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ブラック労働

デザイン業界のブラック化を防ぐ意識づくり – 過去の経験をどう伝えるか。

デザインの世界は、ブラックな環境が当たり前と言う描写をドラマや小説でよく読む気がします。確かに、厳しい業界であることは否めませんが、それを良しとする風潮には疑問を感じます。

特に、今の中堅デザイナーは負の遺産を若手に持ち越さない準備をし始めるべきではないかと思っています。

 

デザイン業界のブラック化は肯定されがち

デザイン事務所

どこの業界にもその業界なりの苦労はあると思いますが、デザイン業界もブラックが状態化しています。デザイン業界では、「あの大変な時期があったから今があるんだよ」という先輩デザイナーの言葉を耳にすることがあります。

確かに僕自身、過去の厳しい経験が現在のスキルや結果に繋がっていることは否定できません。クライアントの無理な要求やタイトな納期を乗り越えることは、デザイナーにとって成長やスキル獲得のチャンスでもあるでしょう。

しかし、「成長のチャンスだから」を理由に、現在の若手デザイナーに同じ過酷な環境を押し付けることは問題です。ブラック環境を肯定し続けることは、業界全体の健全な発展を妨げる要因となってしまいます。

 

ブラック環境の肯定が生む弊害

クライアント

過去の経験を美化し、後進にも同じ苦労を強いる風潮は、若手デザイナーの成長を阻害するだけでなく、業界全体のイメージダウンにも繋がります。

また、「どうせブラックだから」と無謀なリクエストを出すことが当たり前になると、さらに業務が圧迫されるという負のスパイラルにも陥りやすくなるでしょう。

労働環境が厳しいことで知られる業界は、新しい才能も入りにくくなるので、長期的に考えると業界が先細るリスクがあります。ただでさえ生成AIが著しい進化を遂げている今、それは得策ではないでしょう。

 

未来のデザイナーのために健全な労働環境を作る

サポート

厳しい環境での過労やストレスは、クリエイティブな思考を必要とするデザイン業務にとって致命的です。過度な負担は創造力を削ぎ、デザインの質を低下させます。クライアントに対して最高の成果を提供するのが難しくなり、リテイクが多くなって業務が増えます。

では、どうすればデザイン業界のブラック化を防ぎ、健全な労働環境を作ることができるのでしょうか。業界の風通しをよくするためには、次のような改革が必要と考えます。

 

・過去の経験を参考にしつつも、現在の環境に適した新しい働き方を模索する

・労働時間と、適切な休息の管理を徹底する

・集中力や創造力が向上するよう、メンタルヘルスのケアも行う

 

先輩デザイナーが自らの経験を共有する際には、その苦労だけでなく、「どう乗り越えたか、どのように成長に繋がったか」を具体的に伝えることが重要でしょう。単に「大変だった」と言うのではなく、その経験から得た教訓や実践的なアドバイスを伝えることで、若手デザイナーは前向きに学び、成長することができるはずです。

 

次世代のためのデザイン業界改革

先輩後輩

デザイン業界が持続的に発展していくためには、過去のブラック環境をそのまま受け継ぐのではなく、より健全でクリエイティブな労働環境を構築することが不可欠です。

先輩デザイナーの経験を活かしつつ、現代の働き方に適した方法を取り入れることで、若手デザイナーが安心して働ける環境を提供できるのではないでしょうか。

 

まとめ

業界全体の発展と個々のデザイナーの幸福を両立させるために、今こそ働き方を見直し、改善する時です。未来のデザイナーたちにとって働きやすい環境を整えることは、業界に若い力を引き込み、適正な競争力を維持して自分たちを高めることにつながっていくでしょう。

 

デザイナーがブラック化する要因に、先輩たちがこぞって「あの大変な時期があったから今がある」とブラック環境を後から肯定する所にあると思います。 確かにそういう側面はありますが、それを後進のデザイナーに押し付けてはいけないと思います。

X (Twitter) – Oct 31, 2018



この記事は過去の自分のX(Twitter)のポストを元に、編集しています。

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グラフィックデザインを中心とした小さなデザイン事務所を経営しています。スタッフや外部のデザイナーさん・ライターさんに助けられながら、コツコツと地道に仕事をする日々が気に入っています。パッケージメーカーのデザイナーとして新卒入社→美容系のベンチャーに転職→家庭用品メーカーに転職...という流れを経て、その後独立しました。フリーランスデザイナーとして、10年以上の経験から学んだことや雑記をブログにしています。情報発信が趣味に近く、それが興じてPhotoshop関連の本を出版したり、noteを執筆したりしています。