ECサイト販売であれば実際に商品を手に取って見てもらうわけではないので、パッケージのデザイン性はあまり重要ではないと思うかもしれません。しかし、実際はECサイト販売だからこそ重視する必要があるのです。
実店舗を持たず、Amazonや楽天、自社のネットショップなど「オンライン」のみで商品を展開するビジネスモデルは、初期費用を抑え全国の顧客にリーチできる強力な手法です。しかし、直接商品を手に取って質感を確認できないからこそ、多くの事業者が「商品が届いた時の感動作り」を軽視し、ただの保護材としてコストダウンを図るミスを犯しがちです。
実は、ECサイトでの販売だからこそ、段ボールを開封した瞬間のパッケージデザインが、リピート率やブランドの存続を決定づける最重要のタッチポイントとなります。本記事では、オンライン販売における「画面越しの期待を超える」パッケージ戦略の重要性について解説します。
ECサイト販売のみならデザインはこだわらなくて良い?

ECサイト販売に限定するから、パッケージのデザインは重視しないという企業があります。しかし、実店舗販売もECサイト販売もパッケージの大切さに違いはありません。人は商品を探す時に、まずは見た目から検討するからです。対人関係においても、私たちは相手の髪型やファッションで付き合う人間を決めたり、好き嫌いの判断をしたりしています。
それと同じく、商品選びにおいても、パッケージは極めて重要な意味を持ちます。どんなに中身が優れた商品であっても、そもそも手に取ってもらえなければその先がありません。もし手に取って購入してもらえれば、リピーターになってくれる可能性もあるのです。
「アンボクシング」がもたらすSNS拡散の力
今日、YouTubeやInstagramなどのSNSにおいて、商品を開封する瞬間の動画や写真は非常に人気のあるコンテンツです。殺風景な茶色い段ボールと透明なビニール袋で届く商品では、誰かにシェアしたいという気持ちは起きません。
一方で、顧客の期待を超える美しい外箱や、中に添えられたサンクスカードなど「受け取った時の喜び」がデザインされたパッケージは、顧客自身を強力なインフルエンサーへと変え、広告費ゼロでの拡散を自発的に引き起こします。
パッケージのデザインはプロに依頼を

自社でパッケージデザインをすれば、プロに作成依頼をする費用を抑えられると考えるかもしれませんが、プロのデザインは消費者に訴えかけ、購買意欲につなげることを重視しています。
商品ごとに適切なパッケージが存在するため、デザインはプロに任せるのが好ましいでしょう。
比較検討されやすいのがECサイト販売

ECサイト販売の特徴として、消費者が商品を比較検討して選びやすいことがあります。実店舗より膨大な商品数が揃っており、簡単に比較できることを考えると、パッケージのデザイン性は極めて大切です。たとえば、内容成分がまったく同じ健康食品が複数あった場合、消費者はお気に入りのデザインの商品を選ぶ可能性が高くなります。
私たちはパッケージのデザインを見て、おいしそう、まずそう、健康に良さそうなどの判断をしています。消費者の視覚に訴えかけることが、商品の新規購入・リピーターにつなげていくポイントです。
サムネイル画像での「クリック率」の劇的な差
ECサイトの検索結果一覧には、競合他社の類似商品が無数に並びます。ユーザーは、わずか数秒で「どの商品ページをクリックするか」を判断します。
この時、商品単体の写真よりも、高級感があり洗練された「魅力的なパッケージと一緒に撮影された写真」のほうが、無意識のうちに「しっかりとしたブランドの製品だ」と感じられ、クリック率が劇的に跳ね上がります。パッケージデザインは、届いた後だけでなく「購入前の画面上」でも強力な営業マンとして働くのです。
中小企業こそデザインにこだわりを

大手企業は莫大な宣伝広告費を投入できます。一方で、中小企業は資金力で負けてしまうので、パッケージのデザインの費用を削減する会社が目立ちますが、ここでECサイト運営をする目的に立ち返ってみましょう。
会社運営の目的は最終的に利益を出すことであり、宣伝広告費を削減することではないはずです。中小企業は大手よりも資金面で不利だからこそ、よりパッケージデザインにこだわる必要があるのです。
「一度きりの購入」を「生涯の顧客」に変える最後の魔法
ECサイトでは、顔を合わせての接客や、「ありがとうございました」と見送るスタッフはいません。デジタルな取引の最後に、唯一顧客の手に触れる物理的な接点が「商品パッケージ」なのです。
ここで手抜きをしてしまえば、どんなに商品が良くてもブランドに対する熱狂は生まれず、次回はより安い他社製品に乗り換えられてしまうでしょう。「このブランドは細部まで手を抜かない、信頼できる会社だ」と顧客の心に刻み込み、LTVを高めるための最強の投資。それこそが、EC販売におけるパッケージデザインの真の役割なのです。
まとめ
ECサイト販売は消費者が商品を自由に比較できます。無数にある商品の中から自社商品を選んでもらうためには、パッケージのデザイン性が非常に大切です。
デザインは自社制作も可能ですが、売れる商品づくりのためにはプロに任せましょう。消費者の購買意欲に働きかけるデザイン制作に繋がるからです。宣伝広告費に余裕のないという会社こそ、見た目で売れる商品づくりを目指す必要があります。
この記事の執筆・運営について
デザイン制作の現場で得た知識をもとに、実務に役立つ情報を整理してお届けしています。
ASOBOADの運営と、デザイン制作業務の進行管理を担っています。



