
なにか新しいものを生み出すためには、そのきっかけとなるインスピレーションが必要ではないでしょうか。また、すべての創作は現実の模倣である、という考え方もあり、創るといった行為には、外からのインプットも重要だといえます。デザインを生み出すために、デザイナーはどんな形で、新しいインスピレーションを得ているのでしょうか。
デザイナーよ、外へ出よう!
たとえば新しい刺激を得るために、外へ出て街を散策し、様々なものを目にする、という方法もあるでしょう。机の前にいるだけでは、得ることができない新鮮な刺激を、見つけることができるのではないでしょうか。もちろん、いつも通っているような道や、同じ街ばかりを歩いても、新しい刺激を得ることはできません。電車に乗り、普段はあまり行かないような街へと繰り出して、散策するのも良いですね。
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街中のインスピレーションは「目的を決めずに歩く」ことで最大化する
街中でデザインのアイデアを拾おうとするとき、「何か参考になるものを探そう」と意識しすぎると、かえって視界が狭くなります。「街の看板を見よう」と決めて歩くと看板ばかり目に入り、他の要素が見えなくなるのです。
制作の視点では、「目的を決めずにぶらぶら歩く」ことで、予想外のインプットが入ってきます。マンホールの蓋のパターン、公園の遊具の配色、カフェの黒板アート、工事現場の警告サイン、古い看板の経年変化。「仕事で使う情報」として意識していないものが、後日デザインを考える時のふとした引き出しとして役立ちます。
スマホで情報収集するのと、街を歩いて五感で情報を集めるのとでは、得られるインプットの質が違います。デジタルだけでは補えない「街の空気感」や「物の手触り」といった身体的な情報を蓄積することが、画面の中に閉じないデザインを生む土台になります。

街や土地の雰囲気を変えれば、得られるインスピレーションも変わる
創り出したい作品や得たい刺激に合わせて、散策する街を選ぶというのも、一つの手でしょう。若年層をターゲットにしたデザインを生み出すのであれば、若い人が集まるような、街を歩くのが良いかもしれません。話題のスポットや、人気の施設などを訪れて、その場の雰囲気を味わってみるのもおすすめです。高級感のあるデザインが求められているのなら、セレブが集まるお店やカフェに、ファミリー世帯がターゲットなら、子連れが多く集まる場所、といった具合に選べば、より求めている情報に近いものが得られるのではないでしょうか。
普段はあまり訪れない街を、何をするでなく歩いていれば、自然と様々なものが目に入ります。たとえばそれは街角に貼られたポスターであったり、カフェかもしれません。そうした目から入る情報に対して、今何故自分がそれに惹かれたのか、というのを分析すると、新しい何かが見えてくるかもしれません。

カフェでチラシや人々を観察してみる
歩き疲れたら目についたカフェで、少し休憩をして、他の客を観察してみるのも良いでしょう。一番新鮮に時代の雰囲気を反映しているのは、”人”かもしれません。客たちの雰囲気や服装、あるいは目につきやすい人の個性などは、新しく新鮮な情報として、インプットされるのではないでしょうか。個人経営のカフェなどには、様々な催し物のチラシ等が、置かれていることも多いものです。たとえばアマチュア劇団や、クラブ、ライブホールなどのチラシからも、その時代を象徴し、先取りするような、メッセージを見ることができるかもしれません。

カメラやメモで記録しよう (マナーも携帯しよう)
街歩きでインスピレーションを探すなら、メモ帳とカメラなどの撮影器具を、忘れずに携帯して行きましょう。なにか新しいものを発見した時、あるいは内側から浮かび上がって来た時、すぐに書き留めたり、写真として残しておくことが大切です。ただ、街の中であまり頻繁に立ち止まっていたり、普通は撮影しないようなものにカメラを向けていると、怪しまれてしまう可能性もあるので、注意が必要です。撮影をする時には周囲の邪魔にならないように、また人が映り込んでしまう場合は撮影の許可を得ておくこともマナーです。

買い物はユーザー目線になれるチャンス
ショッピングモール等にでかけて、新商品などを眺めたり、手にとって見るのも、心と頭を刺激する良い方法です。最新の商品には、最新の技術と、今最も求められているデザインが反映されています。そうした製品と触れ合うことは、自分自身の感覚を研ぎ澄ませてくれる、よい材料となります。本屋や洋服屋、インテリアショップ、雑貨屋など、色々なお店を見て回り、目についたものがあれば、その魅力を分析してみるのも、いい刺激を与えてくれそうです。
ただ、ショッピングモール等にでかけた場合、つい普通に欲しいものを探したり、買い物を楽しみたくなってしまうかもしれません。リフレッシュも大切ですが、あまり買い物自体に夢中になってしまわないよう、気をつけたほうが良さそうです。また、お店の商品などは、勝手に撮影できないことがほとんどですから、カメラやメモを取り出すのは、控えたほうが良いでしょう。

動くことで脳も活性化し、アイデアに繋がる
机の前にじっと座ったまま、煮詰まってしまうと、良いアイデアもなかなか浮かび上がってこないものです。体が凝り固まった状態になると、血の巡りも悪くなり、脳の働きも低下するといわれています。街へ出て体を動かしながら、様々なものを見て、頭と心をリフレッシュすれば、よいアイデアも浮かびやすくなるでしょう。自分でも気がつかないうちに新しい刺激に飢えていたのかもしれない、そう感じたなら、インスピレーションを迎え入れる準備が整ったといえます。
さぁ、電車に乗って、知らない街へと足を伸ばし、自分自身の感受性を刺激してあげましょう。
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