
空白の時間にこそ価値がある?あえて「やることないなぁ」を楽しむススメ
毎日、なんだか忙しいですよね。仕事やプライベートの予定、SNSのチェック、新しい情報のインプット…。気づけば、常に何かに追われているような感覚に陥っている人も多いのではないでしょうか。
「スケジュール帳が埋まっていないと不安」
「暇な時間があると、何か有益なことをしないともったいない気がする」
そんな声もよく聞きます。確かに、時間を有効活用することは大切です。でも、僕はちょっと違う考えを持っています。
実は、僕は「やることないなぁ…」と感じる、いわゆる “退屈な時間” が結構好きなんです。むしろ、意識的にそういう時間を作るようにしているくらいです。
今回は、なぜ僕が退屈を愛し、あえて余暇にガンガン予定を入れようとしないのか、そしてその「空白の時間」がもたらしてくれるものについて、少しお話ししてみたいと思います。
予定パンパンな毎日に、ちょっと待った!
現代社会は、とにかく「効率」や「生産性」が重視されがちです。常に何かを生み出したり、学んだり、活動したりしていないと、まるで時間を無駄にしているかのように感じてしまう空気がありますよね。
僕もデザイナーという仕事柄、常に新しい情報やトレンドを追いかけ、スキルアップに励む必要性を感じています。クライアントとの打ち合わせ、デザイン制作、修正対応…と、日中は目まぐるしく時間が過ぎていきます。
でも、そんな毎日だからこそ、意識的に立ち止まる時間が必要だと感じています。
「常に何かしていないと」という焦り
以前は、僕も「空き時間=何かインプットしなきゃ!」と躍起になっていた時期がありました。本を読む、セミナー動画を見る、他のデザイナーの作品をチェックする…。もちろん、それ自体は悪いことではありません。
でも、それを続けているうちに、なんだか頭の中が常に情報でパンクしそうな状態になってしまったのです。インプットしたことが右から左へ流れていくだけで、自分の血肉になっている実感が薄い。むしろ、情報過多で疲弊してしまっている自分に気づきました。
僕が「予定を詰め込まない」理由
それ以来、僕は意識的に「何もしない時間」を作るようになりました。週末に丸一日予定を入れない日を設けたり、仕事の合間にあえてぼーっとする時間を作ったり。
最初は少しソワソワしました。「本当にこれでいいのかな?」と。でも、続けていくうちに、その空白の時間が、実はとても豊かで、自分にとって必要不可欠なものだと気づいたのです。
「退屈」は創造性のゆりかご?
デザイナーとして仕事をしていると、「ひらめき」や「アイデア」が求められる場面が多くあります。面白いもので、必死にパソコンの前でウンウン唸っている時よりも、ふとした瞬間に良いアイデアが浮かぶことって、結構あるんですよね。
空白の時間が思考を整理してくれる
何もせず、ただぼーっとしている時間。それは、頭の中を整理整頓するための大切な時間なのかもしれません。日々大量にインプットされる情報や、抱えているタスク、悩み事…。そういったものが、意識の表面から一旦離れ、水面下でゆっくりと整理されていくような感覚があります。
ごちゃごちゃだった引き出しの中身を、一度全部出して、必要なものとそうでないものに分け、きれいに並べ直すような作業。それを、無意識のうちに脳が行ってくれているのかもしれません。
ぼーっとしている時にアイデアは生まれる?
シャワーを浴びている時、散歩をしている時、電車に揺られている時…。そんなリラックスした「空白の時間」に、忘れていたことを思い出したり、新しいアイデアがポンっと浮かんできたりする経験はありませんか?
これは、脳がリラックスモード(デフォルト・モード・ネットワークが活発な状態、なんて言われたりもします)になることで、普段とは違う繋がり方をして、創造性が刺激されるからだ、なんて話も聞きます。
僕自身、デザインに行き詰まった時ほど、一度作業から離れて散歩に出かけたり、ただ窓の外を眺めたりします。そうすると、不思議と新しい視点が見つかったり、解決策がひらめいたりすることがよくあります。「退屈」は、決して無駄な時間ではなく、むしろ創造性を育むための「ゆりかご」のような役割を果たしてくれるのかもしれません。
インプット過多から抜け出し、感性を研ぎ澄ます
常に新しい情報や刺激に晒されていると、だんだん感性が鈍ってくるような気がします。たくさんのものを見聞きしすぎると、一つ一つの感動が薄れてしまったり、本当に自分が「良い」と感じるものが分からなくなってしまったり。
意識的に情報を遮断し、「何もない」状態に身を置くことで、自分の内側にある感覚に耳を澄ませることができます。道端に咲いている小さな花、空の色、風の音…。普段なら見過ごしてしまうような些細なことに、心が動かされる。そんな経験を通して、鈍っていた感性が少しずつ研ぎ澄まされていくのを感じます。これは、デザインという仕事をする上でも、非常に大切な感覚だと思っています。
心地よい「空白」と出会うために
「そうは言っても、何もしないのは落ち着かない…」
「ついついスマホを触ってしまう」
そう感じる人もいるかもしれません。僕も最初はそうでした。ここでは、僕なりに見つけた「心地よい空白」と出会うためのヒントをいくつかご紹介します。
1. 「何もしない」ことへの罪悪感を手放そう
まず大切なのは、マインドセットを変えること。「何もしない時間=悪」という思い込みを手放してみませんか? 休むこと、ぼーっとすることは、次の活動へのエネルギーチャージであり、思考を整理するための大切なプロセスです。自分を労わる時間だと考えてみましょう。
2. 意図的に「ぼーっとする時間」をスケジュールに入れる?
もし、「気づいたら時間が過ぎていた」となりがちなら、いっそ「何もしない時間」をスケジュールに入れてしまうのも手です。例えば、「土曜日の午前中は、特に予定を入れず、気の向くままに過ごす」と決めてみる。最初は15分でも30分でも構いません。
3. デジタルデトックスのススメ
僕たちの「空白の時間」を最も奪いがちなのが、スマートフォンかもしれません。通知が来るたびに、ついチェックしてしまう。目的もなくSNSを開いてしまう…。
意識的にスマホやPCから離れる時間を作ってみましょう。寝る前1時間は触らない、散歩中はカバンの中にしまっておく、など、自分なりのルールを決めてみると良いかもしれません。デジタルデバイスから解放されるだけで、驚くほど心が静かになり、周りの世界に意識が向くようになります。
4. 自分なりの「空白時間の過ごし方」を見つける
「何もしない」と言っても、本当に微動だにせず座禅を組む必要はありません。
- 散歩をする:特に目的もなく、近所をぶらぶら歩くだけでも、気分転換になり、思考が整理されます。
- 窓の外を眺める:コーヒーでも飲みながら、移り変わる景色や人々をただ眺める。
- 音楽を聴く:言葉のない、インストゥルメンタル音楽などを聴きながら、リラックスする。
- お風呂にゆっくり浸かる:温かいお湯に浸かりながら、ぼーっとする時間は最高のリラックスタイムです。
- 簡単な片付けや掃除をする:無心で手を動かすことも、一種の瞑想のような効果があるかもしれません。
大切なのは、「何か有益なことをしなければ」というプレッシャーから解放され、ただその瞬間に身を委ねることです。
まとめ -「退屈」は、自分と向き合うための贅沢な時間
忙しい現代において、「退屈」や「何もしない時間」は、ネガティブなものとして捉えられがちです。でも、僕はそうは思いません。
予定に追われ、情報に溺れそうになる毎日だからこそ、意識的に「空白の時間」を作ること。それは、思考を整理し、感性を研ぎ澄まし、創造性を育むための、とても贅沢で価値ある時間だと考えています。
「やることないなぁ…」と感じる瞬間は、決して無駄な時間ではありません。むしろ、自分自身と向き合い、心をリフレッシュさせるためのチャンスです。
もしあなたが、日々の忙しさに少し疲れを感じているなら、ぜひ意識的に「何もしない時間」を取り入れてみませんか? きっと、心に新しい風が吹き込み、日常が少し違って見えてくるかもしれませんよ。
退屈を愛しているので、ガンガン余暇に予定入れようとは思わないです。やることないなぁ…って最高。
X (Twitter) – Sep 26, 2020