のデザイナーさん・ライターさんに助けられながら、コツコツと地道に仕事をする日々が気に入っています。パッケージメーカーのデザイナーとして新卒入社→美容系のベンチャーに転職→家庭用品メーカーに転職...という流れを経て、その後独立しました。フリーランスデザイナーとして、10年以上の経験から学んだことや雑記をブログにしています。情報発信が趣味に近く、それが興じてPhotoshop関連の本を出版したり、noteを執筆したりしています。