


国際的な印象を写真で表現し、日本らしさを「赤色」であらわしました。
海外人材の支援を行う企業のパンフレットということで、タイトルや団体名は、日本語と英語の併記が不可欠でした。そのため、文字サイズはやや小さめにして、併記した時にごてごてした感じにならないよう、工夫をしています。
国際交流のビジュアル表現
国境を越えた交流や活躍が感じられる写真を大きくレイアウトして、日本を強く印象づけられる赤色をメインカラーとしてセレクトしました。赤色はパンフレットの上下にあしらった他、丸い図形を描くのにも使用しています。丸の形は、日本の日の丸を連想させるモチーフであるとともに、「和」や「協力・パートナーシップ」といった言葉をイメージさせる図形でもあります。
取り組み紹介のデザインアプローチ
中面は組織図や顔写真を使って、どのような団体、組織であるかを体系的にあらわすようにしました。取り組み紹介では、写真を大きめにレイアウトして、信頼感や落ち着きをアピールできるブルーを差し色に用いています。赤色とのコントラストも美しく仕上がったと思います。


海外人材支援協会の取り組みを紹介するシンプルなデザイン
全体構成と情報のまとめ方
・トップページに組織概要と代表の写真が掲載され、協会の目的や取り組みが一目で理解できる。
・内面は協会の各種活動を写真とともに箇条書きでコンパクトに紹介。
・問い合わせ先情報を目立つ位置に配置し、読者とのコミュニケーションを促進。
カラーリングとレイアウト
・赤と白のシンプルな2色使いで、協会のアイデンティティを表現。
・赤い縁取りがアクセントとなり、パンフレットに一体感と存在感を与えている。
・写真と本文のバランスが良く、読みやすいレイアウトを実現。
写真の選択と活用
・代表の写真やイベントの集合写真を効果的に使用し、協会の顔が見える化を図っている。
・写真のサイズを適切に調整し、パンフレットのインパクトを高めている。
・各写真に説明文を添え、視覚情報だけでなくテキスト情報も充実。
文字情報の整理と見せ方
・組織概要は表形式で簡潔に整理され、多くの情報を読みやすく伝えている。
・段組みを活用し、限られたスペースに適量の情報を効率良く配置。
・フォントサイズを適切に使い分け、情報の優先順位を明確にしている。
制作パンフレットデザインに対する感想
VOICE ※第三者による感想です
日本らしさとグローバルな雰囲気にあふれたパンフレットデザインですね。
「和」イメージの赤色がトレードマークに
このパンフレットのデザインは、ジャポニズムの象徴とも言える赤色が特徴的です。国際的な取り組みをダイレクトにイメージできる写真とあいまって、「日本の協会がグローバルな取り組みを行っている」ということがよく分かります。文字のサイズは小さめですが、格式高く視認性の高いフォントがセレクトされていて、見やすさと視覚的なバランスが取れているように感じられます。日本語と英語が併記されている部分も、ごちゃついた印象になっていないのが良いですね。
図を多用することで明快な印象に
パンフレットの中面には、組織図や顔写真を用いた挨拶文がレイアウトされています。大きめに配置された写真は信頼感を与え、ブルーの差し色が落ち着いた雰囲気を醸し出します。ブルーはビジネスにおいて知性や落ち着きを示せる色とされており、赤色とのコンビネーションも抜群です。落ち着いた印象でありながら、地味になりすぎない配色ではないでしょうか。顔写真や活動内容を示す写真が掲載されていると、文字通り「顔が見える協会」となり、安心感や実績の豊富さを見る人にアピールすることができそうです。
パンフレットで「信頼」と「共生」を伝えるデザイン戦略

※画像はイメージです
このパンフレットは一般財団法人の取り組みを紹介するものです。外国人材の受け入れと共生社会の実現という、非常に社会的意義の重いテーマを扱っています。このような団体のパンフレットをデザインする上で、単なる「活動紹介」を超えた課題があります。それは、「信頼性」と「活動の具体性」という、目に見えない価値をいかにして視覚的に伝え、読者(支援者、加盟希望企業、関係省庁など)に安心感を持ってもらうか、という点です。
既存の解説では、赤色の使い方やレイアウトの工夫に触れましたが、ここではさらに踏み込んで、このパンフレットがどのようにして「信頼」と「共生」というテーマを構築しているのかを見ていきましょう。
「顔が見える」ことによる信頼性の担保
団体の信頼性を伝える上で、「どのような人々が運営に関わっているのか」を明示することは非常に重要です。詳細な「役員名簿」と「組織体制図」 中面(外面)の「役員名簿」は、単なる名前の羅列ではありません。理事長や副理事長、理事、監事、顧問、そして各ブロックの代表者まで、具体的な氏名と所属(企業名や役職)が記載されています。これは、「これだけしっかりとした企業・人物が参画し、運営を監督している」という「座組」の強さを示す強力なエビデンスとなります。
挨拶と顔写真 中面(内面)の冒頭には、顔写真付きの挨拶が配置されています。これは、組織のトップが自らの言葉で理念を語ることで、組織としての「体温」や「意志」を伝える役割を果たしています。特に会長の挨拶では、協会の成り立ちや目的が具体的に語られており、読者の理解と共感を促します。
活動の「幅広さ」と「深さ」の可視化
協会が「何をしているのか」を伝える際、抽象的な目的だけでは不十分です。このパンフレットでは、「事業内容」の箇条書きと、具体的な写真付きレポートを組み合わせることで、活動の全体像と具体性を両立させています。
抽象(目的)と具体(活動)の使い分け
外面の「事業」欄では、「調査及び研究」「相談及び助言」「研修及びセミナー」といった網羅的な活動内容が示されています。対して、内面では、政府関係者や大使との面会、実際の勉強会や総会の様子など、「誰と」「何を」したのかが写真と共に具体的に示されます。これにより、掲げられた事業が「絵に描いた餅」ではなく、現実に力強く推進されていることが伝わります。
情報発信(出版)による専門性の証明
機関誌の発刊などの紹介も、デザイン上の小さな要素に見えますが、重要な意味を持ちます。定期的な情報発信や、出版社と連携した書籍の発刊は、協会が持つ知見の「専門性」と「社会的な発信力」を裏付けるものとなります。
「共生」を象徴するビジュアル戦略
パンフレットの顔である表紙(外面)は、この協会のアイデンティティを最も凝縮して表現する場所です。
表紙に使われている写真は象徴的です。ベトナム(国旗から推測)の関係者との協定調印式と思われるフォーマルな写真。そして、作業着を着て笑顔を見せる、外国人人材と日本人と思われる方々が写る現場の写真。この2枚の写真は、「ハイレベルな国際連携(トップダウン)」と「現場レベルでの円滑な共生(ボトムアップ)」の両方を実現しようとする協会の姿勢そのものを表しています。「外国人材と共に」というキャッチコピーが、このビジュアルによって強い説得力を持ちます。
外面(外面)の三つ折りの「袖」にあたる部分には、団体概要だけでなく具体的な連絡先が記載されています。これは、読者がアクション(問い合わせ)を起こす際の具体的な窓口を明確にする機能的な側面に加え、「協会が実体をもって運営されている」という信頼感を補強する役割も担っています。
このように、協会のパンフレットデザインは、色やレイアウトの美しさだけでなく、組織の「信頼性」「専門性」「活動の具体性」といった無形の価値を、情報の取捨選択と配置、写真の使い方によって、いかにロジカルに構築するかが問われる事例と言えるでしょう。
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