チラシやポスターといった紙ベースの制作物は、デザインの自由度が高い反面、あまり凝りすぎると読み手に伝わりにくいものになってしまいます。以前「チラシ作成における15のコツ」についてお話ししました。そこで今回は「チラシの作り方で気を付けたいポイント」についてお話ししていきたいと思います。
「チラシの作り方で気を付けたいポイント」として、次の3つが挙げられます。
- 書体と文字
- テキスト
- 図(画像)・グラフ・表
それぞれチラシ制作における注意点についてお話ししていきたいと思います。
書体と文字
文字の種類のことを「書体」と呼びます。日本語の文字には「明朝体」と「ゴシック体」、アルファベットなどの文字には「セリフ体」もしくは「サンセリフ体」を使うのが基本です。
書体のことをフォントということもありますが、厳密に言うと「書体=フォント」ではありません。フォントとはパソコンやワープロソフトに搭載されている書体のことで、明朝体にも「MS明朝」や「MS P明朝」のような種類があります。これらの書体の種類をフォントと呼ぶのです。
ただし、デザインを制作する場合、基本的にはパソコン(及びその中で動作するアプリケーション)を使います。そのためこの記事ではチラシに使われる文字の種類を「フォント」として表現します。ここではチラシに使われるフォントにおいて以下の「注意すべき2つのこと」についてお話ししていきたいと思います。
- フォントの雰囲気と内容が合っていない
- フォントの過度な装飾
フォントの雰囲気と内容が合っていない
チラシは商品紹介やイベントの告知など、書いてある内容を読み手に「伝える」ことが役割です。読み手にしっかりと内容を伝えるためには、読み手がチラシを読んだ時に違和感を持たせないようにする必要があります。
そこで注意すべきはフォントの雰囲気と内容がかみ合っていない場合です。たとえば子ども向けのイベントチラシなのにかかわらず、固めのフォントである明朝体を使ったチラシを想像してみてください。
子ども向けの楽しいイベントチラシのはずが、子どもの育て方研修のような大人向けのチラシに見えてくるでしょう。子ども向けであればポップな雰囲気のフォントが適切です。
たかがフォントと思われるかもしれませんが、フォントにはチラシの雰囲気やイメージを決定付ける役割もあることを覚えておくとよいでしょう。
フォントの過度な装飾
チラシのタイトルフォントに過度な装飾を施しているものは可読性を下げてしまいます。文字の色をレインボーグラデーションにしたり、文字に枠を付けたりするのはチラシの内容を頓雑にしかねません。
なるべくシンプルで大きなサイズのフォントで「何を伝えたいチラシなのか」を明確にするとよいでしょう。
テキスト
テキストとはチラシの文章のことです。どれだけ素晴らしい文章、素晴らしい画像を使ったとしても「テキスト」のデザインが悪ければ読み手に伝わらないチラシになってしまいます。ここでは次の3つの注意点についてお話しします。
- 無意味に文字が太い
- センタリング・左揃え・右揃えが混在
- テキストの行間が狭い(広い)
無意味に文字が太い
企業のパワーポイント資料などを制作する場合、多くの人が間違った解釈をしているケースがあります。とくに多いのが「文字は太ければ太いほど読みやすい」と「文字サイズは資料の種類に合わせて○○pt以上で作る」といったものです。
たしかに大きな文字は読みやすいですし、資料の種類に合わせて文字サイズや文字の太さを変えるのは有効でしょう。しかし、本当に重要なのは「情報の重要度に合わせて文字の大きさや太さを変えること」です。
テキストの重要度によって文字の太さを適宜変えることで、強弱が生まれ、読み手に本当に伝えたいことが明確化されます。
センタリング・左揃え・右揃えが混在
チラシに限ったことではありませんが、文字の配置場所には注意が必要です。パソコンの文書ソフトにはテキストのセンタリングや左揃え、右揃え、両端揃えといった機能がついています。この○○揃えの使い方を間違ってしまうと、文の開始場所が見つけにくくなってしまい、可読性が下がってしまうのです。
チラシの場合は短いタイトルであれば中央揃え・左揃え、テキストなどは左揃えが基本です。チラシ全体の見栄えを良くするために、テキスト全体を中央揃えにするケースもありますが、日本語の中央揃えはあまり長文には向きません。○○揃えの使い方には十分に注意しましょう。
テキストの行間が狭い(広い)
テキストの行間が狭い場合も可読性を下げてしまいます。文字同士が接近しすぎていると読みにくい文章になってしまうものです。一方で行間を空けすぎても読みにくくなります。
ではどれぐらいの行間が適切なのでしょうか。それは書体やフォントによって異なります。実際の利用サイズで印刷し、確認をしてみるのがオススメです。
また、漢字の使い方にも注意が必要です。漢字が多いテキストはたとえ行間が適切でも読み手の集中力を切らしやすくなります。適度にひらがなやカタカナを入れて読み手の集中力を持続させることが重要です。
図(画像)・グラフ・表
図や写真、グラフや表は文章だけのチラシよりも情報が伝わりやすくなります。しかし、図や写真、グラフや表は使い方次第で可読性の低下にもつながってしまうものです。ここでは、チラシにおける図や画像、グラフや表の使い方について2つの注意点をお話ししていきたいと思います。
- 角丸四角の使い方
- オブジェクトの過度な装飾
角丸四角の使い方
角丸四角は読み手に優しい印象を与えるため、好んで使う人も多いでしょう。しかし、角丸四角は使い方によって「可読性の低下」や「チラシのデザイン性(かっこよさ)を下げてしまう」ことにもつながります。
角丸四角を使う場合は、角を丸めすぎないようにすることが重要です。あまりに丸すぎると角と文字の間が窮屈になってしまい、テキスト内容が読みにくくなってしまいます。また、歪んでいる角丸はチラシ全体のデザインバランスを狂わせてしまうこともあります。
また、角丸の丸みの強さは同じサイズ、角度にしましょう。たったそれだけでも統一感が生まれます。
オブジェクトの過度な装飾
オブジェクトとは図形やグラフのことです。オブジェクトはなるべくシンプルな形、サイズ、色使いにしましょう。あまりに過度な装飾はなんのためのオブジェクトなのかが伝わりづらくなってしまい、伝えたい情報が伝わりにくくなってしまうものです。
シンプルなグラフ、シンプルな配色、シンプルなサイズを意識するだけで可読性の高いオブジェクトになります。
自己満足のチラシデザインは読み手に伝わらない可能性も
チラシは読み手の手元で読まれるものです。過度な装飾や多すぎる文字は作る側としては「頑張って作った」と満足するかも知れませんが、読み手とっては「読みにくい」チラシになることもあります。今回お話しした『チラシの作り方で気を付けたいポイント』を踏まえ、読み手に伝わるチラシを心がけてみてください。
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