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パッケージ展2019について

見ごたえあり!のパッケージ展2019


パッケージ展2019について

2019年8月8日に大阪で開催された「パッケージ展2019」に行ってきました。
今回は、その展示会で印象に残っているパッケージや技術などを中心に感じたことや、今後のパッケージデザインの未来などを考察し、紹介して行きたいと思います。

パッケージ展バナーデザイン

 

そもそもパッケージ展って何?

オフィシャルサイトには「商品の差別化・販路拡大を狙え!消費財パッケージ関連企業が大集合!」と書かれています。パッケージをメインに各企業がそれぞれの技術やデザインを紹介し、様々な企業の方や一般の方にPRする展示会です。この展示会を通して、企業同士のマッチング・最新のパッケージ技術・他社がどのようにして商品を売りに出しているかなどが知ることができました。

ブースは全部で3種類に分かれており、「パッケージの技術を持つ企業」「パッケージ製作の素材を持つ企業」「パッケージデザインの実績を持つ企業・デザイン事務所」の企業が集結。今回の出展企業規模は、45社以上もの企業が出展に参加していました。同時開催で、パッケージに関するセミナーも無料で受講できるため、非常に見応えのある展示会内容でした。

 

各ブースごとに対する感想・気づいたこと

パッケージデザイン編

株式会社RAWCREW(ロークルー)の出展ブース

株式会社グライドの出展ブース

デザイン企業やデザイン事務所のブースコーナーでは、様々なデザインのパッケージが展示されており圧倒されました。ここで気がついたことは、どのデザイン会社も商品のブランド戦略に大きく関わっているという点でした。ただデザインするだけではなく、商品に対するブランディングやブランドアイデンティティをしっかり考察しデザインに落とし込み、完成まで持っていくことで、“その商品にマッチしたデザインが出来上がる=商品の販路拡大が見込める”のだと感じました。

「パッケージは目立たせてなんぼという時代は終わりました。その商品の良さや、ターゲットにヒットするようなデザインをどう考察し、展開していくのかが大事なんです。」そう説明してくれた担当者さんは、一つのパッケージを手に取り、なぜこのデザインなのかということを細やかにわかりやすく説明してくれました。

 

パッケージ素材編

素材ブースでは、パッケージに対応する様々な素材が展示されていました。それぞれの企業の主体となる素材が展示されており、使いやすさ・コスト面・見た目の良さ・展開の柔軟性など各視点でわかりやすく紹介されていました。

日本紙交易株式会社の色見本サンプル

日本紙交易株式会社の出展品

中でも印象に残っている素材は、”フランスから取り寄せたリサイクル板紙”を使用したパッケージでした。(上部写真参照)

100%古紙で作られた素材は環境に優しいだけではなく、17種類のカラーバリエーションと、素材の中までしっかり浸透したインクにより、上品な仕上がりになる素材でした。ブランドの価値を高めるための素材として利用価値があり、パッケージだけではなく子供のおもちゃやパズルなど様々な用途に展開できる活用性の高い素材だと思いました。

また、別のブースでは焼印やシルク印刷、箔押しなどの様々な加工と自然素材の木材を組み合わせたパッケージが展示されていました。高級感があるだけでなく、サステナブルで長く愛されるパッケージだと感じました。

 

パッケージ技術編

パッケージ技術に関するブースは特に印象に残りました。見た目のインパクトだけではなく、コストを抑えられたり、提案する際の強みになったり、他の商品の差別化を測ることができたりと、いろんな面でメリット生み出していて、パッケージ技術は日々進化していることを実感させられました。

中でも意表を突かれたのが、「香り」に着目した企業の商品でした。香りがついたインキを使用することで、印刷するだけで印刷物に様々な香りを付加できるという斬新なアイデア。五感の中でもあまり触れられる事のない嗅覚をテーマにしたという点で気になった技術の一つでした。

株式会社TTトレーディングの出展ブース

また、印刷で模様を作るのではなく、紙自体に独自の質感と手触りを提供する技術を持つ企業もありました。一見、布の上からインクを塗っているように見える箱も、印刷しただけでそうした風合いが出せるとのことでした。

他にも和風の風合いを醸し出すアルミ蒸着紙を展開する企業は、規格品としてラインナップすることで、小口対応・短期納品が可能になり、より顧客のニーズに応えられるよう改良されていました。プラスチックの素材を扱う企業では、その優れた精密成型性や安定性など素材の特徴を生かし、幅広い産業に活用されているということをアピールしていました。

サンライト紙工株式会社のピタットボックスの紹介パネル

その他、高級貼り箱を取り扱う企業では、貼り箱におけるデメリット部分を改善した技術が紹介されていました。こちらは2018年度のGOOD DESIGN AWARDで受賞されているようです。場所をとらず、使うときに組み立てられ、輸送費のコストも抑えられるそうです。見た目の良さや使いやすさも重視した仕組みがとても素晴らしいと思いました。

 

今後のパッケージデザインの未来を予想・考察してみた

パッケージの未来について

今回の展示会で様々な情報が吸収できたと同時に、様々な企業がパッケージ革命を起こしているという事が確認できました。それは、企業同士がWIN-WINな関係を保つことができるようにするための技術の進歩であったり、新たなサービスの展開であったりと、デザインと企業を繋ぐ部分がより太いパイプになるということです。そして、これからの未来ではそういった軸の部分はより強くなっていくのではないかと感じました。

エコパッケージ

コスト的な問題、技術的な問題…技術の進歩により改善されなかった部分が改善され、新たなパッケージのあり方が提案されるのではないでしょうか。目を向けられていなかった新素材を使用した新しいパッケージ、環境問題に目を向けたエコなパッケージ、音が出るパッケージなど、包装の常識を超えたパッケージデザインが今後世に出てくるのではないか期待しています。

エコパッケージ

 

まとめ

今回開催された展示会では、普段目にすることのできない加工技術や情報を知ることができました。そして他のデザイン会社がどのようにパッケージにデザインを落とし込んでいくかのプロセスや考え方も知ることができました。それぞれの企業が考案した企画力・ブランディング力・技術力などは、他社と比べることができない唯一無二のオリジナルであり、企業の強みがどこかということがパッケージを通して感じ取れました。パッケージデザインの今後を担うのは、こうした進化を恐れない企業が主体となっているのかもしれませんね。

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