
ロゴを作ることで、親しみを持ってその会社を認識してもらい、印象を良くすることができます。そのため、会社やサービスなどを立ち上げた際にはロゴをどうするかというのは大きな議論となります。
ただ、そのロゴを作る前に大事なことはネーミングです。
結局、これが決まらなければロゴを作ることすらできません。また、マーケティング上、ロゴ同様にネーミングも重要な意味をなします。そのため、ロゴを作成する前に色々とこだわりを持って作っていくことが求められます。

名前から企業やサービスが伝わるか
ネーミングの大事なポイントは、その言葉を聞いただけで会社のイメージやサービスの内容が瞬時に伝わるものかどうかというものです。大ヒットを飛ばす商品を見ると、一度聞いただけでこういう商品なのかとイメージできるものがほとんどです。
もっといえば、それが動詞のように使われ、熟語的な感覚で使われることになれば、これ以上のものはありません。そのため、作成の段階では言葉の響きや文字の長さ、言いやすさといった部分に特化して検討されていくことになります。Googleが【検索する】という動詞として辞書に掲載されているのは有名な話です。(日本語でも、”ググる”と言いますね)

プロジェクトメンバーはある程度絞ろう
企画段階で気をつけなければならないことがいくつかあります。あまり多くの人の意見を聞きすぎるのは良くありません。ネーミングは感性によるものが大きく、無難にまとめたり、常識の範囲内で落ち着いたりしても、それが良いものとは限らないからです。
逆に、これでいいのか?とか、それではおちゃらけすぎではないか?というものが意外と世間の評判がよかったりするということが往々にしてあります。つまり、大事な会議などで多くの人と相談したり、意見を聞いたりしたとしても、世間から評価されるものがつくられる可能性は低いということです。感性豊かなものほど常識を前にすると弱いため、打ち消されてしまうからです。そのため、多くの人を介し過ぎないということも大事になります。
ロゴとネーミングは「セットで考える」と完成度が上がる
ロゴのデザインを始める前に、ブランド名やサービス名のネーミングを先に確定させておくことは、一見当たり前のようで実務上は見落とされがちなポイントです。ネーミングが曖昧なままロゴのデザインに入ると、「名前の文字数」「音の響き」「意味」とロゴの方向性が合わずに後から調整が必要になります。
たとえば、ネーミングが決まってから「文字数が多すぎてロゴの枠に収まらない」「カタカナと英字どちらを使うか定まっていない」「略称の予定があるのに最初に共有されなかった」という事態が起きると、ロゴのデザイン方針を途中で大きく変更することになります。
ロゴ制作の依頼時には、ネーミングの確定版と、予定している略称・読み方・表記ゆれのルール(大文字・小文字・スペースの有無)を明示しておくと、デザイナーは文字数とのバランスを考慮した提案が最初からできます。ネーミングはロゴデザインの「前提条件」であって、並行作業ではないことを意識しておくと効率的です。

リラックスした環境で考えよう
ネーミングを作る際には言葉の響きや文字の長さ、言いやすさを気にして作成していくことになりますが、そうしたものが浮かびやすい考え方があります。まずは文字の一部を変える、アレンジするというものです。漢字では堅苦しいのでひらがなにするというのもイメージを柔らかなものにしてくれます。言葉遊びの意味合いもこうした作業の中では問われるようになり、ダジャレに思えるようなものが商品名になっていることもしばしばです。リラックスした雰囲気の中で、冗談を交えつつアイデアを出し合えるのが理想的です。
言葉で遊んでみよう
英語、中国語、フランス語、ギリシャ語といった外国語からネーミングのヒントを探すというのも、良い方法です。その名前自体に意味を持たせるということも重要で、そこからロゴの作成につながっていきます。1つのキーワードから連想される言葉がいくつも登場し、そこで着想を得ることができるWEBサイトも存在します。1つの言葉にこだわっていたものの、似たような言葉にひらめきを感じることもあります。ひらめくかどうかが大事であり、そのためにもこうしたサイトを使ってヒントを得るというのも大事なことなのです。
いくつか候補が出そろった段階で、市場調査を行ってみるのも良いでしょう。実際に商品やサービスを利用するのは消費者であり、消費者の声は何より重要です。その過程では微調整などが加わり、さらにブラッシュアップされたものへと進化します。
ネーミングにこだわるということは、その後のロゴへのこだわりにもつながっていきます。
ネーミングの7つの手法
| 手法 | 例 | 効果 |
|---|---|---|
| 造語 | Google、Spotify | オリジナリティが高い |
| 頭文字 | BMW、IBM | 覚えやすい |
| 擬音語 | ぐるなび、ペコちゃん | 親しみやすい |
| 外国語 | MUJI(無印)、ユニクロ | 国際的な印象 |
| 人名 | シャネル、トヨタ | 信頼感、歴史 |
| 地名 | Amazon、パタゴニア | スケール感 |
| 組み合わせ | Facebook、YouTube | 意味が伝わりやすい |
良いネーミングの5つの条件
| 条件 | チェック方法 |
|---|---|
| 1. 覚えやすい | 1回聞いて翌日も思い出せるか |
| 2. 発音しやすい | 声に出してスムーズか |
| 3. 検索しやすい | Googleで検索して他社と混同しないか |
| 4. ドメインが取れる | .com/.jpが空いているか |
| 5. 商標登録できる | 類似商標がないか |
業種別・ネーミングの方向性
| 業種 | 方向性 | 具体例 |
|---|---|---|
| 飲食 | 料理や雰囲気を連想 | 「一風堂」「丸亀製麺」 |
| 美容 | 美しさ、変化を連想 | 「ホットペッパービューティー」 |
| IT | 革新性、スピード | 「Slack」「Zoom」 |
| 教育 | 成長、未来を連想 | 「進研ゼミ」 |
| 小売 | 価値、選びやすさ | 「ユニクロ(ユニーク+クロージング)」 |
商標チェックの方法
| ステップ | やること |
|---|---|
| 1. Google検索 | 同名の企業・サービスがないか |
| 2. J-PlatPat | 特許庁の商標検索で類似を調査 |
| 3. ドメイン検索 | お名前.com等で空きを確認 |
| 4. SNS検索 | 同名アカウントがないか |
| 5. 弁理士に相談 | 本格的に登録する場合 |
ネーミングを決める前に確認すべき「商標」の話
どんなに響きが良く、覚えやすい名前を考え出しても、すでに他社が商標登録している名称と同一・類似であれば使用できません。ネーミングの候補が固まった段階で、特許情報プラットフォーム(J-PlatPat)を使って簡易検索を行うことをおすすめします。これは無料で利用でき、登録済みの商標を確認できます。
検索時のコツとして、完全一致だけでなく、読み方が同じ名称(同音異義語)や、1〜2文字違いの類似名称にも注意が必要です。商標の類似判断は専門性が高い分野なので、最終的には弁理士に相談するのが確実ですが、明らかに重複しているものを事前にふるい落とすだけでも、後から名称を変更せざるを得なくなるリスクを下げられます。
また、ドメイン名の取得可否も並行して確認しておくと安心です。Webサイトを持つことが前提の時代において、事業名やブランド名と一致する「.com」や「.jp」のドメインがすでに取得済みだった場合、URLと名称が一致せず、ユーザーにとってわかりにくくなります。ネーミング候補が出そろった時点で、ドメインレジストラ(お名前.com等)で空き状況を調べておくのが実務的です。
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