
やさしい色調で品良くまとめた和菓子のポスターデザイン。
グレーを背景に真上から撮影した和菓子の写真に、書き足すようにして周囲にデザインを施し一体感のあるポスターに仕上げました。
文字とイラストの和 – 筆文字の品名と亀の描画
商品の右側に筆文字書体で品名を明記し、バックには筆で描いたような味のあるラインと、同じく筆で描いた手書きタッチの亀のイラストを入れました。グレーと白のコントラストは明度の差が少ない分、穏やかで優しく品のあるイメージを与えます。
コピーのレイアウト – 斜めラインと和の雰囲気
商品左側にはコピーを入れていますが、斜めのラインで挟むことで和の雰囲気をプラスし、さりげなくコピーの存在も強調することができています。
正方形ポスターのメリットとシリーズ展開のアプローチ
正方形のポスターは、店内外への掲出はもちろん、商品陳列棚のPOPなどにも使いやすく、お洒落ですっきりした見栄えになります。お菓子などの商品宣伝ポスターを作る場合はデザインをフォーマット化し、商品を差し替えてシリーズ展開するのもおすすめです。


商品PRが目的の正方形ポスター制作におけるポイント
商品PRとしてポスターを使用している事業者様は少なくありません。新しい商品を次々と市場に投入することによって、目新しさや差別化が生まれ、売上げに大きく貢献するからです。
ただし、新商品の市場投下には相応のコストがかかるものです。商品は2つとして同じものはありません。商品それぞれの強みや特長、ベネフィットといった部分を訴求するためには、商品に合わせたポスターデザインが必要になります。
新商品のPRを目的にした広告のコストを抑えるためには、ベースとなるポスターのデザインを工夫することが1つの手段になります。その手段として挙げられるのが「正方形ポスターの活用」です。
今回のの商品PRを目的としたポスター制作では次の3つのことを意識して制作しています。
- シンプルな構図で他商品でも使えるようにする
- 色・テキストをシンプルに
- 和テイストと正方形の良さを引き立たせる
広告コストを抑えつつ、競合店舗と別化できる商品PRポスターのポイントについてお話ししていきたいと思います。
シンプルな構図で他商品でも使えるようにする
正方形ポスターの強みはその「形」です。正方形がもつメリットとして「安定」や「規律」、「信頼性」といった図形心理効果が挙げられます。図形心理をデザインに反映させることによって、似たようなデザインであっても競合他社の広告と差別化が図れるでしょう。
作例は和菓子店の商品PRを目的にした正方形ポスターです。商品を中央に配置したシンプルな構図で制作しました。右側に商品名、左上に商品の特長、左下に店舗情報とシンプルな構成にしています。
シンプルな構成は他の商品でも流用できます。正方形のメリットは「中心に視線を集中させやすくなること」です。同じ形の商品ポスターが店内に掲示されていた場合、ポスターを見る人の視線はポスターではなく、正方形の中心、つまり商品画像そのものに集中させることができるのです。
新商品を同じようなポスターデザインでPRする際には、同じデザイン構成で制作が可能になります。正方形という形のメリットを踏まえながら、シンプルな構図にするからこそ、デザインのテンプレート化=制作コストの削減に繋がります。
色・テキストをシンプルに
シンプルな配色にすることで、商品自体の魅力をより引き立たせられます。
正方形ポスターのデメリットは多色を多用しすぎると圧迫感が生まれてしまう点です。圧迫感が強いポスターは、見ている人の視線を外しやすくさせてしまいます。正方形のメリットである「図形の中心に視線を集中させる」ことが阻害されてしまうため、色やテキストデザインに気を配る必要があるのです。
作例では、グレーをベースにテキストは「あんこ」の色を連想させるワインレッドを使用しました。グレーとワインレッド、商品である最中の優しい色合いがマッチしています。
もし仮にこのポスターに「新商品!」や「期間限定!」といったキャッチコピーを目立つ赤や黄色のテキストや囲みでPRした場合、視線がキャッチコピーに向かってしまい、商品画像そのものの訴求は弱くなってしまうでしょう。
和テイストと正方形の良さを引き立たせる
商品やサービスのテイストを踏まえてポスターの形を工夫することで、より訴求ポイントが明確になります。正方形は和テイストと相性が良い図形です。
良い例が「折り紙」です。日本独自の遊びである折り紙は正方形の紙で作られます。日本人が子どもの頃にもっとも触れている図形は「正方形」と言えるでしょう。折り紙は日本人の感覚で作られているものです。
作例の商品は最中です。最中も日本ならではの商品と言えます。正方形ポスターとの相性もよく、テキストや色合いを工夫することで、より和テイストが強調されるでしょう。正方形は和テイスト以外にもアジア圏のものとも相性が良いです。
制作ポスターデザインに対する感想
VOICE ※第三者による感想です
和菓子の質感を丁寧に伝えるポスターデザイン作成例
シンプルな構図でもなかが光る
黒いお皿に置かれた2つのもなかが大きく中央にレイアウトされ、皮のパリッとした風合い、あんこの詰まったどっしりした重さを伝えてきます。もなかに光が当てられているため、亀の甲羅のような文様がよく分かります。伝統的な和菓子の美しさ、楽しさが伝わってくる写真ですね。お皿を引き立てるような淡いグレーの背景、そこに描かれた亀と筆の流麗な線、つやつやの餡を思わせるあずき色の文字、すべてがもなかをも立てる小道具になっているようです。
控えめな店舗名のあしらいが上品
大きく置かれたもなかとは対照的に、店舗名と梅の花のようなあしらいは、小さく控えめです。この奥ゆかしさが和菓子という繊細なお菓子らしく、上品な印象を見る人に与えてくれます。とはいえおとなしいデザインかと問われればそうではなく、静かな雰囲気の中にも凛とした存在感を感じます。余白を大きく取ることで、そこはかとない緊張感が漂っているのかもしれません。もなかは上生菓子と比較すると地味に思えますが、ポスターの中で立派に主役を務める力を持っている和菓子なのですね。
「品格」を伝える和菓子のポスターデザイン

※画像はイメージです
上記では、このポスターの「やさしい色調」や「品の良いまとめ方」、そして「正方形」という形状が持つフォーマット(テンプレート)としての実用性について触れられています。
ここでは、その「品格」や「和の雰囲気」が、具体的にどのようなデザイン要素によって、そしてどのような戦略意図のもとに成り立っているのか、さらに深く掘り下げてみたいと思います。
「名前」を可視化する、静かなデザイン
和菓子のデザインにおいて、その「名前(品名)」は商品のコンセプトそのものであることが多く、ポスターの役割は「なぜ、その名前なのか」を視覚的に伝えることにあります。このポスターは、その役割を非常に静かに、しかし雄弁に果たしています。
見る人は、「最中の模様」→「亀のイラスト」→「品名」と視線を移す(あるいはその逆)うちに、「なるほど、縁起の良い最中なのだな」と、商品のアイデンティティを自然に理解することができます。
情報を詰め込んで「説明」するのではなく、必要な要素だけを品良く配置し、見る人に「発見」させる。この奥ゆかしさこそが、和の美意識と「品格」に繋がっています。
「余白」が主役。グレーが引き出す商品の色
既に上記では「シンプルな構図」と「シンプルな配色」に触れられていますが、これはデザインの世界でいう「余白」の戦略的な活用と言い換えられます。
このポスターは、あえて情報量を絞り、正方形の画面内に「余白」をたっぷりと取っています。にぎやかなポスターが「注目」を奪い合う中、この静かなポスターは逆に、その「何もない空間」によって見る人の心を惹きつけ、中央の商品へと視線を誘導します。
ここで注目すべきは、背景が「真っ白」ではなく、「淡いグレー」である点です。もし背景が真っ白だったなら、最中の皮の「淡いベージュ色」は、強いコントラストに負けて飛んでしまい、その繊細な色合いが伝わらなかったかもしれません。あえて彩度の低いグレーを背景に敷くことで、最中そのものが持つ「やさしい色」が際立ち、同時に「あんこ」を連想させるワインレッドの文字や落款(らっかん)が、上品な差し色として機能しています。このグレーは、主役を引き立てるための、計算された「舞台装置」なのです。
「器」と「しつらえ」が語る世界観
商品写真にも、この店の世界観が込められています。最中は、パッケージに入った「商品」としてではなく、質感のある黒い陶器の「器(うつわ)」に載せられた「一品」として撮影されています。
これは、単に商品を美味しそうに見せるためだけではありません。「このお菓子を、こんな器で、ゆっくりと味わう時間はいかがですか」という、コト(体験)の提案でもあります。
無機質な白背景で商品(モノ)だけを切り取るのではなく、あえて「器」という生活の道具と組み合わせる「しつらえ」を見せることで、この和菓子が寄り添う「丁寧な暮らし」や「おもてなしの心」といった、ブランドの姿勢や世界観を静かに伝えています。
フォーマット化は「ブランド資産」の構築
「コスト削減」の観点から触れられている「デザインのフォーマット化(テンプレート化)」は、別の側面から見れば、強力な「ブランド資産の構築」戦略です。
この「中央に商品を置き、品名と情報を品良く配する」という正方形のフォーマットを、他の商品(例えば、季節の羊羹や上生菓子など)でも繰り返し使うことを想像してみてください。
お客様は、最初は「新しい最中のポスターだ」と認識しますが、二度目、三度目とこのフォーマットに触れるうちに、「あ、このお店の、新しいお菓子が出たんだ」と、ポスターのデザイン自体が、その店の「しるし」として機能し始めます。
同じ「窓」を通して、次々と新しい「景色(商品)」を見せていく。この一貫したビジュアル・アイデンティティ(VI)の繰り返しこそが、お客様の記憶に「あの、いつも品の良い和菓子屋さん」という揺るぎないブランドイメージを築き上げていくのです。単なるコスト削減を超えた、長期的なファン作りへの「投資」と言えるでしょう。
シンメトリーのデザインが生み出す安定感
シンメトリー(左右対称の構図)とは、左右線対称にデザインに含まれる要素がバランスよく配置されていることです。要素を左右対称に並べると、バランス感覚と調和が生まれます。これは、広告デザインに限らず、絵画から彫刻まで多くの芸術作品に見ることができます。対称的な構成は、秩序と安定感を生み出します。その為、ポスターをより堂々としたものにすることができます。

※掲載しているパネル / ポスターデザインサンプル・モックアップはイメージです。実際の用途・サイズ・仕上がりとは異なる場合がございます。
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