童話のような優しい世界観でデザインしたジャムの商品ラベル。
いちごの葉と実で作ったリースのような輪飾りのイラストをメインに、品名と一緒にジャムのような真っ赤なリボンとミツバチのイラストを輪の内側に添えてラベルのアイキャッチをデザインしました。
優雅な原料の描写 – ハチミツといちごのイラスト
輪飾りの下の方には、ハチミツの原料となるハチの巣とハチミツをすくうスティックの絵柄を添え、真っ赤に色づくいちごのイラストと合わせると、優しく甘いジャムの味が想像できます。
イラスト素材の優しいタッチ
イラストはすべて手描きタッチで、ほんわかとしたぬくもりを感じさせる優しいトーン。童話に出てくる食べ物のように、見ているだけで食べたくなるようなデザインを目指しました。
総合的なデザインの一貫性 – 瓶蓋と一致するラベル設計
瓶の蓋にも側面ラベルと同様のアイキャッチをラベルにして貼り付けました。横から見ても上から見ても統一したイメージで商品を認識することができます。
食品の商品コンセプトが伝わりやすくなるパッケージデザインのポイント
パッケージデザインでもっとも重要なことは「コンセプト」です。商品やショップ、使っている素材などに共通するコンセプトをデザインに反映させることで、より商品の魅力が伝わりやすくなるでしょう。作例の商品パッケージデザインサンプルのコンセプトは以下の3点です。
- 可愛らしさ
- ヘルシー
- 手にとってもらいやすいこと
いちごのジャムという競合が多い商品の中で、売り手が伝えたい強みやセールスポイントを訴求するためには、コンセプトが重要です。コンセプトがあるからこそ、ターゲット層に届きやすくなります。作例の商品コンセプトをデザインに組み込むうえで、当サービスが意識したポイントは次の3つです。
- 商品のターゲット層を意識したグラフィックスタイル
- 色彩心理効果を活用して商品の強みを訴求すること
- 買い手も売り手も認識しやすくなる工夫
商品とメーカーの魅力を引き出せるパッケージデザインについてお話ししていきたいと思います。
商品のターゲット層を意識したグラフィックスタイル
商品を開発する際に重要なのが「どの層をコア・ターゲットにするか?」です。ターゲット顧客に向けて商品を開発することで、認知度が高まり、ターゲット以外の層へのアプローチも見込めます。パッケージデザインは作り手が設定したターゲットに伝わるものにしなくてはなりません。
作例は子どもをもつ親御さんに向けたいちごジャムを想定して制作しました。パッケージのグラフィックには「童話絵本」のようなタッチのイラスト素材を活用しました。コンセプトである「可愛らしさ」も含まれているデザインです。
子どもにとっての「可愛らしい」の基準は親御さんや幼稚園・保育園からの情報です。現代ではテレビやネット動画といったコンテンツからも「可愛らしい」ものが見つけられますが、商品を購入するのは子どもさんではなく、親御さんになります。
親御さんが考える「子どもが可愛いと感じられるもの」であることが大切です。そこで注目したのが、童話絵本の挿絵です。童話絵本の挿絵は、お話しの内容を伝える役割があります。子どもにとって絵本の挿絵は挿絵ではなく、絵本そのものです。つまり、挿絵でお話しの内容を伝えなくては童話絵本として成り立ちません。
作例の商品はいちごとハチミツが入ったジャムを想定しました。パッケージグラフィックで次の3つのことを伝えなくてはなりません。
- いちごが入っていること
- ハチミツが使われていること
- 子どもでも食べられるものであること
これらの要素を表現するために、童話絵本風タッチのイラスト素材をパッケージグラフィックとして採用しました。パッケージデザインを見るだけでどんな商品かすぐに伝わりやすくなります。
色彩心理効果を活用して商品の強みを訴求すること
色彩心理効果は単一の色だけではなく組み合わせて使うことで、より心理効果が高くなります。色彩心理効果とは、色がもつイメージや印象が心理的影響を与えているという効果で、デザイン業界においても重要視されています。
主な色彩心理効果は以下の通りです。
・黒…荘厳、厳格、儀式的
・白…健康、潔白、清潔
・赤…情熱、強さ、興奮
・青…冷静、知的、誠実
・黄…楽しさ、元気、幸せ
・緑…癒やし、落ち着き、平和
・紫…神秘的、大人、疲労回復
これら単一の色彩心理効果を組み合わせて使うことで、商品コンセプトが演出しやすくなります。
作例のパッケージでは、白地に赤いいちごのグラフィック、いちごの葉っぱの緑とミツバチの黄色と多数の色を組み合わせました。健康的な白地と、子どもさんが思わず「美味しそう!」と感じやすい赤。自然素材を象徴する緑とハッピーな気持ちになれるミツバチの黄色。まさに童話絵本の1ページをそのまま切り取ったようなグラフィックを採用しました。一目見るだけで、どの素材が使われており、誰に向けた商品であるかが伝わりやすくなるでしょう。
買い手も売り手も認識しやすくなる工夫
商品パッケージを制作する際、見栄えだけではなく、手にとってもらいやすくなるようにすることも重要です。上から見た時、横から見た時でも同じ商品パッケージであることを明確にしなくてはなりません。作例の商品パッケージでは、側面のデザインをそのまま上部のパッケージ部にも採用しました。デザインを統一することで、買い手はもとより、売り手側の作業効率アップにもつなげられます。
制作パッケージデザインに対する感想
VOICE ※第三者による感想です
ジャムの色を引き立たせるメルヘンなパッケージデザインですね。
ほんわかタッチのラベルに癒される
野原に実をつけたいちごを水彩画でスケッチしたような透明感のあるイラストは、瓶に入ったジャムの色ともよくマッチしそうな淡い色合いが魅力的です。ふたにあしらわれた草花の冠のようなデザインもキュート。メルヘンタッチで描き足されているミツバチも、幸運のモチーフのように見えてきますね。
白い背景色でジャムの色をくっきり鮮やかに
いちごジャムといえば、食欲をそそる健康的な赤色が目印ですが、こちらのパッケージデザインは白い背景色を採用することで、赤色をさらにヘルシーに引き立たせています。水彩画のようなタッチのやさしいイラストと、清潔感のある爽やかな明るい白い色は、朝食時、食器に添えられたジャムを連想させます。素材の美しさを活かした食品にふさわしいパッケージといえるのではないでしょうか。ふたとラベルが同じレイアウトなので、上からの目線でも横からの目線でも商品が探しやすいのが高ポイントですね。陳列棚の高い位置からも低い位置からも見つけてもらいやすそうです。
ラベルデザインの役割と重要性
この蜂蜜&イチゴジャムの可愛い商品ラベルデザインは、商品の魅力を引き出すデザインになっています。商品ラベルは、商品と消費者との橋渡しの役割を担っており、商品の特徴や魅力を伝えるためには、魅力的で興味を引くデザインが必要です。
・季節感を感じさせるイラストの選定
このデザインの魅力は、まず商品の特徴である蜂蜜とイチゴのイメージをイラストによって表現していることです。リースのような輪飾りのイラストには、いちごの葉と実が使われており、見る者に季節感を感じさせます。また、真っ赤なリボンとミツバチのイラストは、ジャムらしい赤と、蜂蜜とリンクするミツバチのイメージを表現しており、見る者にこのジャムの特性を想起させます。
・原材料や製法の情報暗示
さらに、ハチミツの原料であるハチの巣とハチミツをすくうスティックの絵柄を添えたことで、商品の製法や原材料についての情報も伝えることができます。そして、すべて手描きタッチで表現されたイラストには、優しいトーンが感じられ、童話的なイメージを醸し出しています。
・一貫したパッケージデザインの効果
ラベルデザインは、商品のパッケージ全体の中でも重要な部分を占めています。このデザインは、瓶の側面ラベルだけでなく、瓶の蓋にも同じデザインが貼られることで、商品全体のイメージを統一し、消費者が簡単に商品を認識できるようにしています。商品の特徴や魅力を伝えるだけでなく、消費者に親しみを与えるデザインとなっており、商品の売り上げにつながることでしょう。
※掲載デザインサンプルのモックアップはイメージです。実際の製品・パッケージと仕上がりが異なる場合がございます。