
「初志貫徹」よりも大切なこと。学び続ける人が持つ柔軟性。
皆さんは、過去の自分の発言や考え方に対して、「あれ、今と言ってることが全然違うな…」と感じた経験はありませんか? 特に、自分で事業を立ち上げたり、何か新しいことに挑戦していると、周りから「前はこう言ってたのに」と指摘される場面もあるかもしれません。
日本では特に「一度言ったことは貫くべき」「初志貫徹」といった考え方が美徳とされる風潮があるように感じます。もちろん、それ自体が悪いことではありません。確固たる信念を持つことは、とても大切です。
でも、僕は「去年と言ってることが違う」状態は、必ずしも悪いことではないと考えています。むしろ、それは学び、成長している証なのではないでしょうか。
「学び」が考えを変えるのは自然なこと
特に起業したばかりの頃や、新しい分野に足を踏み入れた時、僕たちはスポンジのように多くのことを吸収しようとします。
- 新しい情報:本を読んだり、セミナーに参加したり、業界のニュースを追ったり。
- 人との出会い:尊敬する先輩経営者、刺激的な同業者、あるいは全く異なる分野で活躍する人。
- 実践と経験:実際にサービスを提供してみたり、プロジェクトを進めたりする中で得られる、成功体験や手痛い失敗。
これら全てが、僕たちの知識となり、血肉となっていきます。昨日まで「これが最善だ」と思っていたことが、新しい知識や経験によって「もっと良い方法があるかもしれない」「あの考え方は少し違ったかもしれない」と変化するのは、とても自然なプロセスだと思います。
もし1年間、たくさんの情報に触れ、様々な人と出会い、色々な経験をしたにも関わらず、考え方が全く変わらなかったとしたら、それはむしろ「何も学んでいない」「インプットを活かせていない」ということにならないでしょうか?
「一貫性がない」は、本当にダメなこと?
「朝令暮改(ちょうれいぼかい)」という言葉があります。朝に出した命令を夕方にはもう改めるという意味で、一般的には、方針が定まらず、あてにならないことの例えとして使われがちです。
確かに、チームで仕事を進める上で、リーダーの方針がころころ変わると、周りは混乱してしまいます。その点での一貫性は非常に重要です。
しかし、個人の「考え方」や「意見」のレベルで見たとき、変化を恐れるあまり、新しい学びや気づきに蓋をしてしまうことの方が、よほど大きな問題ではないかと僕は思います。
「前と言ってることが違う」と思われるのが恥ずかしい。
「一貫性がない」と評価されたくない。
そうした気持ちから、過去の発言に固執したり、内心では考えが変わっているのに、それを表明できなかったりするのは、もったいないことだと思います。過去の発言を無理に正当化したり、ましてや隠したり消したりする必要なんて、全くありません。
大切なのは「謙虚に学び続ける姿勢」
重要なのは、なぜ考えが変わったのか、その背景にある「学び」と「謙虚さ」ではないでしょうか。
新しい情報や他者の意見に真摯に耳を傾け、「なるほど、そういう考え方もあるのか」「自分の以前の考えは浅かったかもしれない」と素直に認め、より良い方向へと考えをアップデートしていく。このプロセスこそが、成長の本質だと思うのです。
もちろん、自分の軸がないまま、周りの意見に流されてばかりいるのは問題です。しかし、「学びたい」「もっと良くなりたい」という前向きな動機に基づいた変化は、むしろ歓迎すべきことだと僕は考えます。
それは、現状に満足せず、常に改善を求める姿勢の表れであり、変化の激しい時代を生き抜く上で、不可欠な柔軟性とも言えるでしょう。
「貫く」ことの本当の意味
最初に触れた「初志貫徹」や「信念を貫く」という言葉。これももちろん、とても大切な価値観です。
ただ、僕が思うに、この「貫く」べき信念というのは、最初から完璧な形で存在するものではないのかもしれません。
たくさんの学びと試行錯誤、時には苦悩や葛藤を経て、様々な経験をフィルターに通す中で、徐々に磨かれ、形作られていく「核」のようなもの。それが、本当に貫くべき信念なのではないでしょうか。
つまり、「貫く」という美徳は、たくさんの学びと変化を経た、その先にあるもの、と捉えることもできると思うのです。最初から何も学ばず、何も変えずにただ固執することが「貫く」ことではない。そう考えています。
変化を恐れず、学び続けよう
もしあなたが、過去の自分と今の自分の考えの違いに気づいて、少し戸惑いを感じているなら。それは、あなたが真剣に物事に向き合い、学び、成長してきた証ではないでしょうか。自信を持って、その変化を受け入れてください。
周りから「言うことが変わったね」と言われたら、「そうなんです、色々学んで考えが深まったんですよ」と、胸を張って言えたら素敵だと思います。(なかなか難しいですが…)
大切なのは、立ち止まらないこと。常にアンテナを張り、謙虚に学び、必要だと感じたら、変化することを恐れない勇気を持つことです。
僕自身も、まだまだ学びの途中です。きっと来年には、この記事で書いていることと、また少し違うことを考えているかもしれません。でも、それでいいと思っています。
起業した人は朝令暮改で良いと思う。去年と言ってる事違うじゃん!って、そりゃ1年で色々な人の話を聞いたら、たくさん学んで考え方も変わります。 謙虚で学ぶ姿勢があれば、考え方なんて変わって当然で、恥じる必要もツイ消しする必要もない。貫くのが美しとされるけど、それは学びと苦悩の先の話。
X (Twitter) – Oct 11, 2018